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わが大学の新学部(1)東京理科大 経営学部
新学科創設、都心へ移転
「経営を科学しよう!」

わが大学の新学部(1) 東京理科大 経営学部新学科創設、都心へ移転「経営を科学しよう!」

わが大学の新学部(1)

 少子化が進む中、大学には志願者を獲得する知恵が問われています。存在感を示そうと、新学部や新学科を設ける例も相次いでいます。新機軸にどんな狙いを込めているのか。各大学の責任者に語ってもらいます。初回は東京理科大学の経営学部を取り上げます。キャンパス移転と新学科設置を今春実施する同学部の戦略を、能上慎也学部長に聞きました。

都心に移転、データ分析を駆使する新学科を設置

――2016年4月、経営学部に新学科を設け、キャンパスも都心に移転しますね。

「経営学部はこれまで経営学科のみで1学年240人の定員でした。今春にはビジネスエコノミクス学科を新設し、2つの学科あわせた経営学部の定員を従来の2倍の480人に拡充します。最初は集まるか心配した志願者も、ふたをあけてみれば順調に増えています」

「経営学部は現在、埼玉県久喜市の久喜キャンパスにあります。それを今春、都心の神楽坂キャンパスに移転する計画です。現在の神楽坂キャンパスは新宿区神楽坂に立地していますが、経営学部の新校舎はそこから数百メートル離れた千代田区富士見の一角に、同キャンパス富士見校舎として構えます。建物は現在内装工事中で、3月に引き渡される予定です」

能上慎也氏(のがみ・しんや)  東京理科大学経営学部長、工学博士。同大経営学部の合気道部の顧問就任を頼まれたことがきっかけで、自身も合気道を始めた。めきめき上達し、現在では2段の腕前に

全国でも高い就職率、2学科の体制へ

――東京理科大といえば、1881年設立の東京物理学講習所(2年後に東京物理学校に改称)を前身とする理系総合大学。夏目漱石の小説「坊っちゃん」の主人公が卒業した物理学校というのも、東京物理学校を指していますね。こうした理系総合大学の中にある経営学部の特徴を教えてください。

「1993年に誕生した経営学部は、"経営を科学する"という視点で存在感を発揮してきました。就職率も非常に高く、私立の経営学部としては、全国でもトップクラスだと思います。いよいよ今春からは、経営学科の1学科体制から、ビジネスエコノミクス学科を加えた2学科の体制になります。両学科とも特徴をより鮮明に打ち出したいと考えています」

経営学部の新校舎の外観。内装工事が進む(東京都千代田区富士見)

経営学科では起業にも照準

――経営学部の2つの学科で力を入れることは何ですか。

「まず、経営学科ですが、構想力の育成を中核にすえ、経営、会計ファイナンス、マーケティング、情報マネジメントの各分野に力を入れていきます。イノベーションマネジメントやアントレプレナーシップ、起業体験演習などの講座も用意。進路としては、大企業への就職だけでなく、将来の起業家や経営戦略に携わるコンサルタント、公認会計士などの専門家も意識しています」

「新設のビジネスエコノミクス学科は、分析力を身に付けて社会で活躍してもらいます。ゲーム理論、金融工学、行動・実験経済学、データサイエンスといった各分野の指導に力を注ぎます。こちらも大企業への就職に加えて、金融スペシャリスト、経済・政策アナリスト、データサイエンティスト、システムエンジニアなどの進路を意識しています」

経営学部の新校舎の完成イメージ

入学後は数学必修、理系と文系を融合

――入試科目の特徴は?

「実は、理科大ではこれまでも、経営学部と理系学部の経営工学科などを併願する受験生がいました。経営学科には、私文系型で受験できる道を残していますが、新設のビジネスエコノミクス学科は理系型の入試が中心です。この新学科には、アカデミック英語能力判定試験(TEAP)のスコアを出願資格にして、理科大側は数学だけを課すグローバル方式という選択肢も用意しました。これは来年以降、経営学科でも採用を考えます。両学科とも入学後は数学が必修です。数学抜きには、経営学部の授業は成り立たないと考えています」

――経営学部には、能上学部長をはじめ、理系の教員も多いですね。

「私自身、工学博士です。経営学部の教員は、理系出身から社会科学系出身までバランスよくそろっていると思います。理系学部ではいまや大学院進学が当たり前の時代になっていますが、理科大の経営学部は大学院進学者が少なかった。修士課程の経営学研究科があるものの、博士課程がないことが影響しているかもしれません。そこで数年内には博士課程も設置したいと思っています」

新校舎内の教室の完成イメージ。馬蹄型に席を配置し、議論しやすくする

英語だけでも卒業できるように

――グローバル化への取り組みを教えてください。

「日本の学生を海外に留学させることと、海外から留学生を呼ぶことの両面を強化していきます。海外の提携大学も、もっと増やしていきたいですね」

「海外からの留学生を増やすには、英語でこなす授業を拡充する必要があるでしょう。英語での講座だけで卒業できる仕組みも整えていきますが、これはまず大学院から実施したいですね」

(聞き手は村山浩一)

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