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日中韓の架け橋に(中)OVAL参加で変わった自分
~1年半の活動から得たもの

日中韓の架け橋に(中) OVAL参加で変わった自分~1年半の活動から得たもの
authored by OVAL実行委員会

 「日中韓の架け橋に」の中編は、OVAL実行委員会ケース局長を務めた別所史也さんの活動記録です。ビジネスプランコンテストを成功させるためにどんな活動をしたのか、また、活動を通してどう成長したのかを紹介します。

 はじめまして。東京大学2年の別所史也と申します。2015年9月までOVAL実行委員会という学生団体に所属していました。OVALに入った理由は高校生の頃にビジネスコンテストに参加していて、ビジネスコンテストの参加者として苦労した経験から出題者側の活動に興味をもったからです。新歓期間の中で2回説明を聞けたので運命的なものも感じつつOVALに入りました。

 OVAL実行委員会は日中韓の大学生を集めてビジネスコンテストを主催する団体で、日本、中国、韓国に支部があります。OVALは仕事に応じて複数の局に分かれていて、私はケース局という局で局長をしていました。任期は1年半のため2015年9月にスタッフの任期を終えました。

ケース局の活動とは?

 活動としては週に1回のスタッフ全体の会議、委員長や局長などからなる会議の参加と、2週に1回開かれる局ごとの日中韓の学生のオンライン上の会議に参加します。ケース局はコンテストの課題文やイベントのコンテンツのコンセプトなどを決定する役割を担っています。私は2014年9月に局長となりました。

 私たちの局が主に話し合う内容は、委員長などとコンテストをどのようなものにするかという概念的な部分です。コンテストに関わる日中韓で話し合うべきものから、国内の参加者向けの企画など国内で話し合うべき内容があります。まずどんな参加者を求めるかについての話し合いがありました。OVALというコンテストの特性上、参加者からは「日中韓の学生との交流」と「ビジネスコンテスト」という2つの面を持っていることが求められます。

 先述した通りスタッフの任期が1年半なので、各コンテストは2つの世代によって実施されます。また、OVALは執行代が内容のコンセプトからほとんどを決めることになっており、決まった参加者像を持っていません。

局長としての決断

 私がケース局長となって初めて主導した話し合いには、2つの立場がありました。1つは「日中韓の学生との交流」を重視する考えで、参加者の英語能力を重視し、広報手段もそういった興味を持った学生にする立場です。もう1つは「ビジネスコンテスト」を重視する立場で、参加者のビジネスコンテストなどの出場経験やビジネス知識を重視する立場です。

 私は当初は後者の立場を取っていました。あくまで英語能力は必要最低限度をもっていればよく、必要なのはビジネスコンテストを行う上で必要なスキルだと考えていました。この話し合いには2段階あり、最初が局内での話し合い、次が全体での話し合いです。まず、局内での話し合いでは、局員は比較的前者より、つまり英語能力などを重視すべきという考え方でした。ここで私の考えは前者寄りの考えに変化します。

 当初、私がビジネス面を重視すべきと考えていた理由は、ビジネスコンテストを行う上でそういった知識を持っていることがコンテストの結果として出てくるプランの出来に大きく関わると考えていたからです。しかし、局員は英語能力の重視を考えていました。理由としては、少し前に行ったSEPというイベントにありました。SEPとはOVALのスタッフが次のコンテストの内容を決める日中韓のスタッフによる会議のことで、2015年には北京で行われました。私を含む局員はそのイベントで英語でのコミュニケーション、特に議論することの難しさを痛感させられたのでした。

相手の理解や人脈の形成を提供したい

 そのことを強く主張する局員にも促され、英語での議論を行うことなしにOVALから得られるものはほとんどなく、むしろ自分たちが参加者に提供したいものは議論の先にある相手の理解や人脈の形成にあると思うようになりました。

 次に全体での話し合いです。ここでは国際交流重視という立場とビジネス重視という立場に分かれました。ビジネス重視の人はコンテストのプランの質にこだわるべきという立場でした。コンテスト開催によってより良いプランを生み出すことを重視すべきと。

 しかし、私としては7泊8日のコンテストでできるプランにはどうしても限界があるのではないかとも考えました。私たちのできることは直接的にコンテストを通じて何かを社会に投げかけるよりも、このコンテストを通じた経験を参加者が活かしていくことではないかと考えるようになりました。結果的には参加者の英語能力を重視することになりました。これを受けてケース局は課題を作成し、ビジネスコンテスト本番までの各イベントを設定していきました。

 局長として苦労したのは局員にいかに作業をお願いするかということです。学生団体であるが故、企業などのように金銭的報酬や強制力がありませんでした。下手をすれば作業をやってもらえないだけでなく、最悪の場合にはOVALを辞めてしまう可能性もありました。

選ばせることとフィードバック

 私が意識していたのは2点で、局員になるべくやりたいことを選ばせることと、できたもののフィードバックを行うことでした。局員がOVALを続ける理由としては、やることの楽しさややっていることによる成長が見込めることがあったからではないかと考えています。そのため局員がやりたいことを選ぶという形を取りたいという思いがありました。実際はやることが多くなって私がお願いする機会も多くなってしまいましたが、局員が断らずにやってくれたので、ありがたかったです。

 私に関していえば、このOVALを続けているときの目標はよそから得た知識をここで実践しようというものがありました。局の分析など、使えるときにはなるべく使うようにはしていました。また、自分に何ができるか、何をどう変えることが団体のためになるのかということを考えながら活動しました。OVALの10年後、どういう形で自分たちの名前が残るかということも少し考えながら活動していました。

 ここで得たものとしてある種の積極性を得たのではないかと思っています。大学構内に貼ってあるイベントなどにも積極的に参加するようになったので、大学生のうちにできるだけ知見を広げようと思っています。まだ、将来何になるかということは決まっていませんが、こうした積極性を活かして進路選択につなげたと考えています。

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