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気候変動の今(5)地域×気候変動対策
~think globally act locally

気候変動の今(5) 地域×気候変動対策~think globally act locally
authored by Climate Youth Japan

 こんにちは! Climate Youth Japan(CYJ)という団体で活動しております、内藤秀治と申します。本日は気候変動問題に対する取り組みに関して、私の経験を紹介させていただきます。

気候変動問題は日常の問題!?

 気候変動という言葉。私ははじめ、聞いたことはあるけれども難しいイメージで、専門家の方しか関わることができない、そんな印象を感じました。実際、COP(国連気候変動枠組条約)をはじめとする国際会議や、気候変動に関する科学的な知識を理解しなければ、本質を理解できないため、考えたり行動したりするにはハードルが高いと思います。

 では、なぜ気候変動に興味をもったのか?

 自分は大学でヨット部に所属していました。シーズン中は森戸海岸という砂浜にヨットを置いて活動しています。IPCCという科学者によるレポートでは、現状のままの対策を維持した場合、今世紀末に海水面が最大で0.82m上昇するという内容を授業で紹介され、「0.82mも上昇したら、砂浜がなくなって、ヨット置けなくなるじゃん!」という衝動にかられました。その時の気持ちがとても強く、それがきっかけとなって気候変動問題に関心を持ち始めました。Climate Youth Japanという団体が気候変動に特化した活動を行っていることを知り、迷わず所属することを決め、今に至ります。

砂浜より相模湾へ出艇します

気候変動は国際的な人しか関われないのか?

 Climate Youth Japanに所属した当初は、やはり専門的な用語や外国語のスキルが必要な部分もあり、そこまで専門家ではない自分はてとも苦労しました。「やはり国際的な人が参加する場所なのか......」と考えていた時もありましたが、地域での活動もやはり必要であると考えたきっかけはCOP20(2014年リマにて開催)への参加でした。

COPでは気候変動問題を解決するために国際間で取り組むルールを決めています。2015年12月にパリで開催されたCOP21ではすべての国が各国の目標に向かって取り組むことが決定しましたが、「そのような場にこそ、現場でがんばっている人の声が必要なのではないか!?」と議論を聞きながら感じました。結局、現場で活動する人の理解を得ることができなければ、いくら高い目標や完璧な政策を考えても達成することは難しいと思うからです。実際にはそのような現場の声も会場には届けられているようですが、自分は実感を得ることができませんでした。それから自分はこのモヤモヤした感覚を抱きながら気候変動問題を考えるようになりました。

リマで開催されたCOP20の様子

地域での貴重な経験と、これからの職に関して

 話は変わりますが、3年生の時に1年ほど環境コンサルタント会社でインターンシップを経験しました。詳しい仕事内容に関して触れることはできませんが、環境に配慮した製品であると保証する「環境ラベル」の制度運営や営業、広報を担当させていただきました。自分は横浜エリアの担当をしていましたが、インターンシップ期間中多くの地域企業の方々とお話しをさせていただき、地域で今必要な取り組みや求められていることを伺うことができました。一部の企業からは、自分が営業した制度と類似した制度に対して不満の声もいただき、実際に実施する難しさを実感しました。

 メディアに取り上げられた時は、一般の方に興味を持ってもらうことができる企画とはどのようなものかを教えていただきました。このインターンシップ期間の1年間を通して、「実際に現場で働いているこのような人の意見をCOPで反映させることができたら」と強く思うようになったのです。理論上では実施可能な政策や制度でも、地域の理解を得られていないものも、私の知る限り存在します。自分は「そのような政策・制度と現場とのギャップを埋める役割を働いながらできたら最高だな!」と考え、インターンシップ期間にお世話になった会社を就活期間中にエントリーし、無事内定をいただくことができました。来年度からは環境・エネルギー関係の制度・政策に携わることができたらと考えています。

インターンシップ期間中に、ラジオにも出演させていただきました

 はじめは不純な動機で考え始めた気候変動問題に対し、今では活動を通じた様々な方とも出会う機会を得て、様々な知見を聞く機会をいただいたりと、自分自身の成長にも繋がっていると実感しています。活動をきっかけにこのような経験をする方は多いと聞いておりますが、自分もそのような経験をすることができ、機会を下さった多くの方に感謝の気持ちでいっぱいです。

 気候変動問題は国際的な問題ではありますが、地域に密着した活動でも活躍が求められている問題です。また今現在も異常気象による被害は多発しており胸が痛みますが、将来の問題でもあります。一部の専門家や有識者だけでなく、より多くの人々が気候変動について考えることが問題の解決の一歩であると思います。

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