内定者座談会(中) LINEでテストセンターの問題を共有!?
就活リポート2017(5)
2017年春入社予定の新卒内定者4人による就活座談会の第2回。前回はインターンシップと志望業界の決め方、業界・企業研究のやり方について語ってくれました。今回はOB・OG訪問や採用選考(エントリーシート、筆記・ウェブテスト、面接)対策について聞きます。
Aさん(男性) 私立大学(理系) 内定先:食品
Bさん(女性) 私立大学(文系) 内定先:航空
Cさん(男性) 私立大学(文系) 内定先:総合商社
Dさん(男性) 私立大学(文系) 内定先:銀行
――多くの企業で求められるエントリーシート(ES)は、どのように対策しましたか? また、困ったことなどはありましたか?
Bさん ESは他の学生との違いを意識して、採用ホームページ以外の新聞などから得た情報を織り交ぜて書くようにしていました。あるレジャー施設のウェブESでは「10~20年後に流行するものは何か?」といった質問があり、新聞記事のネタを基に書いたら通過したので、これは後輩にお勧めしたい方法です。困ったことは、提出がいつも締め切りギリギリになってしまったこと。速達で出すことも多く、締め切りのピークだった4月下旬~5月中旬には作成が間に合わず、応募できなかった企業もありました。
Aさん 受けていた業界は手書きのESが多かったので、時間がかかり大変でした。ピークは3月下旬~4月上旬で、1日に3社くらい締め切りということも。エントリーをした段階で採用スケジュールが表示されている企業も多いので、締切日から逆算してとにかく早い時期から余裕を持って取り組もうと意識しました。「学生時代に力を入れたこと」「研究内容」はどこの企業でも聞かれるため、事前にESに盛り込みたいキーワードや文章を作っておき、指定文字数によって調整しました。
Cさん ESは40社ぐらいに提出。ピーク時は気合いと根性で、寝ないで書いたこともありました。親戚に人事系の仕事をしている人がいたので添削してもらいました。ブラッシュアップしていくと、結局はほとんどの企業で同じことを伝えればいいんだと、書くコツが分かってきました。
Dさん 約20社に出しました。金融機関はESはほぼ全員通過するという噂もあり、実際1社も落ちませんでした。どこの企業も「学生時代に力を入れたこと・努力したこと」「志望動機」「困難に直面したこと」など同じような質問が課されるので、提出1社目は時間をかけて書きましたが、2社目以降はあまり時間をかけませんでした。
20人くらいのOBに会いました
――OB・OG訪問はしましたか?
Dさん 銀行と損保、信託銀行など、全部で20人くらいのOBに会いました。大学の名簿を活用したほか、企業がOB・OG訪問を受け付けてくれているところを利用しました。
Cさん 約10人訪問しました。業界は銀行と商社です。大学の先輩に加えて、説明会では体育会出身に見える社員の方に直接話しかけて連絡先を教えていただき、後日訪問したこともありました。訪問した際には、企業研究の結果を確認するようにしてアピールしました。
Aさん 1人訪問しました。2次面接終了後に企業から「社員に話を聞きたければ、紹介します」との連絡をいただき、せっかくの機会と思ったので会いました。
――筆記試験・ウェブテストの対策はどのように?
Bさんテストセンターを受ける約1カ月前から問題集で対策しましたが、実際に初めて受けたテストでは、問題集の「紙」と実際の「パソコン画面」とではイメージが異なり、要領がつかめなかった......。特に非言語問題で戸惑い、点数は悪かったはずです。ただ、2回目以降は要領をつかむことができ、解けた手ごたえがあったのでそれを使い回しました。
Aさん ウェブテストは先輩からもらった問題や答えで対策をしました。テストセンターは12月のインターンシップの選考時に受けて手間取った印象があり、実践で鍛えようと考えました。早い時期にテストセンターが課される企業に応募して、実際の問題を数回解いて慣れていきました。
Dさん テストセンターの存在を知ったのは、企業から「受けてください」という連絡が来た5月頃。それまで全く対策をしていなかったので、急いで問題集を購入し、ひたすら解きました。それでも7割ぐらいの企業はテストセンターで落ちました。3年生には早めに対策を始めることをお勧めします。
Cさん ゲーム感覚で取り組んでいました。テストセンターは就活生100人以上が参加するLINEグループがあり、出た問題をシェアしていました。テストセンターが終わったら問題を思い出して書き込んで、と。
話す姿を動画で撮ってみた
――面接はどうですか?
Cさん 面接はとにかく場数を踏むことだと思っていました。大手企業の面接解禁となる3月以前に中小企業を受け、場に雰囲気にのまれないようにしました。そして常に面接では、担当者を笑わせようと考えていました(笑)。また、一番役立ったのは、志望企業の社員の方がアドバイスしてくれたこと。社員懇談会などに参加すると「君の強みは○○では?」と社員の方が指摘してくれたので、実際の面接でもそれを使っていました。
Aさん インターンの応募時に動画で自己PRを送る企業があり、自分を客観的に見るにはいい方法だと気づきました。本選考前には自己PRや志望動機などを話す姿を動画で撮ってみて、分かりにくい表現はないか、変な癖はないかなどをチェックしていました。質問に対しては簡潔に答えて、(一方的に話す)スピーチにならないように心がけていました。
Dさん 先輩から「人の笑顔を見て、不快になる人はいない」とアドバイスをもらったこともあり、面接では笑顔で答えることを意識していました。面接が進んでも基本的には同じような質問をされるので、面接終了後はすぐに回答をメモしておき、次回以降の面接で違ったことを言わないように気をつけていました。
4人の先輩たちの採用選考対策はいかがでしたか。面接対策では、場数を踏むことや動画で自分を客観的に見ること、笑顔を意識して回答したことなど、それぞれが工夫して取り組んでおり、参考になるのではないでしょうか。第3回は面接のグループディスカッション対策、就活を振り返って「やっておいてよかったこと」「やっておけばよかったこと」などについて聞きます。
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