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[ career-働き方 ]

「島キャン」リポート(3)「方言」に冷や汗?!
外からの目線でお手伝い

authored by 島キャン
「島キャン」リポート(3) 「方言」に冷や汗?!<br />外からの目線でお手伝い

 こんにちは! 早稲田大学商学部4年の外山友香です。インターンシップをしながら島おこしについて考える島キャン。「おもしろそうだけど実際何してるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。実際に島でどのような仕事をしていたか、お伝えしていきます。

与論島の魅力発信が仕事

 私は 本連載の前回記事を書いた多葉田愛さんと同じく、今年(2015年)8月に与論町役場商工観光課で2週間インターンを経験しました。

 私たちが就業した与論町役場商工観光課は、与論島を島外に宣伝したり、観光客向けの施設の管理をしている部署です。私たち島キャン生のメインの仕事は、「与論島をPRすること」でした。「知らなければ伝えられない」ということで、島をまわって与論島の有名な観光地やレストランに行ったり、島民の人にインタビューをしてホームページやフェイスブックに記事を投稿しました。

 外部のメディアに与論島の飲み会には欠かせない「島有泉」を作っている有村酒造の記事を掲載したり、私と多葉田さんが運営するメディアに考えたこと、感じたことを対談形式の記事としてアップしたりといった具合です。

有村酒造の社長である有村晃治さんにインタビュー
与論島の小冊子を発行している長崎さん。与論が今のままであってほしいという強い想いを話していただきました。レストラン「Aman」も経営されています(左が筆者)


「うみぽす」で入賞!

 ちょうど、私たちの滞在時期に海をPRするポスター「うみぽす」の募集があり、私たち島キャン生も提出しました。そしてなんと、私のポスターは賞をいただくことができました! 

 島キャン生の強みは「外側からの目線を持っている」ということ。島の人は島の環境が日常になっているので、島の魅力に気づきにくいのだそうです。島キャン生の強みを生かして、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSに「#島キャン」や「#●●島」のハッシュタグをつけて1日1投稿することも、島キャン生のミッションの1つになっています。

私たちが作成した「うみぽす」作品。モデルになっているのは商工観光課の島キャン担当者の方です(笑)。日本の海は海外の海とは異なり様々な楽しみ方がある、ということを表現しました

 SNSを用いた発信はとても簡単なことですが、どの島も認知度が低いことは課題のひとつなので、島キャン生だからこそできる重要な役割だと感じました。

 その他、与論空港で観光客の方にアンケートをとったり、与論島最大の夏祭りである「さんご祭り」のパレードやハーレー大会に出場したり、星の砂を海にとりに行ったりと、毎日依頼される仕事が違うため、様々な仕事をしていました。

 特にアンケート調査では、「与論島の観光地化されていないところに惹かれてもう一度来たい」という観光客やリピーターが多いことがわかりました。与論島は案内看板も少ないし、インターネット環境もよくなく、決して観光客にとって便利とはいえませんが、「このままの与論島であってほしい」と思っている観光客の方々がほとんどでした。

 私は観光を盛り上げるには新しいことをしないといけないと思っていたので、正直驚きました。観光について改めて考え直すきっかけになりました。

どの仕事も島に直接関わる仕事

 以下に、与論島の他事業所でインターンをしていた島キャン生の声も一部紹介しましょう。

(1)【与論町役場環境課】与論島の観光は環境がなければ成り立たない

 与論町役場環境課の仕事は大きく分けて2つ、1つはハイビスカスやヤシの木を育成し、海岸や空港などの公共交通機関に設置する植栽。海岸の雑草を除去や樹木の剪定も行いました。

 2つ目が海岸にある漂流物や流木、不法投棄されたゴミなどを毎日手作業で回収、分別する海岸清掃の仕事です。

 さりげなく見ている与論島のきれいな風景は環境課の方々の仕事があるからこそ成り立っているもの。観光客が来れば来るほど環境が悪くなってしまうけれど、観光のおかげで与論島の産業が成り立つ、という難しい関係にあることを学んだとのことです。

(2)【ヨロンSC】観光客も島民も集まる与論島のマリンスポーツの中心地

 ヨロンSCは、カヌーやボート、スタンドアップパドルなど様々なマリンスポーツが体験できる施設です。島キャン生は、海のレジャースポーツのガイドや監視、サポート、体育施設の受付やその周りの草刈りをおこないました。ときには、子どもにカヌーを教えたり、さんご祭りで行われた子どものカヌーレースの司会も務めました。

 ヨロンSCに就業した学生に聞くと、マリンスポーツを楽しめるのは、安全に気を配って働く人あってのことだと感じたとのこと。お客様にとっては初めてきく説明でも、スタッフ側としては同じ説明を毎日繰り返すことになるので、日々高いクオリティを維持するのは大変なことがわかりました。

 また、マリンスポーツは常に危険と隣り合わせのスポーツ。小さな異変や情報を常にスタッフ間で共有することが、とても重要だと気づきました。たとえば、カヌーの船底の小さな傷に気づくことができれば、尖ったサンゴや岩の位置を把握できて、お客様のケガを防ぐことができます。ライフジャケットを水に浮かべたときに少し傾いていることに気づくことができないと、命にかかわります。慣れや妥協が一切許されない、責任感のある仕事だと思いました。

環境課でお世話になった方々。与論島の海を守る頼もしい背中です
事業所の方が子どもにカヌーを教えている様子


 そんな働く人たちの苦労を横目で見つつ、私たちが苦労したことは、圧倒的に方言!電話番をしていた時に方言で問い合わせを受けた際には、冷や汗が止まらなかったです(笑)。

 このように与論島だけでも複数個の事業所があり、事業所によって仕事内容は異なるものの、どの仕事も与論島を色々な面から支え、島を盛り上げています。次回は、他の島でインターンをした島キャン生のインタビュー内容を詳しく紹介します。お楽しみに!

外山友香(とやま・ゆか) 早稲田大学商学部4年。台湾、ニュージーランドへの留学経験とベンチャー企業で訪日観光事業に携わったことをきっかけに、地域活性化に興味を持つ。4年の夏休みには与論島と群馬県桐生でインターンをし、現在島キャンで知り合った多葉田愛さんが編集長を務める「CULTUREAL(カルチュリアル)」の副編集長兼ライターを務めている。
【島おこしインターンシップ「島キャン」】
離島での就業体験をしながら、離島の島おこし・地域活性化に貢献する新しいかたちのインターンシップ企画。
http://www.shimacam.com/index.php

【「島キャン」リポート】
(1)夏の感動体験、学生たちが島おこし!
(2)海外志向の私が離島に目を向けたワケ
(3)「方言」に冷や汗?! 外からの目線でお手伝い
(4)価値観変わる刺激があった 島で自分を見つめ直そう!!
(5)「記者になりたくて」 視野が広がった2週間
(6)「ただいま」といえる場所ができた
(7)家のような温かい「まちづくり」をしたくて
(8)2度目の島キャンで家族ができた!
(9)地域密着型の島ラジオ 近所の子どもと生出演!
(10)黒糖をつくる米蔵さんが大切にしていること
(11)2016年春の島キャンサミット~学生たちが身につけた力とは
(12)大学で学ぶ「化学」が応用される現場を見たかった

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