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[ career-働き方 ]

「島キャン」リポート(4)価値観変わる刺激があった
島で自分を見つめ直そう!!

authored by 島キャン
「島キャン」リポート(4) 価値観変わる刺激があった<br />島で自分を見つめ直そう!!

 こんにちは! 早稲田大学商学部4年の外山友香です。インターンシップをしながら島おこしについて考える島キャン。実際に島でどのような仕事をしていたか、お伝えしたいと思います。今回は奄美群島に位置する加計呂麻島の塩工房でインターンを体験した関西大学3年の竹内有輔くんをインタビューしました。

大人たちが本気でやる運動会

――まず、島キャンに参加しようと思った理由を教えてください!

「バックパッカーをしたいと思っていたので、その練習になると考え、島キャンに参加しました。海外が好きで、バックパッカーなら多くの方と会えて自分の刺激になりますし、海外との繋がりがほしかったんです。あとは、島の人たちと話したかったとか、『働く』を知りたかったからですね」

――そうなんですね。ということは、これからバックパックするんですか?

運動会の様子。米俵をかついで全力で走りました(左が竹内くん)

「いや、今はしようとは思ってないです。島キャンに参加して、海外にいかなくても、日本にも今の生活が変わるような刺激があることがわかったので」

――相当濃い体験ができたんですね! 実際に現地ではどういうことをしていましたか?

「メーンは塩作りですね。海水を汲んできて、それを釜に入れて、ひたすら焚く。焚き上がった塩を樽に移し、そこに珊瑚を入れて乾燥させ、最後は袋詰めをして完成。この行程を1週間くらいで行いますが、天候にも左右されるので、予定通りに行かないことの方が多かったです」

「小中学校の運動会にも参加させてもらいました。参加者は小中学生14人程度と大人が大勢。 生徒が少なく、大人の方が多いので、集落対抗の本気の戦いでした(笑)。まさか大学生になって運動会を本気でやると思ってなかったので楽しかったです」

人とのつながりが財産に

釜で塩を焚き上げる様子

――島の人の働き方や、都会との違いに関しての学びや気づきを教えてください。

「まず、時間感覚や判断基準が違うなと思いました。インターン先でお世話になっていた榊(さかき)さんという方の行動が特徴的で......。まず、榊さんは予定を立てません。当日の朝に、仕事に行くかどうかを決めます。行くかどうかは、その時の天候や気分で決めるんです。都会だと天気が悪いから仕事に行くのはやめようなんてことはないと思うのですが、インターン期間中は、雨が降れば1日中家にいることもありました」

「あとは人とのつながりを大切にすることですね。榊さんは人と話すことが好きなので、仕事の時間よりも人と話す時間の方が多かったと思います。人と話すことが財産になるというか、人脈を作る方が仕事よりも大事という、時間の使い方が印象的でした」

――たしかに、島の人たちはコミュニティーが小さいからこそ、人とのつながりを大切にしますよね。榊さんの加計呂麻島をどのようにしていきたい、というような想いを聞いたことはありますか?

「加計呂麻島にもっと人を呼ぶにはどうしたらいいか、余っている土地に何か新しい産業を作れないかと、塩作り以外でも動いてました。塩作りをしてるときによくお客さんが訪ねてくるんです。その方たち同士を繋げて新しいことをしようとしてました。薬草をつくるとかも言ってたような気がしますが、本当に聞き取りにくい喋り方なので盗み聞きはあまりできませんでした」

お世話になった加計呂麻島自然海塩工房の看板

――そんなに方言が大変だったんですね! どうやって乗り切ったんですか? 気合い?

「方言じゃなくて榊さんの話し方なんです。村の人も聞き取れないくらいの訛りで......。とりあえず、話を聞くより顔の表情で読み取る、ですね。顔が笑えって言ったらすかさず笑う、みたいな感じでした(笑)」

「思い込み」を壊すのに最適

――島キャンに行って変わったことはありましたか?

「榊さんがいい意味で傍若無人な方なので、自分の意見を持ってないとそれこそ潮に飲まれます(笑) 。自分の意見は常に持っていようと思いました。あとは、『変でもいっかぁー!』って、もっと強く思えるようになりましたね。人に流されないと、変を貫くって同じことだとわかったのも加計呂麻島での経験と榊さんのおかげです」

――「変でもいっかぁー!」というところから何か行動に移しましたか?

「何か大きいことをやり始めたというより、第一印象でどうやってこの人にインパクトを与えれるかを常に考えるようになりました。そのために、海外に行くのもいいですけど、それだと自分のおもしろいところから逃げてるようでやめました」

食事のための魚を銛でついている様子

――自分の周りを面白くしよう、というか、面白いことを探そうとなったということですか?

「いや、面白いことは探さなくてもあるんです。恥じと思い込みの問題で。 面白いことをいかに見つけて、笑いをとるかですね。笑いは楽しい以外に人に隙を作ると思うんです。その隙をつくのが好きで、その隙がインパクトなんじゃないかなって思うんです」

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします!

「島キャンは思い込みを壊しに行くには最適な機会だと思うので、多くの学生にいってほしいですね。『新しい自分』を見つけにいくというより、人の温かさや島のゆるい雰囲気から『すでに持っているけれど自分の見えていない部分』を見つめることができると思います」

◇        ◇

 竹内くんへのインタビューは以上です。私は島キャンの前に数回海外に留学や旅行をしていましたが、島キャンでは竹内くんと同様、日本でもこんなに新しい価値観を知ることができるのか、と驚きの連続でした。

 私は与論島の与論町役場商工観光課でインターンをしていたので、仕事を通して観光について考えることが多くありました。一方、竹内くんのように"ひと"からの学びが濃い島キャンの形もあるのだなと思いました。次回は、奄美大島の商店街の活性化に取り組んでいる「まちづくり奄美」でインターンをしていた島キャン生のインタビューをお伝えします。

外山友香(とやま・ゆか) 早稲田大学商学部4年。台湾、ニュージーランドへの留学経験とベンチャー企業で訪日観光事業に携わったことをきっかけに、地域活性化に興味を持つ。4年の夏休みには与論島と群馬県桐生でインターンをし、現在島キャンで知り合った多葉田愛さんが編集長を務める「CULTUREAL(カルチュリアル)」の副編集長兼ライターを務めている。
【島おこしインターンシップ「島キャン」】
離島での就業体験をしながら、離島の島おこし・地域活性化に貢献する新しいかたちのインターンシップ企画。
http://www.shimacam.com/index.php

【「島キャン」リポート】
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(2)海外志向の私が離島に目を向けたワケ
(3)「方言」に冷や汗?! 外からの目線でお手伝い
(4)価値観変わる刺激があった 島で自分を見つめ直そう!!
(5)「記者になりたくて」 視野が広がった2週間
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