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日経カレッジカフェmeetup
平井幸奈さん「わたしがカフェを開くまで
~好きなことを仕事にするには」開催

日経カレッジカフェmeetup平井幸奈さん「わたしがカフェを開くまで~好きなことを仕事にするには」開催

 9月9日、日経カレッジカフェは会員向けイベント「日経カレッジカフェ meetup わたしがカフェを開くまで~好きなことを仕事にするには」をSPACE NIO(日本経済新聞社2階)で開催しました。

 プログラムは日本初のブリュレフレンチトースト専門店「ForuCafe」を東京・早稲田に立ち上げ、日経カレッジカフェでも好評連載中の平井幸奈さんのトーク「わたしがカフェを開くまで」と、会場の皆さんとの質疑応答です(司会:雨宮百子)。

 前半は、早稲田大学の学生だった平井さんがフレンチトーストと出会い、ForuCafeを開店し、グラノーラやバル、ドラフトコーヒーを手掛ける現在までを語ってくれました。ForuCafeはちょうど開店3周年。朝、1限の授業に出てからお店をオープンさせる毎日で学業との両立にがんばったこと、材料の調達や資金繰りで苦労したことなど、カフェの経営に奔走してきたエピソードに、会場の皆さんも真剣に聞き入っていました。

 ※日経カレッジカフェ連載はこちら
「わたしがカフェを開くまで」
「ドラフトコーヒー物語」

 後半は、会場の皆さんからの質問に平井さんが答えます。起業を考えている学生からも質問が相次ぎました。

◇   ◇

まずは小さく始めてみる!

――平井さんの一日はどういうスケジュールですか。

 「学生だったときは、朝授業に出てから1日じゅうお店に立って、事務作業をして寝る日々でした。卒業した今は、朝型なので4時とか5時に起きて、ジムに行ってから仕事です。お店の現場の仕事よりは、次の事業の計画や打ち合わせなど、経営者としての仕事が中心になりました。8時には仕事が終わって、その後は自由なので、恋愛をする時間もあります!(笑) それでも普通に生活できるだけの収入があって、スタッフにもお給料を払えているので、時間を有効に使えているのではないかと思います」

――私はカフェで働いています。平井さんの行動力はどこからくるのですか? またカフェを開きたい人にアドバイスはありますか。

 「小さい頃は、食べることは大好きでしたが、自分でカフェを開くとは思っていませんでした。中学では陸上部に所属。一生懸命勉強して入った高校では、勉強では勝てないけれどダンスなら負けないと思って、部を立ち上げてがんばりました。何かを極めたくてのめりこみやすいタイプで、いろいろなことに挑戦して自信をつけてきました」

 「カフェを開くにあたっては、単発のイベントやボランティアでカフェを始めていたことがとても役立ちました。普通3割ぐらいに抑えなければならない原価率を6割にしてしまったりとか、いろいろと失敗したことも貴重な教訓でした。まずは小規模でも仕事の流れと基本を知って、実績を積むことが重要。やってみたいことがあれば、ビジネスを始める前に、まずボランティアでも何でも小さくやってみるとよいのではないでしょうか」

 「もう一点、カフェを開いても、お客さんはなかなかいきなり来てくれません。開店したお店も3年続くのは3割しかないといわれます。事前にできるだけの準備はしておきたいですね。私の場合、ForuCafeを立ち上げるときには、それまでにSNSなどで私のフレンチトーストを知ってくれている人が何百人もいたのが大きかったです」

――大学のとき、オーストラリアのパンケーキで有名なカフェ・ビルズでインターンをされましたが、言葉の壁はありましたか?

 「はい、壁はありました! もともと英会話は特に得意というわけでもなかった上に、最初はキッチンでの英語がわからず困りました。現地のスタッフに「ハカリをください」と言おうとして、『ハカリ(scale)』という単語がとっさに思い出せず、『重さをはかるための器具をください』といって「ハア?」と怪訝な顔をされたり。そこで、キッチンで使う英単語の本を買って、それを暗記して自分でも覚えた単語を使うようにしました。最後には、スタッフともジェスチャーでも許してもらえるような関係を築けたこともあり、なんとかなりました」

――カフェの経営と大学生活の両立は大変だったと思いますが、大学に行った意義はありましたか?

 「確かに時間的には毎日大変でした。経営については実地で失敗しながら学んだことがほとんどで、学校で学んだことは直接役には立っていないかもしれません。でも、大学の広告研究会でPRをしてもらったり、担当教授の集まりでカフェを使ってもらったり、大学で得たつながりにはとても助けられました。また、開店当時は学生がやっているカフェということで、テレビなどメディアによく取り上げていただき、宣伝になりました」

――どのように人脈を作ってこられたのですか。

 「人脈を作ろうと思って作ったわけではなく、実際そんなに人脈が豊富とはいえないかもしれません。でも周囲の人には恵まれていて、開店以来3年かかって、応援してもらえる関係を築いてこられたのではないかと思います。人脈作りのために交流会に行ったりすることはしていません。それよりも、お目にかかった人には後からご挨拶の連絡をする、何かアドバイスをもらったら即実行して、『アドバイスいただいた通りやってみたら、こんなふうにうまくいきました』と必ずご報告することを心がけています」

食で人を幸せにしたい

――カフェやグラノーラ、バル、コーヒーなど、いろいろと仕事の幅を広げていらっしゃいますが、ForuCafeならではの工夫やこれからの目標はありますか?

 「そこが一番重要です。『3年間残る店は3割、10年で1割、繁盛店は1%』といわれます。ForuCafeの近くの店も、どんどんテナントが変わっていくのを見ると、常に新しいアイデアを出していかないとダメだと感じていて、普段からアンテナを張って考えています。フレンチトーストは『ビジュアルと食感』、コーヒーは『若い女性がごくごく飲める軽さ』など、商品はどれも私やスタッフがいいなと思ったコンセプトとアイデアを実現しています」

 「ForuCafeを3年間続けてみて、飲食店はやはり地元の人々に親しんでもらわないといけないと実感しています。ForuCafeのある早稲田の街と学生に愛されるよう、ForuCafeファンの早大生に『アンバサダー』になってもらう制度を作って、一緒にイベントを企画したり、PRを手伝ってもらったりしています」

 「実はお店でフレンチトーストを食べ過ぎて太ってしまったとき、通い始めたジムでズンバというダンスエクササイズにハマりました。ズンバスタジオを作ろうと事業計画書まで書いたのですが、スタッフに止められました。これからも、あくまで『食を通じて、あらゆる人々を幸せにする』ことを柱に、新しいことに取り組んでいきたいと思います」

◇   ◇

 1時間以上に及ぶ質問タイムが終了して解散です。参加者にはForuCafeグラノーラ小パックのおみやげがありました。平井さん、出席いただいた会員の皆さん、ありがとうございました!

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