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[ career-働き方 ]

「島キャン」リポート(5)「記者になりたくて」
視野が広がった2週間

authored by 島キャン
「島キャン」リポート(5) 「記者になりたくて」視野が広がった2週間

「島キャン」リポート(5)

 こんにちは! 早稲田大学商学部4年の外山友香です。インターンシップをしながら島おこしについて考える島キャン。実際に島でどのような仕事をしていたか、お伝えしたいと思います。今回は奄美諸島に位置する奄美大島の「まちづくり奄美」でインターンを体験した早稲田大学1年の砂田理恵さんをインタビューしました。

記者になりたいという夢と勢いで参加

――まず、島キャンに参加しようと思った理由を教えてください!

 「学生が記事を執筆するサークルに所属しており、サークルの先輩が書いた記事で知りました。私は普段出不精なので、勢いで行ってしまわないと二度と奄美に行く機会がないと思ったんですよね。中高一貫校だったということもあり、大学に入っていきなり外に出されてしまったような感覚がありました。なので島キャンに応募した理由は一人でなにかしないといけないという焦りと、ほとんど勢いですね(笑)」

――その島、その事業所にしようと思ったのはなぜですか?

 「商店街の活性化に取り組んでいるまちづくり奄美さんなら、島の現状、生活に携わられていると思ったからです。私は将来新聞記者になりたいという夢があります。ですが、全国紙しか読んでないので、まだ国内に知らないことが転がっていると思っていて。伝えられるものを聞くのは簡単ですが、やっぱりそこで生活して、見て聞いて食べて感じることを自分のものにしたかったんです。記者になると地方に行くことも多くなるのですが、『私は東京出身だから』という感覚が抜けないと思うので、早めに取り除いておきたかったというのも理由のひとつです」

地元の人たちの生活圏、名瀬街商店街

――島キャンには記者になりたいという想いが強く関わっているんですね! インターンをしていた名瀬はどのような所ですか?

 「奄美の観光地は南と北にあり、名瀬は真ん中にあるため観光客にとっては通過点というような場所。名瀬街商店街は地元の人たちの生活圏なんですが、大手のスーパーもはいってきていて、少し活気がなくなっているという状況です」


島では「誰かのために働く」という気持ちが強い

――実際にどういうことをされたんですか?

奄美大島の海と街を背景に写る砂田理恵さん

 「私のときはまち歩きルートを作ったり、島の人に話を聞いて回ったりしていました。私の前に来ていた島キャン生は祭りの準備をしていたみたいです。担当者の方から住んでいるとどこに魅力があるかわからなくなるので外からの目線が欲しいと言われていました。
お話を伺った方は、黒糖焼酎を作っている方や大島紬(奄美大島の特産品で手で紡いだ絹糸を泥染めしたものを手織りした平織りの絹布)を用いてケースを作っている方です。他にもまちづくり奄美はAiAi広場というフリスペースの運営もしていて、その手伝いもしていました。AiAi広場ではフリーマーケットや小学生が集まるイベントを開催して、地域の人が集まれる場所になっています」

――特に奄美大島のどういうところに魅力があると感じましたか?

 「人のよさだと思います。タクシーの運転手の方に若い人が来てくれるのは嬉しいと声をかけていただいたこともあるし、私が泊まっていた宿のお風呂が早く閉まってしまうという不便な点もありましたが、島の人に助けられて乗り越えることができました。食べものや海に絞ってしまうと観光スポットもたくさんある沖縄の二番煎じになってしまいます。だから、もっと奄美は『人』をPRすると良いのではと思い、島キャンの報告会でも『人を目的とした観光』をテーマにプレゼンをしました」

――働き方についての学びや気づきで印象的なものを教えてください。

島キャン中の活動拠点となったAiAi広場

 「人のつながりが濃いことです。例えば、まちづくり奄美の方と市役所の方が高校の同級生なので、お酒の場では無礼講でした。民間の人が役所の人に直接意見が言えるというのは、都会ではなかなかないことなので驚きましたね。あと、島で働いている方々は『誰かのために』という気持ちが強いことです。東京での仕事は相手が見えないので、何のために働いているかというと結局自分やお金のためになっていることがほとんどだと思っていて。例えば、台風が来たときも、石垣島の事故をうけて商店街の人が対策をしてくれたり、片付けもいっしょにやったり、事業所の方がいつも来るおじいさんや子どもに早く帰るよう声をかけていたり。距離が近い分人のためになにかするという気持ちが強いんだなと思いました。まちづくり奄美が商店街を盛り上げるために頑張っていることを商店街の方々も知っているから、色々手伝ってもらえたりするんだと思います。若い頃は東京で働いていて、40歳過ぎて戻ってきている人も多かったのは少し意外でした」

記者という立場を活かして地方のことを発信したい

――島キャンに行って何か変わったことはありますか?

 「新聞記者になりたいという夢は変わっていません。ただ、行く前は記者の中でもエース部である政治部に入りたいという気持ちが強かったのですが、新聞を通じて地方のことを伝えたいというように興味が広がりました。あとは周りの人から笑顔が増えたと言われますね」

「まちづくり奄美」の事業所のおばちゃんが、奄美大島に到着した日につくってもてなしてくださった鶏飯

――今後やりたいことを教えてください。

 「誰も行かないような場所に行きたいです。最北端の宗谷岬、マレーシア鉄道、東欧とか。所属している学生記者サークルのキャップというリーダーのような役職についたので、より一層サークルに力を入れ、記者という立場を活かして色々な地域等の取材をしたいです」

――最後に読者の人に一言お願いします!

 「『奄美大島って沖縄だよね!?』と思っているような奄美を全然知らない人に行ってほしいです。あとは私みたいにちょっと消極的な人。1年生、2年生のように早い段階で参加するとそこで得れた学びから次の行動に移すことができるので、大学生活をより充実させることができるんじゃないかなと思います」

◇        ◇

 砂田理恵さんへのインタビューは以上です。1年生で島キャンに参加できてうらやましいと思いながらインタビューしていました。砂田さんの場合「新聞記者になりたい」という夢をかなえるために島キャンに参加して、それがより明確になったことに加え、興味の範囲を広げることができ、今後の糧になる経験をできたことが伝わってきました。
また、人を目的とした観光や地方で働く醍醐味は「人のために働く気持ちが強いこと」という気づきにとても共感しました。違う島で違う事業所でも同じことに気付くということもあるんですね。

 次回は島キャンでの気づき、学びのまとめをお伝えします!

外山友香(とやま・ゆか) 早稲田大学商学部4年。台湾、ニュージーランドへの留学経験とベンチャー企業で訪日観光事業に携わったことをきっかけに、地域活性化に興味を持つ。4年の夏休みには与論島と群馬県桐生でインターンをし、現在島キャンで知り合った多葉田愛さんが編集長を務める「CULTUREAL(カルチュリアル)」の副編集長兼ライターを務めている。
【島おこしインターンシップ「島キャン」】
離島での就業体験をしながら、離島の島おこし・地域活性化に貢献する新しいかたちのインターンシップ企画。
http://www.shimacam.com/index.php

【「島キャン」リポート】
(1)夏の感動体験、学生たちが島おこし!
(2)海外志向の私が離島に目を向けたワケ
(3)「方言」に冷や汗?! 外からの目線でお手伝い
(4)価値観変わる刺激があった 島で自分を見つめ直そう!!
(5)「記者になりたくて」 視野が広がった2週間
(6)「ただいま」といえる場所ができた
(7)家のような温かい「まちづくり」をしたくて
(8)2度目の島キャンで家族ができた!
(9)地域密着型の島ラジオ 近所の子どもと生出演!
(10)黒糖をつくる米蔵さんが大切にしていること
(11)2016年春の島キャンサミット~学生たちが身につけた力とは
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