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[ career-働き方 ]

「島キャン」リポート(1)夏の感動体験、学生たちが島おこし!

authored by 島キャン
「島キャン」リポート(1) 夏の感動体験、学生たちが島おこし!

 都会の大学生が離島で2週間働きながら、島おこしを手伝うインターンシップ「島キャン」。学生たちは、島で働きつつ、島について学び、島の魅力を捉え直して発信しています。2015年夏の舞台は北海道礼文島、島根県隠岐諸島、鹿児島県奄美群島の9つの離島。約50の事業所を就業先として実施しました。

 学生の皆さん、こんにちは。島キャン事務局スタッフの田島遥菜です。島キャンのスタッフとして今夏、奄美群島をまわり、学生たちと受け入れ事業先の話を聞いてきました。島キャンに参加した学生たち(以降「島キャン生」)は、島でどのような体験をし、どう思ったのか、彼らの声を元にリポートします。

喜界島:島人と家族のように触れ合い、あたたかさを知る

 最初に向かったのは喜界島の南村製糖。南村製糖はさとうきびやごま、マンゴー、それらの加工品を生産しています。島キャン生たちは、マンゴーの収穫・剪定・除草作業や、ヒマワリの伐採、白ごまの種まきなどを体験しました。

軽トラいっぱいに積まれたヒマワリ
ヒマワリ油用の種を伐採する島キャン生

 喜界島での2週間を通じて「こんなに人々があたたかい地域もあるのだと気づきました」と、日本大学3年生の岩田雄真さん。「僕らが帰る日の小さな飛行場には、フェンス越しに横断幕をもった人や見送りで最後まで声をかけてくれる人、飛び立つまで手を振ってくれる人たちが集まっていました。一度会った人との縁を大切にしていると感じました。また、就業先の方が運転する軽トラに乗って道を走れば、通りかかる人の半分くらいが知り合いで、軽く手を挙げて挨拶を交わします。島の人が言っていました。『知らない人はいない。何人か友達がいたら、そのうち誰かはその人のことを知っている、自分が知らなくても誰かしらつながっていて、1つの家族のようなものだよ』と。宿泊先の民宿の近所で開かれたバーベキューにお誘いいただいたり、時には食べ物をいただいたり、僕も家族の一員のように接していただき、島の人のあたたかさを浴びた2週間でした」

沖永良部島:情熱をもって仕事に向き合う大人から、仕事への姿勢を学ぶ

 沖永良部島では、和泊町企画課に話を伺いました。ここでの島キャン生たちは企画課の安田さんの指導のもと、町が管理している公園での植栽活動やお祭り運営のお手伝いなどを任されていました。ここの受け入れ責任者である安田さんは、沖永良部島をより魅力的にし、その魅力を島外に発信するために精力的に活動しています。企画課職員、小学校のPTA会員、集落の青年団員などいくつもの顔をもち、景観づくりや民泊事業の立ち上げ、えらぶゆりの植栽活動、ジョギング大会の企画など様々な仕事に携わっていました。

安田さんの仕掛ける仕事の1つ、地域の方々を巻き込んだえらぶゆりの植栽活動のようす
安田さんと島キャン生の鈴木夢実さん

 一生懸命かつストイックに仕事に向き合う安田さんの姿を間近でみた島キャン生、立教大学3年生の鈴木夢実さんは、将来の仕事への向き合い方を考えさせられたといいます。「日々発している熱量がとても多いんです。『島人のために働き、最後には涙を流す仕事をする』という安田さんの姿に感動しました。安田さんは、ただ仕事をしているんじゃなくて、常に島のことを考え、島を良くするために情熱を持って仕事をしていました。そして思いついたアイデアはすべて実行に移していた。私も将来、仕事に対して本気で向き合いたいと思いました」

奄美大島:島の子供たちの未来の選択肢を広げる。大学生ができる貢献を考える

 奄美大島では、島の魅力を島外に発信するサイト「島キャン宣伝部」の立ち上げに携わった有田絢音さんに話をききました。「過疎化が進む地域に住む人は、そもそも地域の活性化を望んでいるのだろうか。それに対して、私たち大学生にできることはあるのだろうか」その答えを求めて、離島でのインターンシップに参加したといいます。

 休日、有田さんは瀬戸内町にある油井小中学校の運動会に参加しました。全校生徒は小・中学生合わせて18人と小人数のため、保護者や地域の方々も運動会に参加します。有田さんもメンバーの一員として職場対抗リレーや、家族対抗リレー、集落対抗リレーに出場しました。

油井小学校の秋季大運動会
在校生数が少ないため、保護者や地域の方が総出で出場

 そこで出会ったお母さん方は、島外からもっと多くの学生が来ることを願っていました。「島の子供たちは狭いコミュニティーで育ってきたため、視野が狭い。都会で大学に通い、島にはない仕事に就くことを考えている島キャン生との触れ合いがあれば、子供たちの将来の夢も広がると思う」。実際、有田さんが取材でとある飲食店に伺った際、その飲食店の小学校2年生の娘さんが、有田さんの姿をみて"取材"という仕事への興味を持ったそうです。

 有田さんは今回の活動を通じてこう考えたといいます。「私たち大学生は特別なスキルがあるわけではないが、島に貢献できることはあるのかなと思いました。たくさんの若者が島を訪れ、島の子供たちと関わる。こんなことをやってる大学生がいるんだって、子供たちの将来の選択肢が広がればいいし、それによって様々な学問や仕事を経験して島に帰ってきた将来の子供たちが、奄美に新しい風を吹かせるようになったら嬉しいです」

 今回登場した島キャン生の気付きは三者三様でしたが、彼らの価値観や考え方に少なからず変化をもたらしたことは確かなようです。島キャンを運営する私たちが想像していた以上のものを、島キャン生たちは得てきているようでした。都会の学生と島に住む方々が関わることで、それぞれに刺激を受け、影響を与え合う。そんな機会をこれからも提供し続けていきたいと思います。

(島キャン事務局スタッフ 田島遥菜)

【島キャン事務局スタッフ】
島おこしインターンシップ「島キャン」を運営するカケハシスカイソリューションズの社員。この夏は、8月、9月と1カ月ほど島に滞在し、やっと都会での時間の流れを取り戻してきた今日この頃。島キャンをよりよい企画にするために、日々奮闘中です!

【「島キャン」リポート】
(1)夏の感動体験、学生たちが島おこし!
(2)海外志向の私が離島に目を向けたワケ
(3)「方言」に冷や汗?! 外からの目線でお手伝い
(4)価値観変わる刺激があった 島で自分を見つめ直そう!!
(5)「記者になりたくて」 視野が広がった2週間
(6)「ただいま」といえる場所ができた
(7)家のような温かい「まちづくり」をしたくて
(8)2度目の島キャンで家族ができた!
(9)地域密着型の島ラジオ 近所の子どもと生出演!
(10)黒糖をつくる米蔵さんが大切にしていること
(11)2016年春の島キャンサミット~学生たちが身につけた力とは
(12)大学で学んでいることが応用されている現場を見たかった

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