ForuCafeを一緒に作りましょう！(シェア拡散希望)

月に1度、日曜限定のForuCafeは前職のスタッフの方々に手伝っていただいていましたが、実店舗で毎日開くとなるとそうはいきません。いや、本当はそうしたかったのですが、正社員を雇うということはその人の人生に責任を持つということ。大学3年生、弱冠20歳の私がいきなりそんな責任は持てない！　と思っていました。

Facebookでバイト募集

そこで、ゼロから一緒にForuCafeを創り上げてくれるアルバイトの人材を探し始めました。大手の人材募集サイトへの掲載を試みるも、その掲載料の高さに度肝を抜かれました。とにかく節約、節約の準備期間。掲載するお金はありません。そこで、Facebookに思い切って「ForuCafeを一緒に作りましょう！(シェア拡散希望)」と書きました。幸い月に一度のイベントに参加してくれたお客さんがFacebookに「いいね！」をしてくれていて、少しだけ拡散力があったのです。

募集をかけて1週間で15人の応募がありました。友人がシェアしてくれたおかげで募集情報は5000人にリーチ。Facebookつながりで、友人の友人が応募してくれたり、月に1度のForuCafeに食べに来てくれたお客さんが応募してくれたりしました。少し年の離れた大人の方も応募してくださっていました。

実店舗はまだ完成していなかったので、面接は新宿三丁目のスタバか高田馬場のパン屋さん、渋谷ヒカリエで行いました。私自身、それまでは応募して面接を受ける立場。面接をして人を採用するということはもちろん初めての経験でした。

今考えるとゾクっとしますが、当時は採用基準なんて特に決めていませんでした。パパっとスケジュール調整をして場所を決めて、「履歴書だけ持ってきてください」と伝えていました。履歴書をもらって志望理由と、具体的に何曜日のどの時間コミットできるかを聞きました。

面接するだけで嬉しくなった

「月に1回限定のForuCafeに先輩に連れて行ってもらって、フレンチトーストが美味しくてびっくりして！　あの感動が忘れられなくて、ぜひ一緒に働きたいなと思いました」「ネットにあがっていた平井さんの取材の記事を読んでとても共感できる部分が多かったです。一緒にリスクを負ってでも挑戦したいと思いました」「珈琲ショップで働いていたので、ドリンクのことなら任せてください！ForuCafeのフレンチトーストにあった珈琲を作りたいです！」などなど。あたたかい言葉をたくさんもらい、単純な私は面接をしているだけで嬉しくてパワーが湧いてきたのを今でも覚えています。

直感で「この人と働きたい！」と思ったら、その場でForuCafeの事業計画を私がプレゼンしました。「学生に内向きなカフェではなくて、世の中の人をあっと驚かせるようなカフェにしたいの！」「とにかくスピーディーに進めたくて、3カ月以内にお店をオープンすることを目標にしています！」。今考えるとかなり恥ずかしいですが、平日の真昼間からたくさんのノマドワーカーの中心で、パワーポイントで作った我流の事業計画を暑苦しく説明していました。

自分のお店だと思ってほしい

「ただのアルバイトじゃなくって、ゼロからカフェを立ち上げる一員として何ができるか考えてほしいの。ForuCafeは自分のお店だと思ってほしいし、一緒に愛されるお店を作っていきましょう！」。一人ひとりヒアリングをして、それぞれに合った仕事があれば即採用していました。

そんな少し雑な採用方法でしたが、素晴らしいメンバーが集まってくれました。最終的に採用したメンバーの年齢は最年長が23歳。そしてなんと、全員が学生でした。学校も学年もバラバラ。一人からはじめたForuCafeですが、こうして素敵なチームを結成できたことがとても嬉しく、一人ひとりがとても愛おしかったことを今でも覚えています。

この頃から、「ForuCafeのForuは、For U= for you、つまり"あなたのための"という思いを込めているの。目の前の人に小さな幸せを感じてほしい。"美味しい"を届けたい。この輪をどんどん広げていこうね」。スタッフの耳にタコができるくらい、この言葉を毎日毎日繰り返していました。