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就活サイトはどこまで信用できる?

就活の誤解(2)

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NIKKEI STYLE

就活を始めようと思った人が最初に目にするのが、就職情報サイトでしょう。さまざまな企業の採用情報が、業種別で一目でわかるように掲載されています。インターンシップや説明会の申し込みもできるようになっていて、これだけで十分就活ができそうです。

ただよく見ると、どの企業も「やりがい」「グローバル」「成長」「安定」など、同じようなキャッチフレーズが並び、どういう会社なのかイメージできないものも少なくありません。なぜでしょうか。

就活サイトでわかること、わからないこと

リクルートの創業者である江副浩正氏は、アメリカの雑誌のスタイルにヒントを得て、大学生向けの求人広告冊子の発刊を思い立ったそうです。企業から広告料をとり、各社の新卒募集広告を掲載、それを学生に幅広く配布する、というビジネスモデルと共に1962年に登場したのが、就職情報雑誌『企業への招待』でした。これが『リクルートブック』と名称を変え、やがて現在の『リクナビ』になったのです。

江副氏は当時の日本の新卒市場が地域や学歴など、さまざまな障壁によって分断されているため、就職したい学生と採用したい企業が互いに情報を十分手に入れられず、互いにうまく出会えずにいることが問題だと考えたのです。そこで登場した就職情報サイトは学生と企業の情報のギャップを埋め、採用の透明、健全化に貢献しました。

とはいえ、それですべてうまくいったわけではありません。最大の問題は、就活サイトが日本の採用・就職のインフラとして定着した結果、日本の企業の「採用力」が低下したということです。新卒一括採用が定着した明治時代には、学校推薦など企業と学校との直接的なつながりが、企業と学生を結びつける上で重要な意味を持っていました。

ところが就職情報企業が登場すると、採用担当者が特に努力しなくても、また学校との直接的なつながりがなくても、学生を効率的に集められるようになりました。大学や学生側にとっても、就職情報雑誌やサイトがあれば、自ら動かなくても多くの企業にアプローチできるようになりました。

就職情報企業はさらに、採用基準や面接のやり方、人材定着対策に至るまで、多くのコンサルタントを抱え、採用全般に関わるノウハウやサービスを提供するようになりました。こうして人集めから人材定着まで、就職情報企業のサービスが充実すると、企業の採用は就職情報企業任せになっていきました。企業内に「採用のプロ」が生まれにくくなり、日本企業の「採用力」が低下していったのです。

就活サイトがまだ広く普及していない段階では、企業が他社にさきがけてサイトを使うことで学生にアクセスしやすくなり、採用競争で有利になりました。しかしほとんどの企業がサイトを使うようになると、当然ですがその優位性はなくなってしまいます。

また、就活サイトを見ると、「どこの企業の情報もきれいごとばかりで同じように見える」とか、「なぜどこの企業でも選考方法が同じなの」と思う人が多いかもしれません。同じサイトが採用方法や文面の共通の原型を作っていることも多いのですから当然ですね。

採用を効率的にするための就活サイトに、その便利さゆえに企業が依存しすぎた結果、自社の魅力を自分たちの言葉で表現し、最適な採用方法を考える企業の「採用力」が低下し、画一化した就活サイトそのものの重要性も薄れてきてしまったのです。

学生の側からすると、就活サイトに掲載されているのは自分以外の多くの学生も同じように目にしているありきたりな情報です。結局、就職活動を有利に進めるためには、就活サイトの情報に加えて、自分しかもっていないよりリアルで役立つ情報を集めなければなりません。

「学歴フィルター」がなぜ問題に?

また、「就活サイトでは大学の制限などは表記されていないのに、大学名によってエントリーしても音沙汰がなかったり、選考プロセスで大学差別があったりする」というケースをよく耳にします。就活サイトのおかげで学生は企業へのエントリーの手間と時間と費用がかからなくなり、企業へのエントリーが大幅に増加しました。学生のエントリーをさばききれなくなった企業は、何らかの条件(フィルター)を設けて学生の数を絞ろうとしました。その代表的なものが「学歴フィルター」です。

「学歴フィルター」はもちろん昔からありました。ただ従来はほしい大学の学生に直接募集をかけていたのが、誰でも見られるサイトで採用募集することによって、「エントリーしても選考に至らない」ことが相次ぎ、「フィルター」の存在が目立つようになりました。これもサイト自体への信頼の低下を招きました。

結局、就活には就職情報サイトで企業の基本的な概要をおさえた上で、サイトには出ていない企業の本音を個別に調べ、それに合わせた活動をしていくしかありません。ただ、それぞれの企業がどんな学生を求めているか、どんな「フィルター」を設けているか知っていたほうが、効率的に就活を進められるでしょう。

次回は注目度の高い「学歴フィルター」について、もう少し詳しく考えてみたいと思います。

服部泰宏
1980年神奈川県生まれ。滋賀大学経済学部情報管理学科専任講師、准教授を経て、現在は横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授。専門は経営行動科学・組織行動論。科学的手法を取り入れて企業と人材のミスマッチを防ぎ、企業と学生双方にとってハッピーな採用を目指す「採用学」を提唱し、企業や学生とも共同で研究・活動を進めている。

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