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新しいアイデアの生み出し方 ~SNSを遠ざけてみよう

僕ら流・社会の変え方(18)

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NIKKEI STYLE

前職が広告会社の博報堂だったこともあり、多くの方々によく聞かれることがあります。それは「アイデアはどこから生まれるのか?」ということです。今回は、僕の経験から、どうしたら「社会を変える」アイデアを生み出すことができるのか、どんな準備が必要なのかについてお話ししたいと思います。

異なる価値観に触れる

博報堂時代、先輩方から、クリエイティブな発想をするための方法について多くのことを学びました。なかでも衝撃的だったのは、「アイデアは既存のものの組み合わせでしかない。組み合わせが面白く、かつ生活者の心をとらえるものであれば、それが世の中に新しく生み出す価値になる」というものでした。

すなわち、アイデアは突然の思いつきから出てくるものではなく、普段から溜め込んでおいた大量のストック(ネタ帳)の中から探して、様々な方法で組み合わせることでつくられるということです。アイデアをつくるために実践したのは、机の左から右にネタを並べ、その組み合わせから100のアイデアを考えるというものでした。100も組み合わせれば、その中でいくつかは斬新な、いいものが生まれるのです。

よりクリエイティブなアイデアを生み出すには、より多くの経験をし、ネタを持っておくことが肝要です。なぜならば、その経験が多様であればあるほど、組み合わせられるパターンも増えていくからです。だから、僕がいつも心がけていること。それは、常に「趣味嗜好の異なる人たちに話しかけること」です。仕事でもなるべく自分と価値観の違う人とチームを組むようにしています。飲み会もそうです。自分にはなかった考え方や価値観を持つ人とたくさん話すことで、今までの自分の価値観と合わさって、さらに新たな考えが生まれてくるのです。

情報を狭めるソーシャルメディア

逆に、僕が最近少し遠ざけているものがあります。ソーシャルメディアです。スマートフォンの普及によって、どこでもSNSを見ることができるようになり、誰でも気軽に他の誰かと繋がることができる時代になりました。一見、自分の見える世界が広がっているように感じます。しかし、本当にそうでしょうか?

例えばフェイスブックのタイムラインには、自分の「友達」の中からいつも同じ人のみがカスタマイズされて表示されます。ツイッターは、基本的に自分の友人か自分が気になる人しかフォローしないものです。また、グーグルなどの検索結果は、これまでの検索結果や嗜好などをもとにコンピューターによって判別され、一人ひとり異なる項目が表示されるようになっています。

すなわち、ソーシャルメディアなどは自分の世界を広げてくれているようでいて、実は、そこからは、コンピューターのアルゴリズムによって限られた情報しか届かないようになっているのです。これは、「フィルターバブル」と呼ばれています。(「何から始めるか(1)~書を捨て、SNSを捨て、まちへ出よ!」を参照してください)

一人ひとりの嗜好によってカスタマイズされた情報だけを日々受信している僕らは、次第に考え方が偏ってしまう危険性すらあり、先ほどの論理でいうと、そこから新しいアイデアは決して生まれません。

直接的なコミュニケーションが生み出す新しいアイデア

ではどうすればいいのでしょうか? それは、やはりとにかくまちに出かけることです。ひとたびまちに足を運んで見ると、そこには泥まみれになって遊ぶ小学生から放課後仲間とたむろする中学生、デートで訪れている学生、小さい子どもを連れた母親、休憩中のサラリーマン、仲の良いお年寄りの夫婦など、多種多様な人たちに出会います。そうした人たちと一言でもいいから話してみると、今までと違った考えを得ることができるのです。学生だったら、なるべくいろいろな企業やNPOにインターンしてみればいい。思い切って知らない国に出かけてみるのもいい。久しぶりにおじいちゃんの家に訪れてみるだけで、何か新しい発見があるでしょう。

あるいは、僕のやっている「グリーンバード」というごみ拾い団体に参加してみれば、そこに住んでいる人、働いている人、学んでいる人など、実にいろいろな人に出会います。そういう人たちに話してみると、町会・自治会の事情、会社の事情、まちにある課題からそれぞれの世代で最近流行っていることまで、普段出会わない様々な情報を手にすることができます。そこで得た情報を組み合わせて、いろいろと発想してみると、これまでとは違ったものが生まれるでしょう。

この連載を読んでくれている方の中には、将来「社会課題の解決」を仕事にしたいと考えている人もいると思います。学生団体やNPOをつくるなど、すでに動いている人も多いかもしれません。そんな人には、今のうちは大いに遊んで、時には学んで、また、分野の異なる人と出会い、ふつうの人たちがどういう風に暮らしているのかを肌で感じることをおすすめします。いつしか自分が解決するべき社会課題に出会い、それに向き合うとして、その原動力は、また大きなうねりをつくるのは、ふつうに暮らす人たちなのですから。

横尾俊成(よこお・としなり)
 NPO法人グリーンバード代表/NPO法人マチノコト代表/港区議会議員(無所属)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。早稲田大学大学院修了、広告会社の博報堂を経て現職。まちの課題を若者や「社会のために役立ちたい」人の力で解消する仕組みづくりがテーマ。第6回、第10回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。著書に『「社会を変える」のはじめかた』(産学社)、『18歳からの選択 社会に出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)。
HP:http://www.ecotoshi.jp
Twitter: @ecotoshi

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