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伊勢丹、無印良品も注目
アパレルに広がる国産志向

伊勢丹、無印良品も注目アパレルに広がる国産志向

 ファッション業界で日本製品に対する評価が高まっている。町工場の直営店から高級ブランド、生活雑貨店「無印良品」に至るまで国産のヒット商品が生まれ始めている。背景にあるのは、訪日外国人によるインバウンド消費だけではない。日本人の間で日本製への再評価が広がり、ブームでは終わらない潮流を起こしつつあるようだ。

腕を上げても裾が上がらないシャツ

 相撲の聖地、東京・両国国技館近く。清澄通り沿いにある1軒の洋服店に鹿児島県、徳島県といった遠方から買い物客が次々と訪れる。お目当ては中堅メーカー、丸和繊維工業(東京・墨田)のブランド「INDUSTYLE TOKYO(インダスタイル トウキョウ)」の商品だ。

 「5枚のワイシャツをまとめ買いする人もいますよ」。本社1階にある直営店で話すのは同社営業第2グループの西川知哉マネジャーだ。男女用のワイシャツ1枚で税別1万5000円からと安くはない。町工場発の商品が、なぜこの価格帯で売れるのか。

 同ブランドのワイシャツは体にフィットするのに、腕を上げたり肩を回したりしても引きつらない。大きく背伸びをすると、一般のシャツは裾がスーツのパンツからはみ出て、だらしない印象になりがちだ。ところがインダスタイルの商品は腕を上げても裾がほとんど上がらない不思議なシャツなのだ。

丸和繊維工業のブランド「インダスタイル トウキョウ」は15年12月期に5割増収の見通し(東京都墨田区の直営店)

 秘密は「動体裁断」と呼ぶ独自の縫製技術にある。「人間の皮膚を研究し、動くことを前提とした型紙づくりをした」(丸和繊維の伊藤哲朗常務)といい、特許を取得している。ポロシャツのようなニット素材(編み物)で少し伸縮性があり、肌触りも柔らかい。

 今では伊勢丹新宿本店メンズ館や大丸東京店などの百貨店や直営店、ネット通販で販売している。2015年12月期の売上高は2億円程度と、前期より5割増えそうという。顧客の大半は日本人で20歳代後半から70代まで幅広い。男性が中心だが、少しずつ女性も増えてきおり、「店頭で試着した後、2回目以降はネットで買うリピーターが広がっている」(西川氏)という。