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[ career-働き方 ]

卒業までにやっておくべきこと(8)トヨタ自動車の田宮幸恵さん
「異文化と触れ合おう」

authored by 日経カレッジカフェ取材班
卒業までにやっておくべきこと(8) トヨタ自動車の田宮幸恵さん「異文化と触れ合おう」

 就職戦線を乗り切って内定を得た学生の皆さんに、先輩社員からのメッセージをお届けします。テーマは「残された学生生活を有意義に過ごすために、いま何をすればいいのか」。今回、語っていただくのは、トヨタ自動車の田宮幸恵さん(30)です。

海外販売店向けデジタルメディアマーケティング

――現在の業務内容を教えてください。

 「海外営業本部のマーケティング部で、海外の販売代理店向けのデジタルメディアマーケティングを担当しています。ソーシャルメディア、オーナーズアプリなど、さまざまなものが対象となります。具体的には大きく分けて3つの機能を担っています。まずデジタル先進地域であるシンガポールやベルギー、米国、南アフリカなどとノウハウを共有すること。ガイドラインやルールも作りこみます。2つ目は、地域ごとの課題に対応して行動すること。例えば、中近東なら中近東ならではの地域特性を考慮した対応を講じる必要があります。さらに3つ目として、デジタルレベルがまだ発展途上の地域では、サイトを作るサポートキットを提供します。ソーシャルメディアのメニューを作って、当該地域に必要なものをピックアップできるようにお膳立てをしています」

田宮幸恵(たみや・さちえ)さん 1985年東京生まれ。2009年東京大学文学部卒業、トヨタ自動車に入社。現在、マーケティング部ブランドマネジメント室ブランドコミュニケーショングループに所属する。

――入社後、ずっと同じ担当なのですか。

 「2009年の入社後、現在の部署に配属となり、最初はロゴマークの使い方を海外の販売代理店に伝えたり、トヨタがどう見られているかのブランド調査をしたりという担当でした。その後、入社4年目から現在の担当となりました。昨年には米国カリフォルニアに研修を兼ねて派遣され、現地で働く機会を得ました。多国籍な同僚とのチームワークや、現地ディーラーとのコミュニケーションを学ぶ貴重な体験でした。日本に戻ったのは今年の1月のことです」

悩んだ末に気付いた3つのポイント

――トヨタに入った理由は。

 「大学2年のころは、どんな仕事を選べばいいのか悩んでいました。複数のインターンシップを体験しながら、自分なりの考えをまとめようと試みました。その結果、大学3年の後半になると、自分が大切にしたいことがみえてきたのです。(1)働くなかで成長し続けたい(2)グローバルに通用する人材になりたい(3)社会に貢献したいーーという3つの切り口です」

悩みながら自分がやりたいことを見付けた

 「3つの切り口のうち、1つ目については、トヨタが人材育成の体制がしっかりしている会社だと知りました。2つ目についていうと、一時は外資系も検討しましたが、いろいろな国の人たちと付き合うには、実は日本に本社を持つ企業の方がいいだろうと判断しました。そして3つ目ですが、大学3年でエジプトに旅行した際、ガイドさんが『危ない事態に遭遇することもあるが、そんな時ほどトヨタのクルマでないと信頼できない』と説明するのを聞き、世界に貢献している会社なのだと実感したことが大きいですね」

――学生時代に力を入れたことは。

 「大学は文学部の社会学科でしたが、非常にタフなゼミに所属していました。8万字もの卒論を仕上げなくてはならず、仮説をたてたり綿密な調査をしたり、かなり努力しました」

英語は継続して学ぼう

 「そんななかでも、先輩から『社会に出ると本当に自分の時間がなくなるよ』と教わり、大学4年の夏に海外旅行に出かけました。現地発着の旅行で、ベルリンに集合し、中東欧6カ国をまわりました。いい刺激になったと思います。あとは、内定後に会社から行動規範やチームワークなどを学ぶ課題図書を提示されていたので、目を通しました。これはトヨタが大切にすることを理解するのに役立ちましたね」

――学生の皆さんに卒業までに取り組んだほうがよいことをアドバイスしてください。

 「自分は海外旅行をしましたが、できれば外国に一定期間住んだほうがよかったと思っています。学生の皆さんは、短期でもいいので留学するといいですね。旅行するのと、実際に住むのでは違うと思います。そこに住んでみて、異文化を理解するのは大切なことです」

英語が母国語ではない人たちとのコミュニケーションも欠かせない

 「英語については、1カ月やそこらでマスターできるものではないですね。1日30分ずつでも継続して学ぶとよいでしょう。英語を母国語とする人たちとだけ付き合えばいいわけではありません。入社してみて、英語を母国語としない人たちとの意思疎通も重要であることを痛感しました。まずは、英語の知識をきちんと身に付けたうえで、異文化の人たちとコミュニケーションがとれるようになることが大事だと思います」

――有難うございます。最後に今後の夢を教えてください。

 「現在の組織では販促、需給、価格、商品という4つの軸があります。私はこのうち販促を担当しているわけですが、それ以外のさまざまなキャリアも積んでいきたいと考えています。また、今後は家庭と仕事の両立という課題にも取り組んでいかなければならないでしょうね」

(聞き手は村山浩一)

連載【卒業までにやっておくべきこと】
(1)全日空の財津弘彬さん「英語学習と生活リズム維持を」
(2)大和ハウスの康乗佐知さん「幅広く資格や体験を」
(3)サントリーの中村曜子さん「"お客さん"を観察しよう」
(4)大和証券の水村茉菜さん「経済の勉強を。仲間も大切に」
(5)大塚製薬の大竹悠さん「ボランティア、いまに生きる」
(6)JTBの田中奈津子さん 「5回の卒業旅行で学ぶ」
(7)NTTデータの八巻絵美さん 「勉強会や交流会に参加」
(8)トヨタ自動車の田宮幸恵さん 「異文化と触れ合おう」
(9)日本航空の村杉汐音さん 「大学の授業を大切にしよう」
(10) 三井物産の中岡壮史郎さん 「目標を立ててクリア」を繰り返せ
(11)楽天の戸田雅子さん 「社会人と話す機会を作ろう!」
(12)東京海上日動の森山大志さん「内定後もOBを訪問」

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