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「島キャン」リポート(7)家のような温かい「まちづくり」
をしたくて

「島キャン」リポート(7) 家のような温かい「まちづくり」をしたくて
authored by 島キャン

 こんにちは! 青山学院大学4年の多葉田愛です。インターンをしながら島おこしについて考える島キャンの連載。今回は、島キャン後の地域との関わりと卒業後の進路についてお話ししたいと思います!

東京で感じる離島文化

 与論ナイトという、与論島に行ってみたい人と行ってきた人を繋ぐイベントに参加したり、島キャンのOB、OGとお話したりと、東京に帰ってからも与論島に関わりのあるイベントには積極的に参加しています。

 島キャンOBの方がシェフとして働く、「離島キッチン」という、離島の食材を使ったお食事が楽しめるレストランにお邪魔したことも。

 授業やアルバイトなどで、思うように与論島に行けないのが現実ですが、アンテナを張っていると、東京でも離島の魅力を気軽に体験できる機会はたくさんあることに気がつきました。

日本と海外の両視点で情報発信!

東京で開かれた、与論島に縁のある人たちの集まり(右から2人目が筆者)

 「海外好きな人にこそ、日本の地域の魅力に気がついてほしい!」。そんな思いから、与論島にいる間には、わたしが編集長を務める、アクティブな海外体験とリアルな文化を伝えるウェブマガジン「CULTUREAL(カルチュリアル)」で、島キャン生の日常をリアルタイムで綴った「島キャンログ」を連載しました。

 帰って来てからは、更に多くの読者に自分たちの体験を届けるために、ホームページをデザイン、コンテンツともに大幅リニューアルしました。

 留学に行く前に、離島で日本の地域の文化への理解を深めるのも良し、留学後に海外経験を踏まえて、島おこしに取り組むのも良し。留学中の時間だけでなく、その前後の過ごし方も同じくらい大事だと思うのです。

こちらは米国に短期留学した際の思い出(グランドキャニオンにて)

 若者の内向き志向が問題視されていますが、実のところ内さえも見ることができていない学生が多いと思います。海外に行けば、否応なしに「自分は日本人である」と感じます。そして、日本人なのに日本についてほとんど話すことができないことに気がつくでしょう。

 海外の文化を存分に吸収して、帰国後に日本文化を改めて学んで、体験する。そこで初めて外向きと内向きの二つの思考を手にすることができます。もちろん、順番は日本文化の体験が先で、海外文化があとでも構いません。

 大事なことは、一方向から文化を理解するのではなく、複数の視点から文化を見ること。それが、本当の意味での文化理解に繋がると信じています。

帰ってきたくなる「家」のようなまちづくりを

 今わたしは大学4年生で、今年の春からは商業施設や宿泊施設などのプロデュースを通じて、まちづくりに関わる会社に就職します。大学の専攻が英米文学のため、都市開発の知識が全くない状態だったこともあり、地域おこしの現場を知るために島キャンに参加したという経緯もありました。

与論島の民宿「松園」は本当のおじいちゃんとおばあちゃんの家のような温かみ

 参加前は、自分ならではの視点で地域の魅力を見つけて、新しい魅力を引き出すという感覚が強かったのですが、離島の商工観光課で働いたことにより意識が変わりました。空港で観光客の方にアンケートをとったところ、「もっと便利に変わってほしい」という意見よりも、「このままの島の雰囲気を保ってほしい」という意見の方が多かったのです。外から手を加えると、観光地化してしまい、他の場所との差別化が難しくなってしまうこともあるのだと気がつきました。

 観光客が文字通り「観光」を求めているとは限りません。その地域に住む人にとっても居心地が良く、旅行で訪れた人にとっても、何度でも帰ってきたくなるような温かみのある「家」のような、まちづくりをしていきたいです。

 わたしたちが担当する「島キャン」リポートの執筆は、今回が最後です。今後は、後輩の島キャン生たちにバトンをパスして、掲載を続けたいと思います!

多葉田愛(たばた あい) 青山学院大学文学部英米文学科4年。3年次の英国にある日系企業でのインターンシップをきっかけに、アクティブな海外体験を提案するウェブマガジン「CULTUREAL(カルチュリアル)」を立ち上げる。4年次には島おこしインターンシップ「島キャン」に参加し、与論町役場商工観光課で働く。
【島おこしインターンシップ「島キャン」】
離島での就業体験をしながら、離島の島おこし・地域活性化に貢献する新しいかたちのインターンシップ企画。
http://www.shimacam.com/index.php

【「島キャン」リポート】
(1)夏の感動体験、学生たちが島おこし!
(2)海外志向の私が離島に目を向けたワケ
(3)「方言」に冷や汗?! 外からの目線でお手伝い
(4)価値観変わる刺激があった 島で自分を見つめ直そう!!
(5)「記者になりたくて」 視野が広がった2週間
(6)「ただいま」といえる場所ができた
(7)家のような温かい「まちづくり」をしたくて
(8)2度目の島キャンで家族ができた!
(9)地域密着型の島ラジオ 近所の子どもと生出演!
(10)黒糖をつくる米蔵さんが大切にしていること
(11)2016年春の島キャンサミット~学生たちが身につけた力とは
(12)大学で学ぶ「化学」が応用される現場を見たかった

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