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コピーの先にオリジナリティがある ~できる先輩をマネしよう

僕ら流・社会の変え方(19)

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NIKKEI STYLE

大学生は夏休み中ですが、遊びの予定もそこそこに、就職活動に向けた活動やスキルアップのための留学、はたまた自分探しの旅に出ている方も多いかもしれません。就職活動に向けては、「自分の強みは何か」「自分のオリジナリティとは何か」について、この機会にじっくり考えてみようという人もいるでしょう。そこで今回は、僕なりの「自分らしさ」の確立の仕方について、お話ししたいと思います。

「自分らしさ」とは誰かのコピーの蓄積から生まれるもの

グローバル化が進み、AIが発達し、働き方が多様化し、「オンリーワン」の能力を磨けと言われているこのご時世。画一的な知識を覚えることを奨励されていた高校時代から一転、オリジナリティを確立することが求められる今の社会において、「オンリーワン」を見つけるための答えは、学校では教えてくれません。そんな中、僕もようやく最近、「オリジナリティとは、誰かのコピーの蓄積からにじみ出てくるものだ」ということに気づくようになりました。

大学時代までは、勉強したり、遊んだり、NPOに関わったり、留学したりしながらずっと「自分探し」をしていました。たくさんの場所に行き、多くのことを経験する中で、「自分だけしかできないことは何か」を探し続けましたが、答えはなかなか見つかりませんでした。それなりに得難い経験をたくさんしてきたので、就職活動ではそれをアピールして、あとは自分の夢ややりたいことをひたすら語り、気づけばあっという間に社会人になっていました。そして、たまたま配属された部署で、すごくカッコイイ先輩に出会います。

その先輩は、良いと思ったことはすぐに実現するタイプ。とにかく企画書を書いては実行に移し、考えると同時に何でも行動に移すような人でした。"やりたいことをためこむと、その時期を待っているうちに世の中が変わっていく。そして、どんどん「手遅れ」になってしまう。アイデアは、思いついたらどんどん試してみるべきだ"。

そんな風に語る先輩にすっかり惚れ込んでしまった僕は、まず先輩を徹底的にコピーすることを決め、毎日1時間早く出社して企画書を書いては提案をするというサイクルを続けることにしました。そして、アイデアを何度も上司にぶつけていくうちに、仕事の仕方やプロジェクトの達成方法、そして当たるアイデアの発想方法を次第に身につけることができました。結果、会社では賞をいただくこともでき、「走りながら考える」ことに加え、「精度の高い仕事をやり遂げる」ことを私の「オリジナリティ」の一つとして確立することができました。

コピーの中から身につけた"大きなうねりをつくり出す力"

私は現在、5年半務めた広告会社の博報堂を辞め、港区議会議員として仕事をする傍らで、NPO法人グリーンバードの代表を務めています。これもまたある先輩を徹底的に「コピー」した賜物です。会社員時代、会社の中にCSRの担当部署を作るべきだと考えた私は、例によって先輩とともに部署設立のための提案書を作成していました。その過程でグリーンバードの創始者であり、現在の渋谷区長(当時は渋谷区議でした)の長谷部健さんに出会います。勉強のつもりで参加した長谷部さんの講演会。それがあまりにも面白く、長谷部さんに惚れ込んでしまった私は、今度は彼のコピーを決意します。

まずは会社がある赤坂でグリーンバードの活動を行うところから始め、今では当時の彼と同じ「区議」として、働くことになりました。そんな長谷部さんからコピーしたこと、それは「プロデューサー」としての仕事の仕方です。いろいろな人が持っている「得意」の要素を少しずつ拾い集めて、面白いものをつくりだすことに長けている長谷部さんは人を巻き込む天才。自分自身に特別な能力が備わっているわけではないと思っていたからこそ、周りのメンバーが力を最大限引き出せる環境を整えて、結果的に大きなことをなし得ていく"プロデューサー"。そんな生き方をすることは、僕にとっても理にかなっていました。これが会社員時代に培った"何かを精度高く達成するスキル"と掛け合わされて、今の、人を巻き込み"大きなうねりをつくり出す力"になっていると感じています。

「完コピ」することが大事。自分らしさは必ずにじみ出てくる

コピーばかりしていると「自分らしさ」を探すどころか、自分の特徴がなくなってしまうのではないか、と危惧をする向きもあるかもしれません。しかし、どんなに誰かを徹底的にコピーしても、「自分らしさ」はどうしてもにじみ出てしまうものです。それがきっと育ってきた環境で培われてきた「個性」というものだと思います。

だからこそ、コピーをする際に思い切って試してほしいことがあります。それは「完全コピー(完コピ)」を徹底し、その人のやり方を自分のものにするということです。行動だけでなくその人の価値観に至るまでコピーしてみることで、それまで自分一人では到達し得なかった領域に踏み入ることができるからです。コピーする人の行動は、その人の価値観に支えられています。それらも含めてコピーしきることではじめて、赤の他人の行動パターンを体得することができるのです。コピーの積み重ねの先に、自分自身の成長と新しい価値観の発見があります。「完コピ」を続けた先に、自分らしさは必ずにじみ出てくるものです。

スティーブ・ジョブスも、パブロ・ピカソも、トーマス・エジソンも、イチローも、古くは孔子に至るまで、みんな真似から入ることの大切さを説いています。たとえば、ジョブスは、「ピカソは"優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む"と言った。だから私は偉大なアイデアを盗むことに関して、恥じることはなかった」と言っています。アイデアをコピーして、盗んで自分のものにするということですね。そのためには、まずは、まちに出て、自分自身で様々な経験をし、尊敬できる人「ロールモデル」を一人でも多くみつけることです。

特に、現代は様々な発明がしつくされていると言われている時代。まっさらな状態から何かを生み出すのではなく、既にあるもの同士を組み合わせることが新たな発明にもつながるようになってきています。まずは徹底的にコピーし、良いエッセンスをどんどん蓄積すること。そしてその先に、今の自分とは一味違った自分に出会えるのではないでしょうか。

横尾俊成(よこお・としなり)
 NPO法人グリーンバード代表/NPO法人マチノコト代表/港区議会議員(無所属)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。早稲田大学大学院修了、広告会社の博報堂を経て現職。まちの課題を若者や「社会のために役立ちたい」人の力で解消する仕組みづくりがテーマ。第6回、第10回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。著書に『「社会を変える」のはじめかた』(産学社)、『18歳からの選択 社会に出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)。
HP:http://www.ecotoshi.jp
Twitter: @ecotoshi

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