内定者座談会(下) 自分の「将来ビジョン」を伝えた
就活リポート2017(6)
2017年春入社予定の新卒内定者4人による就活座談会の第3回。前回は選考対策について聞きました。今回は面接のグループディスカッション対策や内定獲得、就活を振り返って「やっておいてよかったこと」「やっておけばよかったこと」などを語ってもらいました。
Aさん(男性) 私立大学(理系) 内定先:食品
Bさん(女性) 私立大学(文系) 内定先:航空
Cさん(男性) 私立大学(文系) 内定先:総合商社
Dさん(男性) 私立大学(文系) 内定先:銀行
――学生から「面接のグループディスカッション(GD)やグループワーク(GW)は難しい」という声を聞きます。どのように対策をしましたか?
Aさん GDは6回ぐらい体験しました。特に対策していませんでしたが、大学のサークルが大人数で、その中で自分の意見を言うことに慣れていたのは強みでした。また、自分はリーダーシップをとって、みんなの意見を引き出すのに長けていると自覚しているので、GDでもその役割に徹していました。もちろん、いろいろな適性があるのでリーダーでなくてもいいのですが、自分の適性を事前に知っておき、GDやGWではそれに合った役割をすればいいと思います。
Cさん 企業の採用担当者がディスカッションをしている学生を見て、優秀な学生をスカウトするという採用イベントを利用しました。1日に10回くらいGDをするので練習には使えます。ただ、最後まで苦手意識が抜けず、何を評価しているのか、どう対応すればいいかよく分かりませんでした。それでも、サイトなどでどんなテーマが出たのかをチェックし、新企画を考えるテーマであれば、企画立案が得意な友人の協力も得て、事前にアイデアを練ってから参加しました。
Bさん GDで心がけたのは周囲の学生への気配りです。発言できない学生はいないか目を配り、そうした学生には「今こういう意見が出ていますが、○○さんはどう思いますか?」と話を振っていました。司会が大変そうだったら何か手伝うことはないかも探していました。それが要因なのかは分かりませんが、5社受けて4社通過できました。
Dさん GDは1社しか受けていませんが、場の空気を意識していました。周囲への気配りや笑顔でいること、矛盾した意見を指摘して、議論の方向性を戻したり。GDは我が強く、熱くなる学生も多いため、冷静な目を持つことが大事です。
3月上旬にホテルから内々定
――内定(内々定含む)はいつ頃出ましたか? 早期に出した企業は待ってくれましたか?
Bさん 内々定は3月上旬にホテルから、6月中旬に航空から出ました。ホテルには連絡を受けた時に7月上旬までに決めることを伝えて、承諾いただきました。航空の連絡があった後にホテルへ辞退を伝えたところ、引き止めはありませんでしたが、「どんな企業に入社するか」などのアンケートに回答するよう言われました。
Dさん 内定先は銀行ですが、5月中旬に1社、6月上旬に2社出ました。5月中旬の企業は幸いにも「待つ」と言ってくれました。現在は1社辞退しましたが、2社で決めかねています。いずれも内定者懇親会には参加してしまっているので、企業に辞退を伝えたら怒られるという覚悟はできています。外資系1社からも内々定をもらっており、今後の内定者懇親会に参加して入社先を決めたいです。
Cさん 6月上旬に銀行と総合商社から内々定の連絡がありました。まだどっちに行くか決めていません。仕事としては商社に魅力を感じるのですが、海外の治安に不安を感じてるので決めかねています。
Aさん 6月1日から約2週間で7社から内々定を頂きました。第1志望の選考が最後だったので、内々定をいただいた後、6社に辞退の連絡を入れました。辞退企業のうち1社からは「直接説明に来てほしい」と言われましたが、辞退すること以外に特に言うこともなかったのでお断りしました。
筆記試験対策は早めに!
――最後に就活を振り返って「やっておいてよかったこと」「やっておけばよかったこと」など後輩へアドバイスをお願いします。
Dさん 社員に直接会って話を聞くという、足で稼ぐ情報はかなり貴重です。本当に入りたい企業があれば、妥協せずにやったほうがいいでしょう。エントリーシート(ES)や面接は自分がどういう人間なのかを知ってもらうことが目的なので、話題の持って行き方や話し方は意識しました。面接担当者の質問を誘導できるぐらいまで練習しておけば十分だと思います。また、金融の面接では時事ネタを聞かれることもあったので、活字を読むことが苦手な自分は毎日テレビのニュース番組を集中して見ていました。やっておけばよかったことは、何と言ってもテストセンター対策を早めに始めること。筆記試験を甘く考えていると大変なことになります。
Cさん 事前準備は怠らず、そしてあまり悩みすぎないほうがいい。志望業界を最終的に1業界に絞るとしても最初は幅広く見ることも大事で、絞っていく過程で「なぜ○○業界に行きたいのか?」を分析すれば、面接で聞かれてもしっかり回答できます。
Bさん面接の最後に人事担当者が「言い残したことはないですか?」と聞いてきたとき、「自分は将来こうなりたい」というビジョンを伝えると、好印象だったように感じました。長期的な視点でその企業で働くことを考えておくほうがいいでしょう。一方、筆記・ウェブテスト対策は就活解禁前に終わらせておいたほうがいいです。3月の解禁後はやることがいろいろあって、忙しくなりました。事前に終わらせておけば、ES・面接対策にじっくり取り組めます。
Aさん インターンシップは参加して良かったです。メーカー志望の場合、工場や研究所見学もあって、社員の方と話すことによって働くイメージをつかむことができました。面接ではそのイメージを志望動機や将来の夢として伝えました。行きたい業界や企業が明確にあるならば、少し長期のインターンに参加することをお勧めします。また、業界・企業研究において直接企業に話を聞きに行くことは大事ですが、企業はたくさんあるのでそれには限界もあります。ネットで情報を集めるために、情報の正確さに対して取捨選択できる目を鍛えておいたほうがいいです。
――皆さん、ありがとうございました。残りの学生生活を楽しんでください。
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