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「無理」と思ったときこそチャンス

やる気スイッチを入れよう(11)

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NIKKEI STYLE

新年度が始まりました。新しいクラス、新しい先生、新しい人間関係、新しい教室、新しい職場。新しい環境に入ったときは、新しいやる気を作るチャンスでもあります。

「無理」と思った時が大事

初めて経験することに対しては、「えっ、何それ、いやだな」と思うことがあります。「この講義、課題が毎回出る、無理」「バイト先の新しい店長、リーダーシップが全然ない、最悪」などです。

でも実は、「無理」と思った時が大事。新しいやる気を作るチャンスだからです。

1年間、あるいは半年間、同じ環境でやってきたために、私たちの中にはやる気の「型」ができています。例えば、「課題があまりない授業で、ゆったりペースで楽しくやる」とか、「リーダーシップのある店長の指示に従って仕事をする」といったスタイルです。

「型にはまった」やる気で、「型どおり」に過ごすのは楽です。しかしそれが続くとマンネリ化が起こり、やる気は徐々に低下します。変化に対して適応もしにくくなります。「無理」と思うのは、従来の「型」に強くはまっているサイン。そして、新しい「型」を身につける時期だという知らせです。

プロセスか結果か、従うか指示するか

新しい環境でやってみたときに、得られる「いいこと」に注目してみましょう。例えば、課題の多い講義では、大変な分だけ学力や学習習慣が身につくことになります。これは、課題の少ない講義でゆるく楽しく、という「型」にはない「いいこと」です。プロセスを楽しむ「型」の人が、結果を出す「型」も新たに身につける、ということです。

リーダーシップのない店長の下で働くときには、「自分で何をすべきか考えて、お店を運営しよう」と考えれば、リーダーシップやお店を運営するスキルを身につける機会になります。指示されたことに従うという「型」の人が、「自ら指示を出して物事を推進する」という「型」も身につけるわけです。

「やってみたらできた」を積み重ねる

「いやだな」と思うことも、別の見方をすると、必ずよい側面があります。とりあえず、その環境の中に飛び込んでやってみることです。すると、「毎週の課題も、案外やってみたらできた」等、新たな自分を発見します。こういう日々の「できた」という実感を積み重ねましょう。新たなやる気の「型」が、完全に身につき定着します。

論理「型」か、共感「型」か

Kさんという学生が、入ったゼミのことで悩んでいました。「ゼミの同級生に、非常に発言が少なく、たまに話してもややピント外れ、行動もゆっくり目という人が2人いて、この人たちといっしょにやっていくのはめんどうだし、そういうレベルの人と勉強するのは正直きつい」ということです。しかも、そのゼミは、学生同士で持ち寄った資料を議論して進めていくという方式で、先生は互いに助け合ってやるようにと言っています。その2人ともいっしょにやっていかなければなりません。

論理的にてきぱきと物事を進めるのが好きなKさんにとっては、苦手な状況です。最初の2回のゼミでは、「全員発言するというルールを決めてやろう」等と提案し、これまでの自分のやり方で議論をしようとしました。しかし、2人は顔をこわばらせて沈黙。うまくいきませんでした。3回目のゼミでは、「毎回なにかしら発言するのも大変だよねぇ」「いろいろ不安もあるよね」と、論理よりも相手の気持ちを重視して、話すようにしました。場の雰囲気がほぐれ、2人は少し緊張が取れた様子で、議論が前の2回よりも活発になったそうです。

「こういうことを言うのは、自分らしくなくて変な感じもするんですが、これでうまくいくなら続けてみようと思います」とKさんは言います。

論理的にぐいぐい進める「型」のKさんが、「気持ちを思いやって進めるという「型」を身につけようとしているのでしょう。

初めてやってみることですから、最初はぎこちないし、恥ずかしかったり、うまくいかなかったりもします。しかし、やっているうちに自然にできるようになります。それが「型」の特徴です。

自分志向から他者志向に

仕事でも同様に、様々なやる気の「型」を持っている人は、充実した活動をしています。ある住宅メーカーで営業に携わるYさんは、最初のころ売上が全く伸びませんでした。「1人でなんでもやろうとしていたんです。今思えば、自分1人で手柄をたてようとしていたんですね」と語ります。ある時、これではダメだと思い、先輩に相談しました。先輩は、「チーム全体が売り上げられるように考えて行動すると、自分も売上が上がる」と言います。半信半疑で、皆を手伝ったり、チーム全体の仕事を率先してやるようにしたところ、同僚とペアの仕事で契約が成立したそうです。

自分1人の利益を目標にするという「型」ではうまくいかなかったけれど、他人のことを第一に考えるという「型」を身につけたら結果が出せた、という例です。

やる気は花の寄せ植え

やる気の「型」をたくさん持っていると、状況が変わっても、やる気を保てるようになります。やる気の引き出しから、今の状況に合うものを引っ張り出して対応できるのです。

庭に様々な花が寄せ植えになっているのをイメージしてください。いろいろな種類の花が植えてあれば、暑い夏でも、寒い冬でもなにかしらの花が咲き続けます。チューリップだけしか植えていない庭は、チューリップが散った後ずいぶん寂しい景観になってしまいます。

自分のやる気の「型」を知る

まず、今の自分のやる気の型を考えてみましょう。楽しいプロセスを重視する「型」か、目標を重視する「型」か、指示されたことを忠実にやり遂げる「型」か、自分で考えて推し進める「型」か、論理的にクールに進める「型」か、気持ちを思いやって進める「型」か、自分の利益を優先する個人志向「型」か、チーム全体を考える他者志向「型」か。

まだやったことがない、と思う「型」があったら、試してみましょう。友達に、自分にない型を持つ人がいたら、行動を観察したり、どのような意識でやっているのか尋ねてみましょう。新しい「型」を習得するヒントになります。

たくさんのやる気の「型」を身につければ、いつでもどこでも安定したやる気を保つことができ、毎日が充実します。

菊入みゆき(きくいり・みゆき)
明星大学経済学部特任教授、JTBモチベーションズ ワーク・モチベーション研究所長。筑波大学の博士課程で、組織におけるモチベーションの伝染について研究中。大学ではキャリアや就職支援の講義を担当、企業とのコラボレーションによる講義も実施。JTBモチベーションズでは企業で働く人への研修やコーチング、経営層へのコンサルティングを行う。著書は「やる気が出なくて仕事が嫌になった時読む本」「職場でモテる社会学」「できる人の口ぐせ」等多数。

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