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仕事に効く身だしなみ・女性編
「買い」の人材、自然に装う

仕事に効く身だしなみ・女性編「買い」の人材、自然に装う

 仕事に行くとき、「この服装でいいのか」と鏡の前で迷うビジネスパーソンは多いのではないだろうか。同僚や取引先に好印象を与えるだけでなく、自分に自信がつき、仕事で好循環を生む。そんなスタイリングを身に付けるためのポイントを紹介する。まずは女性編から。

 製薬会社勤務の木村博美さん(仮名)は秘書から広報に異動し、出張やイベントで顧客と会う機会が増えた。「会社の顔とはいえ、私は裏方。悪目立ちせず、でも仕切り役だと分かる服装とは何か」と頭を抱えた。「服装がしっくりこないと憂鬱で、胸を張って仕事ができない」

 業種や職種によって許される服装の範囲は異なるが、自信をもって仕事に臨み、いい仕事につなげるには何に気を付ければいいのだろうか。日本服装心理学協会代表理事でパーソナルスタイリストの久野梨沙さんは「働くということは自分を買ってもらうこと。相手が求める仕事を提供できることを全身で表現することが重要」と強調する。

新人時代は清潔感

 目上の人と現場で働くなら「フットワーク軽く、何でもこなすイメージ」、金融関係の営業なら「揺るぎない安定感、安心感を醸し出す」など業種や職種、相手の立場や自分の年齢によって、何を求められるかを判断して服装を選ぶのが肝心。内勤でカジュアルな服装がOKの職場でも同様で、自分がどういう姿勢で仕事に向き合っているかを表現するのが仕事服だ。

場面によってシャツやブラウスを使い分ける

 ファッションプロデューサーのしぎはらひろ子さんは、「迷ったらショップ店員に『年配の方を相手に営業する仕事なので、好感を与える服装を教えて』と相談するといい」と話す。日本サービスマナー協会の講師、三上ナナエさんは「初めての取引先に行くときや自分が何を求められているか分からない段階なら、現場で一番フォーマルな服装の人とドレスコードを合わせると安心」と助言する。そうすればマナー違反になることはなく、周りの目を気にせずに済む。ジャケットだけ常に携帯するか、職場に常備して外出時に持って行くのも手だ。

 服装を「仕事上の戦略の一つ」ととらえるしぎはらさんは、「新人のうちは清潔感を心がけ、『この人なら安心して仕事を任せられる』と思われる、いわばビジネスにおける自分の制服を探す。中堅になったら脱・新人をアピールし、存在感を焼き付ける工夫が必要」と話す。白いシャツとジャケットでは新人のように見えてしまう。インナーをポリエステルやジョーゼット、光沢のある素材の丸首ブラウスに変えると、それだけで落ち着いた雰囲気になり、信頼感が増す。

 「第一印象によって、相手が求めるものや期待感の大きさが変わる。この人はこんな仕事をしてくれそう、と思わせるには、服装や色で期待値をコントロールするといい」と久野さんは勧める。ただ、「営業はエネルギッシュであるべきだ。元気に見える赤を着よう」といった思い込みは危険だ。営業スタイルは人それぞれで、無口な営業マンが相手の困りごとを引き出すスタイルで成功することもある。

小物の色は統一を

 「見た目の印象(期待値)と実際の行動や能力が一致している人は、営業成績や職場での評価が上がる」と久野さんは指摘する。「ムードメーカーだね」と言われるなら明るい色味を使い、現場管理や納期厳守を評価されている人は、きちんと見える形や落ち着いた色の服を選ぶ。斬新なアイデアを求められるなら個性的な服装や流行色を採り入れてもいい。

 アピールしたいイメージに合わせて、色味のある小物を使うのもコツ。「元気なイメージを持ってもらうために名刺入れだけ赤にしても、効果は低い。しかし、手帳もノートも赤にすれば相手の記憶に刻まれる。小物、スカーフ、バッグと面積の小さいものから徐々にそろえて自分のイメージカラーで固めるといい」としぎはらさん。

 人から見られるのは、服装だけではない。三上さんは「若手社員には見られているという意識が低い人が多く、会議前に素の表情をしていたり職場であくびしていることもある」と注意を促す。仕事の場では常に見られている可能性がある。背筋を伸ばし、口角を上げて生き生きした表情でやる気を表現して、イメージアップにつなげよう。

(ライター 加納 美紀)[日経電子版2015年11月12日付]

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