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お悩み解決!就活探偵団2017説明会でも油断はするな
人事はココを見ている

authored by 就活探偵団'17
お悩み解決!就活探偵団2017 説明会でも油断はするな人事はココを見ている

 3月1日に企業の採用に関わる広報活動が解禁になり、多くの会社が説明会を開いている。就職情報会社のディスコ(東京・文京)が2月に実施したアンケート調査では、自社セミナーや説明会の開始時期が「3月中旬」と答えた企業が22.9%と最も多く、まさに今が説明会のピークだ。

 6月の選考解禁までわずか3カ月。例年にない「短期決戦」に、学生以上に必死なのが企業側だ。表向きは「説明会は選考の場ではない」というが、本音では短時間で優秀な学生を見極めようと、説明会でも学生たちの一挙一動をつぶさにチェックするようだ。逆に、学生側は選考ではないと油断しているのか、隙が多い。人事は何を見ているのか。覆面座談会でチェックポイントをまとめた。

「服装自由」でリクルートスーツはNG?

──「服が人を作る」とはよく言ったものだ。第一印象を決するのは服装と言っても過言ではない。

口コミサイト大手 スーツなのに足元がランニングシューズだったり、カラフルでド派手な靴下だったり。服装のバランスが悪い人は目立ってしまいます。指紋だらけのメガネも気になりますね。受付の時に笑顔が全然ない人もちょっとなあと思います。

PR会社 受付でコートを脱がずに、着たまま説明会を聞いている学生は目立ちますね。社会人なら、訪問先の入り口でコートは脱ぐのは常識ですから。

ネット広告大手 うちは服装の指定は特にしていません。何でもOKです。髪形も特に気にしませんが、金髪で来た場合は何か理由があってほしいですね。何かしらの自己主張があるはずですので、そういう話を聞きたいなと思います。何もなければスルーします。

ITサービス うちも「服装自由」と定めています。だからこそ、その意図をくみ取ってほしいですね。無難な黒や紺のスーツで来た人は評価しません。こちらとしてはそれぞれ来てくれた人の印象を残したいので。スーツだと印象に残りませんから。

説明会中に靴を脱ぎ出す

──大人数だから大丈夫と気を緩めてはいけない。説明会の最中も登壇者はもちろん、会場の周りには人事部員が目を光らせている。

人材会社 今の学生は、本当にお行儀がいいと感じます。面接でも説明会でもマニュアル化されているなと思う。正直、そこをいかに崩すかが勝負だと思います。

口コミサイト大手 上半身を見ると、ビシっと座っているようでも視線を下に移すと靴を脱いでいる人がいます。これはいただけません。

ITサービス 社長がしゃべっているときに寝ている学生がいたのでびっくりしました。「寝てるんじゃねー」と社長が本人に向かって直接怒りました。もちろんその学生は面接では×です。

PR会社 説明会でOBやOGの連絡先を聞き出そうとする学生がいました。これはルール違反です。

「服装自由」は学生を悩ませる

ネット広告 うちの場合、1回の説明会に200人程度来ます。そのうち内定を出すのは1人の割合です。採用責任者として「この中から1人か2人しか受からない」と発破をかけます。そうするとそれで諦める人がいます。説明会はそういう意味でふるいにかける場所なのです。「それくらい余裕でしょ」という反応の人を採りたいですね。

ゲーム会社 説明会のおきまり文句「キチョハナカンシャ」(貴重なお話をありがとうございました)を必ず言う学生がいます。それを聞くと「あ、もうそういうのいいから」といってしまいます。マニュアルですよね。

ITサービス 最近多いのは「意識高い系」。うちもITベンチャーなので少なからずこの人種は来ます。例えばパーカーにリュックで来て、説明会の長机に米アップルのノートパソコン「MacBook Air」を出して、聞いている内容を打ち込むような「ノマド(遊牧民)ワーカー」のような学生もいます。でもこういう学生ってただかっこつけているだけで、たいていはいい学生ではありません。

流通 カップルで参加していたのでしょうか、説明会中に男女が手をつないで話を聞いていました。ちょっとないなと思います。

質疑応答でNGの質問

──説明会の終盤にある質疑応答の時間。何を聞くのも自由だが、内容によっては人事から目を付けられることも。

PR会社 休み、休日休暇、福利厚生の話を聞いてくる。「ブラック企業」という言葉が広がりすぎているからなんでしょうか。本気で入ろうと思って聞いているのか、単に遠慮なく、ずかずか聞いているかで印象は変わりますが、それはだいたい声のトーンや表情でわかりますね。何も会場で質問してもしなくても、どちらでもいいです。しないからといってマイナスにはしません。

通信会社 妙に社員教育について聞いてくる学生がいます。「会社が育ててくれるんですよね」というオーラを感じます。会社に何を期待しているのでしょうか。

流通 一生懸命調べてきてくれているのだとは思いますが、細かい仕事に対して聞いてこられても、こちらとして答えるのが非常に難しいので困ります。例えば「IoT」(モノのインターネット化)とか「BOP」(低所得層向け事業)という流行語に絡めて聞かれることがあります。「私は色々知っていて詳しい」とアピールしたいのでしょうが、上辺の理解だと逆効果です。それなら、自分の言葉で言ったほうが好感度はいいですね。

喫煙室や電話、エレベーター......、人事はそこも

――人事が見ているのは説明会の会場だけではない。

PR会社 先日、会社の喫煙所で「インターンで、この会社はああだ、こうだ」と話している学生と居合わせてしまいました。私たち(人事)がいなくても、別の社員から報告がきて、チェックしています。面接会場での振る舞いはとてもいいのに、残念ですね。

製薬会社 受付の若い女性社員に横柄な態度を取っている学生もいただけません。お手洗いでのマナーが悪かったり、エレベーター内で大声で話していたり。いくら説明会で好印象でも会場から一歩外に出ると豹変(ひょうへん)する学生は結構います。

ゲーム会社 やはり今の若者はLINE(ライン)世代なのでしょうか。電話が苦手だと思います。こちらから電話をかけるのですが、一度ではつながりません。「03」ナンバーを信用できないのでしょうかね。留守電設定がない学生には伝言もできなくて困っています。あとはメール。学生によってメールの返信の早い人もいれば遅い人もいます。そういった対応力はやはり見てしまいます。それから、完璧を求めるせいだと思いますが、面接を受けに来るよう伝えるために電話をしたときに「準備が十分じゃなくて......。まだ面接できるタイミングじゃないんです」と日程変更を希望されて驚いたこともありますね。

広告大手 説明会に母親といっしょに来た女子学生がいました。親が参加しても意味がないので、入り口で別れてもらいました。

説明会は複数回行った方がいい?

──志望順位が高い会社なら説明会に複数回参加するのも内定への近道になるかもしれない。

流通 説明会に何度も来てくれる学生がいます。こちらは回数をカウントしていませんが、顔見知りになると声をかけやすくなります。

製薬会社 会社説明会は、自社、ナビサイトなどの大規模な合同説明会、そして学内の3種類がありますが、特に自社説明会に来てくれた学生は志望度が高いということで評価します。わざわざ時間を割いて来てくれたわけですし。もし選考過程の中で同じような評価の学生がいたら自社説明会に参加している学生を選びます。

探偵から一言

 人事担当者は学生が思いも寄らないところを見ている。売り手市場が続いているせいか、意外にも油断している学生が多いのに驚いた。説明会も社会に接する第一歩。「選考」の一つだという気持ちで臨もう。

(鈴木洋介、松本千恵、雨宮百子、高尾泰朗、中山美里)[日経電子版2016年3月17日付]

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