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中国社会脅かす安全問題~
必要なのはコンセンサス

中国社会脅かす安全問題~必要なのはコンセンサス

 習近平政権が進める反腐敗闘争は中国の最高指導部の一人だった周永康・元共産党中央政治局常務委員に司直の手が伸びるまで進んだ。汚職に対する中国人の見方もかつての「賄賂は中国四千年の伝統」という諦めと妥協の混じったものから「徹底的に追及すべき」に変わった。習政権におけるある意味で非連続的な変化だ。一方で、ほとんど改善がみられないのが食品、交通など日常生活の安全だ。

 最近、北京で意外な光景を目撃した。階段と昇りエスカレーターが平行した駅で、多数の乗客が空いたエスカレーターを尻目に階段をのぼっている姿だ。日本なら運動不足解消のため、あえて階段を上る中高年は少なくないが、中国ではエスカレーターがある場所で階段を選ぶ人は例外的だ。

 こんな光景が出現した理由は「人食いエスカレーター事故」にある。その映像は衝撃的だった。子供の手を引きエスカレーターで上がって来た女性が一歩踏み出すと突然、床が抜けて落下、子供だけはかろうじて前にいた人に渡した。転落した女性はエスカレーターの機構部に巻き込まれて死亡するという痛ましい事故となった。エスカレーターの保守作業員が床の金属板の留め金を締め忘れたために起きた。

野菜をチェックする中国の食品Gメン

 ひとつのネジを締め忘れるなら、うっかりミスもあり得るだろうが、全部のネジが外れていたとなれば意図的か、作業工程や確認手順に欠陥があるとしかいいようがない。

 8月に天津で起きた大爆発の惨事。いまも原因や責任がどこにあるかははっきりしない。にもかかわらず、爆発現場には衝撃でできたクレーターに水を張って池にした公園や幼稚園、小学校の建設計画が打ち上げられた。さすがに地元住民の猛反対で宙に浮いたが、2011年に浙江省温州市で起きた高速鉄道事故で、事故の原因解明も進まないうちに現場に穴を掘って車両を埋めようとしたケースを思い出させる。

天津港周辺では壊れた車や建物の撤去作業が続く(天津市)

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