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嫉妬心を味方にする方法

どうする? 女子のキャリア(5)

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「他の人と自分を比べたって意味がない」「自分は自分、人それぞれなんだから」などと自分に言い聞かせること、ありませんか? 誰かの幸せや成功を素直に喜べない自分に気付いて、「自分はなんて心が狭くて嫌な女なんだろう」と落ち込んだことがある人もいるかもしれません。「嫉妬」という文字は、両方女偏。「女性は嫉妬心が強い」とよく言われますが、自分の気持ちを持て余すことは誰だってありますよね。

特に就活などで、「他の人から選別される」という過酷な経験をした後、人気企業・有名企業から内々定が出たとうれしそうに報告する友人に、「うわー、おめでとう!」と言いながらも顔が引きつりそうになったり、「どうして私は内定をもらえなかったのか」と落ち込んだり、「だって彼女は帰国子女だから...」と言い訳を探したり。「嫉妬する自分がいやだ!」と感じてしまうできごとはしばしば起こります。

世の中では、「嫉妬心は克服すべき」といわれることが多いと思いますが、実は私は「嫉妬」「煩悩」肯定派です。私自身も「嫉妬心」ばりばりだという自覚があるのと、私の周囲の大好きな人たちにも「嫉妬心」がない人なんてひとりもいないからでしょうか。何より、この嫉妬という気持ちを押さえつけるのではなく、上手に付き合うことで、自分自身がとてもラクになれた経験があるからです。

社会に出ると、嫉妬の要素はどんどん増えていきます。女性は恋愛や結婚、出産などライフイベントに関係することでも、このもやもやや嫉妬を感じがちで、友人からの「結婚報告」「妊娠報告」は聞きたいけど聞きたくないテーマの1つになることも多いそうです。仕事をしていれば、評価や昇進・昇格、異動などの人事情報で気持ちを乱されることもしばしばです。

「人と自分をどうしても比べてしまう」器の小さな私が編み出した、この気持ちをラクに受け止め、自分にプラスにしてしまう方法。実はたった2つのステップです。第一ステップは、まずは嫉妬している自分を自覚すること。2つめのステップは、その気持ちを欲望に置き換え、自分の進むべき方向を確認すること。

私は特に若い頃、野心の塊みたいなところがあるイヤなオンナだったので、特に他人の「抜擢人事」は聞きたくないテーマの1つでした。同期やちょっと年次が下のよく知っている人が、主要なポジションに抜擢された、という情報はあっという間に耳に入ってきます。その瞬間に、衝撃とセットで、なんと形容してよいのかわからないもやもやが襲ってくることがあるのです。

すごく素直に心から、「彼が? それはすごい! おめでたい!」と思える時もあるのに、口と裏腹な言葉が心に浮かんでしまうこともある。「役員のお気に入りだからね」「若手から抜擢する演出よ」「私には向いていないポジションね、興味ないわ」と自分を納得させようと色々な言葉を探し、最後には、「あいつなんて大したことないのに!」とまで思ってしまうこともありました。

そうなると、人の成功を素直に喜べず、すぐに自分と比べてしまう、そんな自分の人間性が嫌になり、凹むことしきりです。とにかく、その場では表に気持ちを出さないように必死に振舞って、後からどっと疲れが出るなんてことももちろんありました。就活で思ったような結果が得られなかった経験がある人には、共感してもらえるかもしれません。

あるとき、そんな自分を自嘲的に、ではありますが、客観的に捉えてみたのです。「やだー、めちゃくちゃ嫉妬してるじゃん!」「私ってなんて欲が深いのかしら」と思ってみたら、とたんに気持ちが楽になった。嫉妬の気持ちが芽生えていること自体を、なんとか否定しようとするから苦しいのだと気づいたのです。

これは、実はいろんな局面で使えるテクニックです。ジタバタしている自分からすーっと幽体離脱するつもりで離れて、眺めてみる。すると、「次にこんなこと言うと損するぞ」「ああ、またやっちゃいそうだよ」と客観的に自分と相手の状況を捉えることができるのです。ネガティブなシーンでは特に、感情に流されずに次の一手を考えるために、私はこの手をよく使いました。この場合でも、嫉妬している自分を眺め、笑ってしまうことで、この気持ちに巻き込まれてしまわずにすみます。

そして、その後は「ああ、私、最年少の管理職でいたかったのかな」「あの事業をやってみたかったのかな」と、自分の欲望を整理する。さらに、その欲望を満たした自分を想像して、「どうしても欲しいのか」を考えていくのです。どうしても欲しければ、「欲しい!」と思って、その方向で努力スタート! 目標を公言してしまうことだってあります。それだけのことで、嫉妬の黒い気持ちに巻き込まれ、そんな自分を責めずにすむようになるのです。

嫉妬の気持ちは「欲望の表れ」。嫉妬心は醜い感情だと言われがちですが、「もっと良くなりたい!」と思う気持ちの表れなのです。他人と自分を比べずに達観して生きていく人間修業の道を選ぶのももちろんアリでしょう。でも、誰かを妬ましく思ってしまったり、それに比べて自分を卑下したり、あるいはそんな風に考える自分を責めたりしてしまうなら、「欲張りな自分」を肯定し、次に進んでいくのも1つだと思います。

社会に出たら、出会いも広がり、競争も激しくなって、自分を見失いそうになることもあるでしょう。特に女性は、多くの生き方を選択することができるがゆえに、逆に道しるべとしてどうしても「他の誰かが進む道」が気になってしまいます。より良い道を選びたい、と願う欲の深い私たちだからこそ、強く持つことになってしまう「嫉妬心」。この気持ちは、自己肯定し、上手に付き合うことで、「向上心」に変化させることができるパワーを秘めているのです。

撮影協力:東京理科大学

堂薗 稚子(どうぞの わかこ)
1969年生まれ。92年上智大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材系事業の営業職を経て「就職ジャーナル」副編集長、「リクナビ派遣」編集長、カンパニーオフィサー、ダイバーシティ推進マネジャーなどを歴任。13年、株式会社ACT3設立。女性活躍支援など、企業の組織開発・人材開発にかかわる調査・企画立案、コンサルティング・研修・講演などを行う。著書に『「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(KADOKAWA)。二児の母。

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