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コミュ力だけじゃない 営業で身につく仕事のスキル

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イメージしやすいからこそ敬遠されがちな、営業という仕事の価値について、前回の記事で触れました。今回は、営業の仕事で身につく力について書いてみたいと思います。

私が営業の現場経験が長いからか、「女性営業の育成」といったテーマでご相談をいただくことが多くあります。「このまま営業を続けても将来が見えない」「労働時間が長くて結婚や出産などのライフイベントを乗り越えられる気がしない」と早期離職してしまうとか、男性管理職たちが彼女たちのモチベーションを高め、育てることができていないとか、そういった課題で頭を抱えている企業がたくさんあるのです。

それでは、女性営業は、男性社員に比べて業績が上がっていないかと言うと、その逆の事も多い気がします。特に若手時代は、女性営業の方が顧客の要望をきちんと汲むコミュニケーション能力やきめ細かな対応力が高くて、社内外共に評価が高い人たちがたくさんいます。業績もあがっていて社内で評価もされているのに、どうして「将来が見えない」とモチベーションが下がってしまうのか。どうして「まさにこれから」という時に辞めてしまうのか。

営業経験が伸ばした企画力

もちろん一概には言いきれないのですが、私は、「営業でどんな力が身につくのか、身についたのか」が言語化しにくいのが一因だと思っています。例えば、人事や経理、企画などのスタッフ部門の方が、「スキル」「知識」が手に入り専門性が高まって、ステップアップの道筋がわかりやすいように思えてしまいます。転職活動をするときも、営業の仕事経験だけだと、職務経歴書にも、「MVPを獲得し、高い業績と評価を収めた」「チームリーダーになってプロジェクトをまとめた」くらいのアピールしか書けないのではないか。専門性が高まったとは言いにくいし、ステップアップといっても営業管理職くらいしか思いつかない......。そんな風に思っている現役営業女性も多いのです。ましてや学生のみなさんが「営業を経験すると何の力が身につくのか」と思ってしまうのも、ある意味必然かもしれない、とも思います。

私の友人で、「企画」を生業とする会社を経営している女性がいます。彼女は会社員としても企画の仕事経験がありましたが、営業経験も長くある人です。彼女の会社には、「企画がやりたい!」と訴える女性がたくさん訪れるそうです。でも、「企画」は思いつきを形にする仕事ではありません。たったひとりで実現できるものでもありません。「企画を世に送り出すための力やスキルは、ほとんど営業経験で培った」と彼女は常々言っていて、「営業経験から学びがなかったという人には企画なんて生み出せないと思う」とも言っています。私はすごく共感して、この会話をしてから余計に彼女が好きになりました。

業績を上げていても、上司や教育担当の先輩たちから業績以外に「このような力が身についた」といったフィードバックをきちんと受けたり、「もっとこんなスキルをものにするために、この仕事に挑戦しよう」といった会話がないせいで、なぜ自分が業績を上げることができているか、「説明できない」ことが不安の元凶です。実は営業で多くの力が身についていても、スタッフの仕事に比べてわかりやすく説明できないからこそ、「運だけでここまできたのでは?」「このまま続けてどうなっていけるのかイメージがわかない」といったもやもやとした不安でいっぱいになってしまうわけです。

営業はすべての仕事の基本

営業で身につく力は、業種や企業、営業スタイルによっての変動要素も大きいし、何よりどんな経験を積んだかによっての差も大きいので、一概には言い切れません。しかし、営業経験者に、「営業で身につく力はどんなものがあると思うか、書き出してみて」と言うと、実に多くのスキルが洗い出されます。コミュニケーションスキルはもちろんのこと、チームビルディングの力や課題設定能力や、次から次にすらすら出てくるのです。それらを並べて眺めてみると、将来の自分にとっても重要な力もたくさん発見できて、自分で書き出したくせに一番驚いているのはその人自身、というシーンにも何度も出くわしました。他ならぬ私も、この作業を通じて目が覚める思いがしたことがあります。

ヒューマンスキルに分類されるような力は、1級とか初段とかといった履歴書に書けるような資格ではありません。だからこそ、自覚化することがとても重要。棚卸をして可視化することはその一歩です。そうやってみると、営業は、どのような仕事でもベースになるようなスキルやスタンスが身につく仕事だと改めて感じられるはずです。

営業女性をOG訪問して、「どんな力が身につくか書き出してみてください」とはさすがに言えませんね(笑)。でも先輩たちからエピソードをたくさん聞いて、自分なりに可視化する努力はできることでしょう。「営業なんか使い捨てられるだけ」「キャリアを積むならスタッフ」といった思い込みは禁物です。仕事研究をする中で、一度、「営業」もスキルから眺めてみてもらえるといいなと思います。もちろん、営業以外の仕事についても、そんなフラットな視点をもって研究できると新たな気付きがあるかもしれませんよ。

堂薗 稚子(どうぞの わかこ)
1969年生まれ。92年上智大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材系事業の営業職を経て「就職ジャーナル」副編集長、「リクナビ派遣」編集長、カンパニーオフィサー、ダイバーシティ推進マネジャーなどを歴任。13年、株式会社ACT3設立。女性活躍支援など、企業の組織開発・人材開発にかかわる調査・企画立案、コンサルティング・研修・講演などを行う。著書に『「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(KADOKAWA)。二児の母。

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