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[ skill up-自己成長 ]

相手の「言いたいこと」を引き出す技術

相手の「言いたいこと」を引き出す技術

 「話し下手なのにラジオアナウンサーになってしまった」という、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さん。吉田さんは話す技術を磨く過程で「自分が話すより、相手にしゃべらせることの方が重要」と気づいた。相手の言いたいことを引き出すには、相手に気分よく話してもらうことが重要だからだ。

「言いたいこと」を引き出す技術(1)

最強の相づち「えっ!?」で
相手にどんどん話させる

 「自分が会話をリードする必要がある」「ズバッと核心を突く質問をしなくては」――商談をはじめとする仕事での会話でプレッシャーを感じる人は、意外に多い。しかし、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんは、そんな必要はないと言う。

 「まず、会話への認識を改めましょう。仕事上の会話は戦いではなく、相手との"共同作業"。まずは会話の目的を『何がなんでも成果につなげる』といったものから、『相手と一緒に有意義な時間を過ごし、好印象を与える』ことに切り替えてください。それが結果的に相手の言いたいことを引き出し、ひいては成果につながります」

吉田尚記さん ニッポン放送アナウンサー。現在は週に4日、生放送「ミュ~コミ+プラス」のパーソナリティーを担当(毎週月~木、24~24時53分)。近著『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)がヒット中。

 相手の言いたいことを引き出すためにまずやりたいのが、相手にたくさん話させることだ。

 「人間は、自分の話をたくさん聞いてくれた人に心を開く生き物です。極端な話、『相手がほとんどしゃべっていた』という状況でも構いません」
相手の気分を良くして、「もっと話したい」と思わせるには、相づちを打つのが手っ取り早い。吉田さんがベストだと言う相づちは、「えっ!?」だ。

 「『えっ!?』という相づちは、相手の話への驚きを表します。自分の話に驚いてくれた人には、もっと話したくなりますよね。これがうまいのが、タモリさんです。ご一緒させていただいた番組でも、ゲストの話に適切に『えっ!? そうなの?』と返し、会話を盛り上げていました。使わない方がいいのは、『なるほど』。相手の話を理解した、というニュアンスは伝わりますが、話を終わらせてしまう働きがあるので、注意してください」

「言いたいこと」を引き出す技術(2)

雑談ネタに困ったら
「きどにたちかけせし衣食住」を思い出せ

 たとえ仕事でも、会話が途切れると気まずい沈黙が流れる。そこで焦って別の話題を出してスベり、余計に気まずくなった...という経験はないだろうか。そんな時は、話の"つなぎ"として昔から使われている話題を相手に振るといい。

 「雑談と言えば天気の話、と思っている人は多いでしょう。それは正しいのですが、"切り札"の数は多い方が、何かと便利です。私のおススメは、『きどにたちかけせし衣食住』。季節(き)、道楽(ど)、ニュース(に)、旅(た)、知人(ち)、家族(か)、健康(け)、世間(せ)、仕事(し)、衣類、食、住まいに関する話題を出せば、話に詰まることはないという"先人の知恵"です」

 吉田さんが薦める使い方は、こうした話題を質問に使うことだ。