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「募集要項」のどこに注意したらいいの?

ブラック企業との向き合い方(1)

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NIKKEI STYLE

今回から連載の機会をいただきました。連載タイトルは「ブラック企業との向き合い方」。なぜ「見分け方」ではなく「向き合い方」なのかに触れた上で、今回は就活中の皆さんに当面お伝えしたいこととして、募集要項を確認して保存することの大切さを取り上げます。

ところで「ブラック企業」ってどんな企業?

「ブラック企業」という言葉は今野晴貴『ブラック企業』(文春新書、2012年)を通じて広く普及してきました。それまで若者の労働問題については、まず「フリーター」や「ニート」になる若者の意識が問題とされ、次に非正規雇用で生活が苦しい「ワーキングプア」が注目されたものの、正社員の働かせ方の劣悪さには目が向いていませんでした。正社員の働かせ方にも問題があることに気づかせ、若者の側よりも企業の側の問題に目を向けさせたことに「ブラック企業」という言葉の意義があります。

厚生労働省も最近になって「確かめよう労働条件」というサイトのQ&Aで「ブラック企業」を取り上げています。厚生労働省としては定義していないと断りながらも、一般的な特徴として(1)労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、(2)賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、(3)このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、の3点を挙げています。妥当な説明と考えます。

ブラック企業は避けたいけれど......

ブラック企業を若者が気にするのは当然です。できれば避けたい、そのためには見分けたい、と考えるのも当然です。

ただし「ここはブラック」「ここはホワイト」などと、はっきりと選別できるものではありません。実際には、働かせ方に非常に問題が多い企業と非常に優良な企業との間に、濃淡が様々な「グレー」な企業が多数存在しています。そして、実際に多くの人が働くことになるのは、そのような「グレー」な企業です。

ですから「ここはブラックか否か?」と、答えだけを求めようとしても無理な話です。「○○だったらブラック」などと、わかりやすい判別法があるわけでもありません。

とはいえブラック企業かどうかは本人のとらえ方次第、というわけでもありません。大切なのは、その企業の働かせ方がどの程度まともであるか否かを自分で判断できるだけの「目」を養うことです。

私は常見陽平さん、今野晴貴さんと共に「ブラック企業の見分け方」という冊子を2013年に執筆し、ブラック企業対策プロジェクトのホームページから PDFで公開しています。

見極める目の養い方については、そちらを読んでみてください。「就職四季報」の活用法も具体的に説明しています。

見極めることは重要だけれど、それでも連載タイトルを「見分け方」ではなく「向き合い方」としたのは、見分けて避ける、ということが必ずしも容易ではないからです。また、避けられなかった場合に「もうダメだ」「仕方がない」とあきらめないでほしいからです。とはいえ「辞めずに働け」「石の上にも3年」と言いたいわけではありません。辞めることも一つの選択肢です。ですが、辞めることが容易ではない場合もあります。そういった意味合いから「向き合い方」という表現を選びました。

この連載では「ブラック企業との向き合い方」を様々な側面から考えます。当面は就職活動を行う大学4年生を念頭に、就活の時期ごとの話題を取り上げていきます。

応募企業の募集要項、そもそも見ている?

さて就活中の皆さん、皆さんはプレエントリーした企業の募集要項を確認していますか? また、その募集要項を保存していますか?

募集要項には賃金や労働時間、休日などの労働条件が記載されています。企業ホームページの新卒採用欄から募集要項を探してみてください。リクナビやキャリタス就活なら「採用情報」、マイナビなら「採用データ」欄に労働条件の記載があります。

「大卒の労働条件なんて、だいたいどこでも同じ。どうせ手当の額も実際の残業時間も書かれていないし......」と考えて確認を省略している人もいるかもしれませんが、企業説明会に出向く前に、またはエントリーシートを提出する前に、面倒でも募集要項をネットで探して、プリントアウトして保存しておいてください。

なお企業ホームページの募集要項と就職情報サイトの採用情報では、同じ企業であっても労働条件の記載が異なる場合があります。企業ホームページには詳細な記載があるのに就職情報サイトでは簡略な記載しかない場合や、その逆もあります。そのため、できれば、企業ホームページ、リクナビ、マイナビ、キャリタス就活など、各種媒体で同じ企業の募集要項を見比べて確認しておくことをお勧めします。

実は各社の労働条件は違う

一見、どこの企業の労働条件も同じようなものと見えても、中身は大きく違っている場合があります。例えば同じように初任給20万円となっていても、ある企業ではその中に一定時間分の残業代が含まれている場合があります。その場合、残業代を除いた初任給は、他社より低い水準になります。また、初任給が25万円などと高い場合にも、そこに残業代を含んでいる場合があります。その場合、実際は初任給20万円の会社と水準は変わらないかもしれませんし、もしかしたらそれより実際には低いかもしれません。

注意すべき記載事項については今後解説していきますが、「30時間を超えた時間外労働には別途手当あり」などのわかりにくい記載があった場合には、そのままにせず、親に聞くなり、「固定残業代」という言葉を検索して調べるなり、しておいてください。「裁量労働制」や「みなし労働時間制」「年俸制」などの言葉が含まれている場合も同様です。

書類を保存しておくことが重要

また労働条件をネット画面で確認するだけでなく、面倒でもプリントアウトして保存しておきましょう。「話が違う」というトラブルに備えるためです。

実は募集段階の労働条件と実際の採用後の労働条件が違うというトラブルは少なからず起こっています。本当の労働条件を隠して、募集段階では嘘の好条件を提示している場合があるのです。

皆さんはバイトでそういう経験をしたことはありませんか? 時給1,000円という求人だったのに実際の時給は950円だったとか、「まかない付き」とあって喜んでいたのに実はまかないは有料だったとか。同様のトラブルは就職時にもありえます。そして就職時の方が、問題は深刻です。そのため労働条件の記載を確認し、書類を残しておくことが重要なのです。

ネットの情報は紙の情報と異なり、知らない間に記載内容が変わることがあります。また募集に関わる情報は、採用が一段落すると企業は掲載を終了してしまいます。「マイページ」の情報も、採用プロセスが終了すれば閲覧できなくなります。あとで確認したいと思ったときには確認できなっている可能性があるので、今のうちにプリントアウトしておいてください。

企業説明会で受け取った資料なども、募集要項と一緒に企業ごとにクリアファイルに入れるなどしてまとめて保存しておきましょう。企業説明会に出向く際にも、プリントアウトした募集要項を持参して、労働条件に関する説明が募集要項と異なっていないか、確認しておきたいものです。

そこまでするのは面倒です。けれど、その手間を惜しんでブラック企業に入ってしまったら、そのあとの苦労は比べものになりません。まずは労働条件を確認して書類を保管する。それが「労働契約」を結ぶまでの最初のステップだと考えましょう。

法律監修:嶋崎量(弁護士・神奈川総合法律事務所)

上西充子(うえにし・みつこ) 法政大学キャリアデザイン学部教授。法政大学大学院キャリアデザイン学研究科教授。1965年奈良県生まれ。労働政策研究・研修機構で7年あまり調査研究に従事したのち、2003年より法政大学へ。若者の学校から職業への移行過程と初期キャリアに関心。近著に、石田眞・浅倉むつ子との共著『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』(旬報社、2017年3月)。

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