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気候変動の今(6)なぜ気候変動対策は進展しないのか?

気候変動の今(6) なぜ気候変動対策は進展しないのか?
authored by Climate Youth Japan

 こんにちは! Climate Youth Japanに所属している植原啓太です。"気候変動"という堅い話を、自分が好きな映画の話と交えて書きたいと思います。この記事を目にした人が少しでも気候変動に関心を持っていただければ幸いです。

映画によってフォーカスされる気候変動

 先日、第88回アカデミー賞授賞式でついにレオナルド・ディカプリオが悲願のオスカーを獲ったことがニュースになりました。『タイタニック』で非常に有名な俳優さんですね。彼はエコロジストとしても知られていて、アカデミー賞授賞式のときにこんなスピーチをしたことがちょっとしたニュースになりました。

Climate change is real, it is happening right now, it is the most urgent threat facing our entire species, and we need to work collectively together and stop procrastinating.

 私が気候変動に関心を持ったのは、『不都合な真実』を映画で見て、本を読んだときでした。この本・映画は、アメリカ元副大統領であるアル・ゴアが2006年に制作したもので、ノーベル平和賞を受賞したことでも有名になりました。現在では内容の一部に誤りや不備があったことも指摘されていますが、温暖化が起きることによって海氷や氷河が後退した様子の画像や、近年のCO2濃度上昇の様子を視覚的に見たことによって、当時なりに衝撃的でした。

 私が見た映画の中で、もう一つ自分に影響を与えた映画は「デイ・アフター・トゥモロー」です。ドキュメンタリー映画ではなくストーリーも楽しめます。私にとって印象的だったのは、劇的な気候変化を防ぐために早期に手を打たなければいけないという主張に対して、「経済も環境と同じく脆いんだ」というセリフでした。気候変動によって起こる変化は、数十年もかかるような非常にゆっくりとしたものが多く、日々変化する経済動向に比べてそもそも実感を持つことが難しいのかもしれません。

COP19に参加した時の交渉の様子

なぜ気候変動対策は進展しないのか

 私は縁あってCOPに参加させていただく機会がありました。ここでいうCOPは国連気候変動枠組条約の締約国会議で、世界の地球温暖化対策に関する話し合いが行われる場です。そこにオブザーバーとして参加しました。私はCOPに参加するまで、なぜ気候変動対策は進展しないのか? ということを純粋に疑問に思っていました。

 例えば国際政治を勉強している人にとっては当たり前の話なのかもしれませんが、COPは国連の下での話し合いであり、主体は国家です。そのため、国益を守ることが使命であり、その上でどう世界共通の課題に取り組んでいくかという話し合いが行われるわけです。そして気候変動対策の多くは国益にマイナスになると捉えられているのだと思っています。COPでは、そんな自分にとっての疑問に対する答えの現場を見ることができました。

色んな立場の人との関わり

 COPへの参加とCYJでの活動等を通じて、気候変動という1つの問題に対して実に色んな考えを持った人がいることがわかりました。現場で交渉にあたる人、研究に携わる人、NGOで働く人、地域で活動している人、ビジネスをする人......。自分が考えもつかないほど多くの関わり方があることを知りました。そして学生という立場で色んな立場の人と関わり行動する機会を得ることができました。

 学生同士でも国際交渉という視点から分析する人、地域との関わりを探す人、ユース活動に取り組みたい人、強い危機感を持つ人など、いろいろな背景を持った人が関わっています。振り返って気候変動を1つの社会課題として捉えた時、こうして多くの立場の人が取り組んでいると知ることができるのは非常にためになったなと考えています。

IPCC平石先生をお呼びしたイベント

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