声を出さない英語学習は無意味
"英語発信力"強化講座(3)
本稿は10回連載の3回目です。今回も簡単なものを選びました。1回から今回までで紹介した30のフレーズを使いこなすだけで、実社会の英語、つまり企業で普通に使われている英語に近づくことができます。今回もミニテストから始めてください。
【ミニテスト】
あなたならどう言いますか?下の英語を、別な英語にしてみてください。
(1)Stop! ( やめて!):(1語)!
(2)Hurry up! (急いで!):(1語)?
(3)Wake up! (おきて!):(2語).
(4)See you later! ( またね):(1語).
(5)Of course! (いいですよ):(1語)?
(6)Go ahead! (お先にどうぞ):(2語)!
(7)Say "cheese" ! ( 笑って!):(1語)!
(8)What's new? (変わりない?):(2語)?
(9)What happened? (どうしたの?):(3語)?
(10)Have a good time! (楽しんで!):(2語)!
【解答・解説】
(1)「やめて!」と言うと、すぐにStop!が思い浮かびますが、Pleaseもよく使います。親しい友人にShe says I'm handsome!(彼女、僕のことハンサムだって言うんだ)と言われたときに、Please! Don't make me laugh. (やめてよ。笑わせないで)という具合です。Pleaseには、「どうぞ」と「どうかやめて」の両方の意味があります。
(2)「急いで!」=Hurry up!と覚えた方もあると思いますが、とてもイライラした感じで「急げよ!」と言う感じです。Hurry!の方がイライラ感は少なくなります。up取れた分だけ柔らかくなります。あまり命令口調にならないようにするには、Let's hurry.とか、Maybe we should hurry.と言えばいいでしょう。
(3)母:「おきて!」→息子:「もうおきてるよ!」→母:「おきてんならベッドから出なさい!」は、中高生と母親の代表的な日常会話ですね。同じ「おきて!」でも、Wake up!(あるいは、Awake!) は、「目を覚ましなさい」という意味ですが、Get up! は「ベッドから出なさい=Get out of bed!」という意味になります。
(4)See you later. は、「またね」と言うときの代表的な表現ですが、略してLater! と一言で済ますこともあります。初めて聞いた時は、「えっ」と思いましたが、友人や仲の良い同僚など親しい間柄でよく使われます。相手を見て使って下さい。
(5)Will you be here tomorrow? (明日ここにいてくれる)→Of course!(もちろんいいですよ)という会話なら、Of course!の代わりにCertainlyも使えます。「かしこまりました」と言う感じです。Definitely! とか、For sure! と言ってもOKです。
(6)Go ahead! は、まさに「お先にどうぞ」という意味ですが、ご婦人と一緒にドアを通り過ぎるときに、自分が先に行ってしまうのは「レディーファーストの原則」に反します。こんな時はドアを開けて、After you! と言い先に通してあげましょう。
(7)記念写真を取るときに、いつもピースサインで「セイチーズ」では飽きませんか? たまには変わった言い方をしてみんなを笑わせれば、自然な笑顔を撮ることができます。私は、Say "Chida"! と言って、笑いを取っていました。通常はSmile!ですが、韓国の友人は「セイキムチ!」を使っていました。あなたなら何と言いますか?
(8)What's new? は、「最近変わったことある?」と言うときに頻繁に使われますが、日本人にはさっと口から出しにくい表現のようです。学校でHow have you been?
と習ったせいかもしれません。Anything new? と言ってもOKです。
(9)What's new? が単に近況をたずねているのに対し、What happened? は、何か悪いことが起きたことを想定した言いかたになります。「何か良くないことでも起きた?」のという意味です。What went wrong? と言い換えてもOKです。
(10)学校ではHave a good time! と習ってきましたが、「楽しんで!」にもいろんな言いかたがあります。私はHave fun! を最もよく聞いてきたような気がします。Enjoy yourself! とも言います。短く口に出しやすい表現から使ってみましょう!
英語学習アドバイス:トレーニングの基本は音読
海外に行かずにTOEICで900点以上を取った人たちを、20人ほど集めて座談会をしたことがあります。「どのように英語力をつけたのですか?」と聞いたら、共通の答えは「中学の時、先生に言われ、教科書を一生懸命音読した」でした。考えてみれば私達も、小学校の時に国語の教科書を音読することから始めましたね。
声を出さない英語学習は無意味です。今まで声を出さずに英語を学んできて、身につかなかったという方は音読から始めてみませんか? 変身はここから始まります! どのように音読したらいいかについては、次回以降にご紹介していきます。
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