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ツイッター語学勉強法(1)字数制限があるから表現が洗練される

オリビア・フェアベーン authored by オリビア・フェアベーン東京大学4年
ツイッター語学勉強法(1) 字数制限があるから表現が洗練される

 こんにちは。東京大学4年のオリビア・フェアベーンと申します。2012年から国費留学生として日本に留学しております。私は初対面の方とお話している時、「ええー! 留学生なの?! 日本人とのハーフかと思ってた!」と、よく言われます。言われる度に嬉しくて内心にやにやしますが、今回は私がどうやって日本語を勉強したのかについて簡単に話してみたいと思います。

 授業を受けたり、教科書を暗記したり、いろいろやっていましたが、私の一押しは「ツイッター勉強法」です(あくまでも個人の意見だということをご理解の上読んでいただければ幸いです!)。

ツイッター勉強法の3つの利点

 ツイッター勉強法とは、その名の通りツイッターに投稿して日本語を勉強することです。つまり、大したことはしなくて、ただツイッターをやるだけです。ツイッターをやることのどこが勉強なのだ? と思われる方も多いかと思いますが、ツイッターを使うことの利点を述べていきたいと思います。

①日常の表現を覚える
言語の表現というのは、いくら暗記をしても使わなければ身につかないものです。そこで、私がツイッターを利用して日本語を覚えようとしていた時に心がけたのは、「なんでもいいから、面白いことや心に響いたことがあったらツイッターに書く」ということです。たとえば、「夕日がすごく綺麗」とか、「信号無視してつっこんできた車がいてビビった...」など。こういうフレーズは一般的な言語の教科書には載っていませんので、投稿する時に一々調べながら作文をしていきます。こうして、身近な出来事に関する表現をだんだん身に付けていきました。

 これを長く続けていくうちに、日常的にあったことを日本語に変える習慣が身につき、さらに長く続くと、日本語で思考できるようになっていきました。よく「頭の中で何語で考えてるの?」と聞かれますが、これは留学生の中でも日本語で考えている人と、母国語で考えてから日本語に訳している人の二タイプがいるようですが。私は頭の中でツイッターの文章を考える習慣が残っているおかげか、日本にいる時はずっと日本語で考えています。

思わず「綺麗な黄色の絨毯!」とつぶやきたくなる秋の東大

②表現が洗練される
ツイッターをやったことのある方はお分かりかと思いますが、ツイッターには一つの投稿につき140文字制限があります。すなわち、書きたいことをただ書き連ねていけばという仕組みにはなっていません。140文字の制限があるので、字数オーバーになってしまわないよう言葉を取捨選択していく必要があります。

 例えば、「最初のシーン泣いた」を「冒頭泣いた」に言い換えたり、「はじめて聞きました!」を「初耳です!」に言い換えたりといったような工夫が必要です。大したことないように思われるかもしれませんが、自分の分かる単語だけに頼って作文することを有効に防いでくれる仕組みだと考えています。それは日本語だけでなく、他の言語でツイートする時にも当てはまるのではないかなと思います。そうすることによって、語彙が段々増えて行くのを実感できます。

③相手に言葉を届けたくて考える
ツイッターはSNSですので、誰かをフォローし、フォローされると「フォロワー」という存在ができます。インターネットのおかげで、海を越えなくても、勉強したい言葉のネイティブ話者とつながり、フォロワーとなれるのです。このフォロワーたちのタイムラインには自分のツイートが流れますので、独り言と違って、自分の言葉に対して聴衆が存在し、更には上手く行けばその聴衆が話し合い手になり得ます。

 そのため、「間違ってないかなぁ、伝わるかなぁ」と考えて自然に表現をしっかり練りますし、ネットで「ネイティブってこんな言い方するのかな?」と調べるようになります。それをそのまま作文に役立てます。相手が存在すると、学習や練習のモチベーションが自然と上がります(外国人と恋愛をすると言葉が上達するのと同じ原理ですね!)。もちろん、独り言用のアカウントなどで自分しか見てない状況だと話は別になりますが、上記の理由で私はフォロワーを作ったほうが絶対いいと考えています。

中学生の頃ジャニーズにはまって、日本語もわからないのにコンサートに行った時に作ったうちわ。こういう機会が「もっと理解したい!」と思わせてくれたのかもしれない

英語を学ぶ日本人にもオススメ!

 以上、私がやっていたツイッター勉強法について書いてみました。もしかしたら画期的な暗記法や絶妙な語呂合わせの仕方などでなく、ガッカリした方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり言葉は暗記ではなく使うことでしか上達しないと思います。SNSを使うのが最も生身の言葉の習得につながると私は考えています。

 私の場合日本語の勉強に役立てましたが、他の言語でも役に立つと考えていますので、外国語を学ぶ日本人学生にもお勧めします。たとえば英語なら140文字の制限は1アルファベット=1文字としてカウントされます。日本語よりも制限が厳しく感じられますが、それによって長ったらしい教科書の言い回しから逃れられたり、ネイティブが使う略語を身に付けたりできます。略語というのはほとんどが実際の会話で発する音に沿った構造になっているので、文字を通して会話のイメージをつかむことができます。

 ただ、この勉強法を使うと、一つだけ大きな後遺症が残る可能性があります。ツイ廃(ツイッター廃人=異常に長い時間ツイッターを使っている人、ツイッター依存症)になってしまうことです(笑)。なので、もし少しでもやってみたいと思ってくださった方は、ツイ廃にならないよう最初から意識して、時間制限をかけながらお試しください!

高校時代のクラス写真。この時はまだ日本語が下手でした(笑)