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結婚式、サプライズ演出で高額化
平均352万円

結婚式、サプライズ演出で高額化平均352万円

 真っ白なドレス、豪華な料理、きらびやかに飾り付けた会場――。結婚式の晴れ舞台で華やかな式や披露宴をするためには多額の費用がかかる。

招待客1人あたり費用は10年で3割増

 リクルートマーケティングパートナーズ(東京・中央)の結婚情報誌「ゼクシィ」が実施した「結婚トレンド調査2015」によると、挙式・披露宴の総額は全国平均で352.7万円(税込み)だった。前の年の調査に比べ19万円増えた。税抜きでは8.8万円の上昇で、14年4月の消費増税の影響を考慮しても上昇傾向が鮮明になっている。調査は全国5701人を対象に実施した。

 披露宴への招待客数は70人強で安定しているが、招待客1人あたりの費用が膨らんでいる。15年の調査では5.9万円で、10年前の調査と比べて3割分(1.4万円)多くなった。平山彩子ゼクシィ編集長は「ゲストをもてなそうという姿勢が一層強まっている」と指摘する。

 結婚式のトレンドはおおむね10年単位で変化しているという。1980年代はバブル景気のイメージどおり派手な結婚式、90年代は夫婦を招待客にお披露目するという本質に立ち返りシンプルに、2000年代はアットホームさが重視されゲストハウスでの披露宴が流行した。

 10年代に入ると家族や招待した友人とのつながりを意識した演出が目立つ。結婚式を挙げるカップルが招待客への気持ちを伝えるだけでなく、新郎が招待客と事前に打ち合わせて新婦へのサプライズを実施したり、友人たちがカップルに秘密で会場と連絡を取り合って出し物をしたり「みんなで式をつくる意識が強い」(平山編集長)のが今のトレンドだ。

 個々の招待客の重要性が増している分、招待客への新郎新婦側の支出も増えている。結婚式の準備を始めた当初はブライダル会社などが推す基本プランでいいと考える人も、準備を進めるうちに具体的な要望が分かってきて追加料金を支払うことが多い。

結婚式は人生に何度もない晴れ舞台だ

 招待客の料理や飲み物をより豪華に、結婚する2人を一層知ってもらうためのプロフィル紹介ビデオをつくる、招待状を華やかにするなど、どこにこだわるかは人それぞれ。こだわればその分費用が増すことが多い。ゼクシィの15年の調査では、当初の見積額と実際にかかった総額の差は平均で114万円とかなり大きい。

 結婚式にかける労力、費用はカップルによるばらつきが大きくなっている。結婚指輪の下に敷くリングピローを2人で手作りする、あこがれのウエディングドレスを着こなすために式の前にエステに通う、思い出のブーケをドライフラワーにするなど、手間とお金をかけようと思えば限りがない。

費用を最もかけるのは四国

 さらに、結婚式の費用は地域による差も大きい。ゼクシィの「結婚トレンド調査2015」によると、最も高いのは四国で383.4万円、最も安いのは会費制の披露宴が一般的な北海道で203.1万円だった。四国は新郎新婦の衣装総額や写真撮影費用が全国1位で、思い出を残そうという意向が強いようだ。

 多忙で結婚式の準備を負担に感じたり、様々な費用の高額さに驚いたりする人も多い。16年2月に挙式を控えた東京都の20代の女性は「ウエディングドレス用の下着を買うだけで5万円と言われた。あまりにも高い」と目を丸くする。

 「みんなのウェディング」(東京・中央)が全国316人の既婚女性を対象に実施した調査では、入籍したが経済的な事情で結婚式を挙げなかった人は22.8%。結婚式をしなかった理由で最も多いのが挙式の費用負担が高額になることだった。

 結婚式は出席する側にもお金の悩みがある。ご祝儀の額をいくらにするのか――。マナーデザイナーの岩下宣子さんによると、新郎新婦の友人で2万~3万円が一般的という。

 割り切れる2万円は分かれる、につながり、縁起が悪いとみる人もいるが「夫婦2人で一組という意味で1万円札2枚は縁起がいい」(岩下さん)。結婚式のご祝儀に偶数を避けるのは、菓子を盛りつける際に慶事では偶数ではなく奇数とする風習が誤って伝わったとの説もある。1万円札1枚と5000円札2枚で渡す必要もない。

 岩下さんは金額の多寡よりも、ご祝儀を渡す時期に気をつけるべきだと指摘する。現在は式当日にご祝儀を持って行くことが多いが、本来はマナー違反。慌ただしい当日に大金を管理するのは新郎新婦の気苦労が増えるためだ。さらに結婚式前にご祝儀を渡しておけば挙式、披露宴費用の支払いの助けとなる。「直接渡す、もしくは現金書留で送るのが良い」(岩下さん)

 ゼクシィの調査では、結婚式を挙げた夫婦は、式を挙げなかった夫婦と比べて離婚率が13%低かった。「大変な準備や両家の調整を一緒に乗り越えることで、絆が深まるため」(ゼクシィの平山編集長)という。夫婦の新しい門出のセレモニーには、お金で買えない価値があるようだ。
(商品部 山田彩未)[日経電子版2016年4月14日付]

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