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トランプ氏の外交、
ブレマー氏の選択

トランプ氏の外交、ブレマー氏の選択

 興味深い論文がある。2015年のノーベル経済学賞を受賞したアンガス・ディートン米プリンストン大教授と、夫人のアン・ケース同大教授が執筆したものだ。

 45~54歳の米国人の死亡率を調べたところ、白人は1999~2013年に年平均0.5%のペースで上昇していた。これに対して黒人とヒスパニック(中南米系)はそれぞれ2.6%、1.8%低下している。

 中年白人の死亡率の上昇は、米国に特徴的な現象である。なかでもアルコール依存、薬物中毒、肝臓障害による死亡や自殺が増えているという。

 医療制度や生活習慣の問題だけではない。「経済的な不安」も根っこにあると両教授は指摘する。成長の鈍化や格差の拡大、移民との競争などのせいで、とりわけ強いストレスを感じる低中所得層の白人。鬱積した不満や憤りが彼らの心身をむしばんでいるのだろう。

「他国民より自国民の面倒を」

 不動産王として成功を収め、既存の政治に縛られない異端児に頼って、この窮状から抜け出したい――。11月の米大統領選に向けた共和党の候補者選びで、ドナルド・トランプ氏が躍進する原動力になったのも、そんな白人層の不満や憤りだった。

 経済不安の高まりは国内的には移民や難民の排斥、対外的には孤立主義に結びつきやすい。「米国にはかつての余裕がない。他国民の世話をするよりも、自国民の面倒を見てほしい」。トランプ氏の支持者に会うと、似たような話をよく耳にする。

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