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[ career-働き方 ]

卒業までにやっておくこと2017(1)HISの佐藤美香子さん
「旅行の知識と経験を積んで」

卒業までにやっておくこと2017(1) HISの佐藤美香子さん「旅行の知識と経験を積んで」

 就職戦線を乗り切って内定(内々定)を勝ち取った就活生の皆さんに、先輩社員からのメッセージをお届けします。残された学生生活を有意義に過ごすために、いま何をすればいいのか。第1回は、旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の佐藤美香子さん(26)です。

――いつごろから旅行業界を志望していたのですか。

 「父が旅行関係の仕事をしていて、小さいころからよく旅行していました。高校のとき、世界遺産に登録されたばかりの知床半島に行ったのがきっかけで、世界遺産検定も取得しました。高校のときから旅行関係の仕事をしようと思っていたので、大学もオープンキャンパスで印象に残った東洋大学の国際観光学科に進みました」

――どんな大学生活でしたか。

 「大学ではバドミントンのサークルを3つかけもちし、父を手伝って旅行会社の添乗や窓口、営業まで体験しました。長期休みはかなり添乗でつぶれることが多かったです。単位もなるべく前倒しで取っていたので、いつも忙しくしていました」

――他の業界に関心はなかったのですか。

 「旅行に関連するホテル業界にも興味があったので、2年生の夏に栃木県のホテルでインターンに参加しました。楽しくてやりがいもあったのですが、とにかく過酷でした。睡眠は3~4時間、食事を取る時間もあまりなく、ものすごくやせました。そのホテルが特別だったのかもしれませんが、『これは一生は続けられない』と、旅行業界に絞ることにしました。でも就活を始める前に実際に体験して見極められたので、後から思うと本当に参加してよかったです」

社員と会って雰囲気をつかむ

佐藤美香子(さとう・みかこ)さん 1989年生まれ。2012年、東洋大学国際地域学部国際観光学科卒、HIS入社。大宮本店営業所、川越クレアモール営業所を経て、15年4月から本社人事本部採用・教育グループ採用チームで新卒採用に携わっている。

――就活でHISを選んだ理由は。

 「就活では自分のやりたいことができるかどうかと、一緒に働きたいと思える人がいる会社かどうかを判断の基準にしました。多くの人にOB・OG訪問して、エントリー後は客として店舗に行き、雰囲気や接客などをこっそり観察しました。他の旅行会社や、金融機関などからも内定をいただきましたが、HISに決めたのは2つの基準にマッチしていたからです。HISはともかく仕事の幅が広くて、旅行もあり、ホテルもテーマパークもある。さらにこれからどんどん新しいビジネスを作り出していこうとしているところに可能性を感じました。もうひとつの基準でいうと、説明会などで説明してくれた人事の社員の人々が魅力的で、こういう人たちと仕事がしたいと思いました」

――内定後は、どんなことをしていましたか。

 「夏休みは父の手伝いの添乗があり、9月からは内定者実習で、HISの店舗で約1カ月働きました。また、旅行を実際に企画するゼミに所属していたので、かなり力を入れて取り組んでいました。『旅育』といって、子どもの教育に旅を役立てようという企画を立てました。ハワイで旅行客のお子さんを現地の子どもと交流させるプランを考え、調査のためにハワイには結局3回行きました。就活で中断していましたが、4年生の12月までかかってなんとか論文をまとめることができました」

――では旅行に行く時間はなかった?

 「いえ、旅行会社に就職するからには、世界のメジャーな旅行先を知っていなくてはお客さんに自信をもって説明できないと思い、卒論を提出してから、年明け以降入社するまでに、親に借金をして韓国、台湾、グアム、ハワイなど短期で6回海外に出かけました」

――入社の準備は万全でしたね。

 「でも人事で採用担当になってから、自分の勉強不足を痛感しました。『旅行のことだったら何でも聞いて!』という自信があったのですが、社内の組織や経営、経済についての知識がなく、学生からの質問に答えられないことがありました。通勤中などに必死に勉強しました」

――入社後の最初の配属は?

 「いつかは人事部門で働きたいと希望していましたが、その前に旅行会社の仕事の根幹である営業に携わりたいと思い、最初は店頭営業を志望しました。入社して半年で、幸運にも新規開店する営業所の立ち上げに参加でき、店頭で日々お客さんと接したことは本当に勉強になりました。3年間営業にいて、昨年4月から公募で人事本部に異動し、新卒採用を担当しています」

「時間がない」「お金がない」と言わないで

――学生にアドバイスはありますか。

 「1・2年生のうちはともかくいろいろなことに挑戦し、自分の興味や適性を見極めることですね。3年生はインターンにも参加し、OB訪問や業界・企業研究をして十分に情報収集をする時期です。第一希望をしっかり見定めてから就活に入らないと、自分がやりたいことが見えなくなってきてしまいます。就活では、疑問は企業の人事担当者やリクルーターにどんどん聞いて、納得して決めてほしいですね」

――内定後はどう過ごせばよいでしょう。

 「時間のある学生時代に、会社に入ったら何が必要なのか考えて、できるだけのことはしておいた方がいいと思います。旅行会社だったら日本地図も世界地図も頭に入れておくのは当然で、旅行もすべきです。よく『お金がない』『時間がない』という学生がいますが、会社に入ったら時間はもっとなくなります。バイトするとか、いろいろ方法はあると思うので、貴重な時間をぜひ有効に使ってください」
(聞き手は糸屋和恵)

【卒業までにやっておくこと 昨年度の掲載事例】
(1)全日空の財津弘彬さん「英語学習と生活リズム維持を」
(2)大和ハウスの康乗佐知さん「幅広く資格や体験を」
(3)サントリーの中村曜子さん「"お客さん"を観察しよう」
(4)大和証券の水村茉菜さん「経済の勉強を。仲間も大切に」
(5)大塚製薬の大竹悠さん「ボランティア、いまに生きる」
(6)JTBの田中奈津子さん 「5回の卒業旅行で学ぶ」
(7)NTTデータの八巻絵美さん 「勉強会や交流会に参加」
(8)トヨタ自動車の田宮幸恵さん 「異文化と触れ合おう」
(9)日本航空の村杉汐音さん 「大学の授業を大切にしよう」
(10) 三井物産の中岡壮史郎さん 「目標を立ててクリア」を繰り返せ
(11)楽天の戸田雅子さん 「社会人と話す機会を作ろう!」
(12)東京海上日動の森山大志さん「内定後もOBを訪問」

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