日本経済新聞 関連サイト

OK
liberal arts-大学生の常識

中国、
コーヒー1杯1000円の国のジレンマ

中国、コーヒー1杯1000円の国のジレンマ

 北京のホテルのラウンジで普通のコーヒーを1杯飲んだら52元(約1000円)の請求がきた。ホテルとはいえ、これは高い。東京の高級ホテル並みだ。中国の物価が先進国並みに高くなっていることは度々指摘されている。ただ、足元では先行きのデフレを懸念する声もあり、それを払拭するための元安政策への期待も根強い。元安はコスト高に苦しむ国内の輸出産業を助け、デフレ解消の効果があるからだ。だが、物価高に敏感な今の地合いで元安という劇薬が打てるのだろうか。

スタバのカフェラテ、中国510円 日本は399円

 中国のスターバックスコーヒーのカフェラテ(トールサイズ)は27元(約510円)、日本は399円(税込み)だ。円安が進んだ日本から見ると、中国の物価は高く感じるが、世界的に見てどうなのか。スイスの金融機関のUBSが9月にまとめた物価の国際比較が参考になる。122種類の商品・サービスの価格を調べたうえで指数化し、ニューヨークを100として比較している。これによると、北京は53.2、上海も54.3で東京の70.6よりは低いが、ベルリンの51.3、マドリードの50.4よりも高い。

 この数字には住宅賃貸料が含まれており、中国の高い不動産価格が順位を引き上げた形だ。北京のマンション価格は1平方メートルで2万~3万元はするが、100平方メートルなら日本円で3800万~5700万円になる。都心を除く東京圏とほとんど変わらない水準だ。何もかも高くなった中国では生産コストの上昇も免れず、輸出産業の競争力が低下している。今年1~8月の輸出額は前年同期比で1.4%減となり、8月は5.5%減に沈んだ。

 物価高、住宅高騰は庶民の不満を招きやすく、中国政府はその解消に努めてきた。住宅価格は下落し、2011年に5%を越えていた消費者物価の上昇率もほぼ1%台に下がった。だが、副作用も大きかった。住宅価格の下落で内需は低迷し、金融機関の不良債権も増えた。卸売物価指数は3年間も下落傾向が続いており、8月は前年同月比で5.9%下落した。食品価格の上昇で消費者物価こそプラスだが、実態はデフレに近いとの見方が根強い。

この記事は会員限定コンテンツです。続きを読むには「College Cafe by NIKKEI」に会員登録(無料)してください。

最初に日経IDを取得し、その後「College Cafe by NIKKEI」に利用登録(無料)します。