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会社見学へ行こう(5)NTTデータ「文系でも大丈夫ですか?」

authored by 日経カレッジカフェ 
会社見学へ行こう(5) NTTデータ「文系でも大丈夫ですか?」

 「文系でも大丈夫ですか?」。日経カレッジカフェは5月17日、NTTデータのNTTデータの協力を得て同社見学会を開催しました。質疑応答でも、社員との会話でも相次いだのがこの質問。確かに理系のイメージが強い企業だけに、文系学生には気になる点ですが......。

 「私も文系なので、大丈夫です!」。力強く答えたのは、司会を務めた広報部の梅澤文さん。英米文学専攻だそうです。同社の現在の採用は3~4割が文系です。新入社員は理系・文系問わず、半年にわたってSE(システムエンジニア)の研修を受けて、基礎を叩きこまれます。最初は全員SEとして仕事を始め、その後はそれぞれのキャリアを積み上げていきます。年2回の社内公募制度で異動する人も多いそうです。

「仕組み」を作る仕事

 すると学生から質問が。「文系なのにSEを志望したのはなぜですか?」。「銀行で待たされるのが嫌いだったからです。お客さんが待たずにすむ仕組みを作るSEという仕事に興味を持ちました」。

 「自動販売機に硬貨を入れると、飲み物とおつりはどっちが先に出てきますか?」。今度は広報部課長の戸田暢彦さんが学生に問いかけました。「飲み物......?」「正解はおつり。買いに来た人は目当ての飲み物が出てくると満足しておつりを取り忘れやすいのです。このようによりよい『仕組み』を考えるのが私たちの仕事です」。どこをどう変えれば効率的で便利になるか、仕組みを考えるくせのある人はSEに向いているということでした。

 NTTデータはIT業界の中でも情報サービスを扱う専業の「システムインテグレーター」としては日本最大手です。顧客企業・官公庁のニーズをくみとり、システム開発を行います。「システム開発」の身近な例として、ATMサービスや電子マネー「WAON」、オンラインストア、カード決済、センサーで橋を渡る車両の情報収集をする「橋梁監視ソリューション」などが紹介されました。「顧客は企業ですが、その先にある人々の生活や社会を支える"B to B to Cビジネスです」と説明しました。

 会社説明に続き、第一公共事業本部e‐コミュニティ事業部・課長の筒井健さんが、JAXA・リモートセンシング技術センターと共同開発した全世界デジタル3D地図について説明しました。衛星画像から、GoogleマップやNASAの映像より細かい世界最高5m解像度、5mの高さ精度で、立体的な全世界の陸地3D画像を描き出す地図を4月に完成させたばかりです。筒井さんは世界中を飛び回り、フィリピンでの災害情報の収集と発信や、ナイジェリア・ニジェールでの下水汚染マップによるポリオ対策などへの応用に協力しています。

 京都大学理学研究科で気象を研究する修士1年の伊藤翔星さんは、「世界各地で仕事をする筒井さんのお話は興味深かったです。このような形で専門の研究と直結した仕事もあるとは知りませんでした」と話していました。

Twitterによる日本語解析の仕組みを説明
広報部の梅澤さん(右)に文系の仕事について質問

 その後、社内にあるINFORIUM豊洲イノベーションセンターでデモを体験します。災害現場などで患者の怪我の状態などをデジタルペンでカルテにテキスト化し、スマホアプリで病院に送信できる救急医療情報システム、Twitterで登場する単語や文章を分析してマーケティングに生かす日本語解析エンジン、渋滞解消のための交通シミュレーション、福岡空港で実際に使われている航空管制シミュレーターなど、データを生かす「仕組み」の実例がいくつも紹介されました。

冨澤さんの案内でグローバル事業部を見学

 次はグローバル事業部課長代理の冨澤さんの案内でオフィスを見学。外国人も多く、海外とのやりとりも多い部署です。フリーアドレス制で、パソコンや資料など荷物はすべてロッカーの中。出社すると壁に貼った机の配置図に自分の名札(日本人も英語の愛称つき!)を貼り、空いている机で仕事をします。毎週水曜または木曜は在宅勤務を推奨していて、今日は火曜日なので、出社している人数が多い方ということでした。「日本国内に比べ、海外での知名度はまだまだです。国内と海外の売上比率を1:1にすることが目標です」(冨澤さん)。

託児施設も見学

社内託児施設「エッグガーデン」

 最後に向かったのは社内の託児施設「エッグガーデン」。0歳4人、1歳4人の社員の子どもが通っています。「5月はまだ子どもの数が少ないのですが、年度末に近づくにつれて増えて、年度末には定員いっぱいになります」。人口急増で保育園激戦区となったここ江東区・豊洲にあって、子どもの預け先を確保することで、社員が安心して復帰できるようになっています。

 社内の女性比率は約30%で増加傾向にあり、広報部でも2人が産休・育休中ですが、「もし認可保育園に入れないときも、このエッグガーデンがあると思うと心強い」とのことです。女子学生も男子学生も興味津々で、いくつも質問が出ていました。

 見学はここで終了です。広報部の梅澤さんは「B to B企業なので、学生さんに仕事の内容があまり知られていないかもしれません」と話していましたが、終了後は青山学院大学法学部2年の角田好教さんも「ICT技術によって、顧客や社会のさまざまな問題を解決するという仕事のイメージがよくわかりました」と腑に落ちた様子。ご協力いただいたNTTデータの皆さん、学生の皆さん、お疲れ様でした!

 好評の会社見学会は、7月に第2弾を企画中です。近日カレッジカフェサイトで応募を開始しますのでお楽しみに。

連載【会社見学へ行こう!】
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(4)人事担当者が最後に見せた涙の理由~キリン
(5)NTTデータ「文系でも大丈夫ですか?」
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