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ホテル経営を志したのは10歳だった

私のホテルの物語(1)

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NIKKEI STYLE

「ジャケ買いされるホテルを作りたい」

そう思ってホテル経営を志したのは10歳のことでした。

東京でも、インドでも、中国でも、アメリカでも、タイでも、どこの国のどこの都市でも客室の扉を開いた先にある光景が同じなのに辟易して、私にしか作れないホテルを作りたい。ラグジュアリーなホテルかビジネスホテルかの二択しかないこの社会で、新しいホテルを生み出したいと思いました。

北海道と京都でホテルを経営

20歳になった今、私は北海道と京都にホテルを立ち上げ、母と共同で経営に携わるようになりました。アパレルブランドがそれぞれ独自の世界観を築いているように、飲食店が社会の空気を織り込んで常に進化を遂げていっているように、ホテルももう少し「イマ」をおいかけていっていいと考えています。

例えば私たちがトレンドのカフェやサロン、セレクトショップなどにいって、「いい空間だわ~」と思う事ってよくありますよね。私はその感覚をホテルに持ってきたいんです。ホテルというのはいわば居住空間で1日のうち12時間以上過ごすこともある場所なのです。にもかかわらず「広いロビーがあって、シャンデリアが吊るされていて、大理石のタイルがしきつめられていて......」というクラシックな固定観念に支配されているか、あるいはかつてのビジネスホテルのように経済的合理性ばかりを追求してデザイン性やコンセプトを投げ打ったものがほとんどです。

そうではなくて、流行の最先端の街にあるお店のように、ファッション性の高い住空間を提案する場であってもいいのではないか。ネームバリューではなく、低価格でもなく、空間としての魅力で選ばれるホテルをもっと増やしたい。未だ道半ばですが、そういうホテルが当たり前にある未来をデザインしています。

恋はインスピレーション。多分将来の夢も

「将来の夢が見つからない、やりたいことが分からない」と嘆く人に、「龍崎さんはなんでホテル経営を目指したの?」と尋ねられることがしばしばあるのですが、端的に言って「直観」です。私は「恋はインスピレーション」主義者でして、結構「直感」を大事にしています。それは身の回りの人間関係だけではなく、スタッフのリクルーティングやビジネスパートナー選び、新店舗の立地の選定、そして事業の構想までもがそうです。直感を大事にしているというと、勢いとノリで生きている、といった印象を人に与えがちなのですが、直感というのは「点と点が線でつながったことの実感」なんだと思っています。

私は8歳の頃、半年だけアメリカに住んでいて、最後の1カ月を家族でアメリカ横断のドライブをしたことがありました。その時、私はほぼ毎日後部座席に寝転がって車の天井を見て過ごしていたので、日々の楽しみはその晩のホテルだけ。でも、どの街のホテルも期待を膨らませて部屋のドアを開けた向こうに広がっている景色は似たり寄ったり。「なんだ~」と、がっかりしてばかりでした。

また、私は小さい頃からモノを作ることが好きで、絵本を描いたり人形を作ったりして遊ぶことが多かったので、小さい頃の将来の夢はファッションデザイナーになることでした。ただある時、お絵かきをしていると毎回毎回服がワンパターンになっていることが発覚し、「自分がデザインしたいのは服飾ではないんじゃないか?」と気づいてしまいました。店舗デザインや雑貨デザインなど、色々考えてはスケッチブックを埋めていたのですが、「じゃあファッションデザイナーにならないんだったら何のデザイナーになりたいの?」と悶々とすることもしばしば。

本を読んで、ホテル経営を志望

小5のある日、「ズッコケ三人組 ハワイへ行く」という本を読んでいると、そこにハワイでホテルを経営している日系人のおじさんが登場して、「あ、うちもホテルの経営者になりたいわ」と思い、その場で決めました。その作品に出てきたホテルを経営しているおじさんは、その作品の中で大きな役割を持っていたわけではありませんでした。しかし、「ホテルの経営者」という職業がある、という事実を目の当たりにして、私の中の既存のホテルに対する不満と、デザインするのが好きという嗜好が一本の線で結ばれました。そのとき、「ホテルの経営者になろう」と唐突に、そして確固たる想いとして決めたのでした。

「将来の夢が見つからない、やりたいことが分からない」という人は、とても多いと思います。大学生の方はもちろん、社会人の方にも、「将来の夢が定まらないので龍崎さんのアドバイスが欲しい」という相談を今まで受けてきました。

そんな時、私は「やりたいこと探し」を恋愛にたとえて話してみます。「好きな人が欲しいな~」と思って色々漁っている時ほど、「でもこの人は顔が......」とか「この人は将来性が......」「この人は価値観が......」と、自分の中の軸がぶれてしまいがちです。その結果、そもそも「自分は恋人に何を求めてるんだっけ!? そういえば何で恋人欲しいんだっけ!?」となってしまうというのは割と共感していただけると思います。それと同じで、あれこれ漠然と将来の夢を当たってみても「待遇が......」「リスクが......」「適性が......」「そういえば本当にしたいことってなんだったっけ!?」となるのではないでしょうか。

自分が好きなこと、自分に向いていること、自分の送りたい人生......。「点」は誰しもの中に無数にあります。「就活が始まるまでに将来の夢を決めなきゃ!」と、がっつく必要はないと思います。点と点が結びつく出会いが起きるまで、腐らずに、目の前にあることを精一杯こなして精一杯人生を面白くしていってみてはどうでしょうか。感性を研ぎ澄ませて無我夢中で「今」を追っているうちに直感が訪れる日がくるはずです。そして、もしホテルプロデュースに興味のある方がいましたら、ぜひ私までご連絡ください。

次回は私が東大に入学して、ホテルを富良野で立ち上げるまでについてお話ししたいと思います。

龍崎翔子
ホテルプロデューサー。東京大学文科2類2年(在学中)。大学1年の終わりに母親と共同で法人を設立し、北海道・富良野でホテルの経営を始め、事業を拡大、2016年4月に京都で2号店を開店した。「ジャケ買いされるホテルを」をモットーにソーシャルホテル、テラスハウスなどのプロデュースを行っている。

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