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オリンピックやW杯の
応援ソングはどう決まるのか

オリンピックやW杯の応援ソングはどう決まるのか
authored by 日経エンタテインメント!

 テレビや映画などエンタテインメント作品をチェックしていて思う素朴な疑問について、当事者や専門家に直撃したり、独自のデータ調査などで真相を明かす大疑問特集。テレビ業界編、CM業界編に続いて、音楽業界編をお届けする。

疑問1:ライブのスタート遅れ、払い戻しの可能性は?

 2016年2月13日にさいたまスーパーアリーナで10年ぶりの来日公演を開催したマドンナ。その公演内容より話題になったのは開始時間の遅れ。開始予定は午後7時だったが、実際にマドンナがステージに立ったのは午後8時56分。約2時間の遅れにより、終電を気にして泣く泣く途中で席を立つファンも多かったようだ。

 こうしたケースはチケット払い戻しの対象にならないのだろうか。ライブを主催するプロモーターで構成されるコンサートプロモーターズ協会によると「そうした規約は設けておりません。事情や状況によりケースバイケースでの判断となります」とのこと。開始が遅れても、ライブが開催されれば払い戻しになる可能性は極めて低いようだ。

 ただ台風や雪などで公共交通機関が止まってしまい、「多くの来場者が会場に到着できなかったケースでは払い戻されたこともある」という。

2016年3月にオーストラリアのメルボルンで開催されたマドンナの同ツアーのライブはなんと4時間遅れ。開場予定は午後8時30分だったが、深夜にようやく開始。 (イラスト:松嶌篤志)

疑問2:K‐POPガールズのグループブームは去った?

『Apink』 最新シングル『Brand New Days』がアニメ『リルリルフェアリル~妖精のドア~』(テレ東系)の主題歌に

 11年末にNHK紅白歌合戦に出場したKARAが活動停止となり、テレビの歌番組でもほぼ目にすることがなくなったK‐POPガールズグループたち。ブームは一段落しているのだろうか。

 KARAと同年に紅白歌合戦に出場した少女時代は14年にメンバーが1名脱退し、8人グループとなったが人気は継続。15年末にはツアーを開催し、さいたまスーパーアリーナ2日間など収容1万人を超える会場を満席にしている。

 続く存在として日本で知名度を上げているのが「妖精」をコンセプトにした6人組のApink。15年2月には約5000人を収容する東京国際フォーラムホールAでライブを開催した。その特徴を「女子高生を中心に10代の女性ファンが多いこと」とApinkを手がけるユニバーサルの阿部誠氏は語る。女性ファッション誌『NYLON JAPAN』(15年7月号スペシャルエディション)の表紙を務め、女児向けアニメの主題歌を歌うなど同性へ訴求する活動が続く。セクシーな振り付けが話題の7人組AOAやヘルメットをかぶるなどコミカルな衣装の5人組CRAYON POPなど個性豊かなグループも後を追い、このジャンルは根強い人気が続きそうだ。

疑問3:オリンピックやW杯などスポーツイベントの応援ソングはどうやって決まるの?

『GLIM SPANKY』 松尾レミ(左)と亀本寛貴(右)の2人組。ブラインドサッカーの日本代表公式ソング『NEXT ONE』を歌う。写真は15年10月の公式ソング発表会の模様。中央は加藤選手

 2016年8月に開催されるリオ五輪や、次は18年にロシアで行われるW杯。本国では公式ソングが設定されるほか、日本ではNHKリオ五輪テーマソングに安室奈美恵の『Hero』が決定したように、テレビ局ごとに応援ソングが用いられるケースが多い。これらの楽曲はどうやって決まるのだろうか。

 「公募が行われて、短期間で楽曲が多くの層の耳に届くため、各レコード会社は積極的に手を挙げます。伝えられるのは当落の結果のみです」(音楽業界関係者)

 ちなみに、公式ソングが個人の判断で決定するケースもある。男女2人組のGLIM SPANKYは全盲の選手がアイマスクを着けて行う5人制サッカー「ブラインドサッカー」の日本代表公式ソングを歌う。協会の事務局長が、彼らの60~70年代のロックをほうふつとさせる骨太なサウンドに共感。ギターの亀本が学生時代にサッカーをプレーしていた縁もあり、長期間のタッグが決定したという。

疑問4:高品質CDっていろいろあるけど、どんなCDが売れているの?

『カインド・オブ・ブルー』 マイルス・デイビスの1959年の名盤。13年9月にBlu-spec CD2化された。(ソニー/1800円・税別)

 1999年に規格化されたSACDはCDと同サイズのディスクに、より多くのデータを記録したもの。音質は向上するが専用の再生装置が必要なため普及は進まなかった。現在の主流は通常のCDと同じデータ量ながら、盤面の素材とカッティング技術に工夫を凝らし、本来の音源データをより忠実に再生できるようにしたもの。通常のCDプレーヤーで再生可能だ。SHM‐CD、HQCDなどが出されてきたが、一番新しい規格はソニー・ミュージックエンタテインメントが2012年12月に製品化した「Blu‐spec(ブルースペック) CD2」だ。

 Blu‐spec CD2の購入者は「40代が一番多く、次いで50代」とソニー・ミュージックマーケティングの兼平裕巳氏は話す。購入者層の属性を考慮し、70~90年代の洋楽・邦楽名盤を再発するケースが多い。マイルス・デイビスの『カインド・オブ・ブルー』やキャロル・キングの『つづれおり』は安定的に売れ続けているという。また新譜でもクラシック、ジャズのジャンルではBlu‐spec CD 2で発売されるケースもある。
(日経エンタテインメント! 伊藤哲郎)[日経エンタテインメント! 2016年5月号の記事を再構成日経電子版2016年5月19日付]

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