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大学生観光まちづくりコンテスト2016青森ステージ~北海道新幹線開通を観光に生かそう

大学生観光まちづくりコンテスト2016 青森ステージ~北海道新幹線開通を観光に生かそう

 これまで参加学生のリポートなどを掲載してきた「大学生観光まちづくりコンテスト」(観光庁、文部科学省など後援)の本選が、9月上旬から各地で開催されました。今年で6回目となるこのコンテストは、大学生が自分たちで考えたいろいろな地域の観光振興のアイデアを競うイベントです。「日経カレッジカフェ」も昨年度から広報面で協力しています。今年は青森、金沢、甲府、大阪、大分の全国5会場で、95大学計216チームが参加。まずは皮切りとなった9月6日の「青森ステージ」の様子を紹介しましょう。

9大学10チームが熱いプレゼン合戦

 青森ステージの会場となったのは青森駅前の「ねぶたの家 ワ・ラッセ」。青森ねぶたの展示をする市営の文化観光施設です。ステージの参加総数は14大学35チーム。この中から書類審査による予選を通過した9大学10チームが、会場での10分間のプレゼンテーションによる本選に臨みました。惜しくも本選出場を逃したチームにも会場の別室で行われるポスターセッションでの発表の機会が与えられています。

VR用カメラとゴーグルを付けて登場した九州国際大学の2人

 コンテストの対象地域は、北海道新幹線が今年3月に開通したことを契機に函館との観光連携を強めようとしている青森県の全域です。テーマは、①北海道新幹線開業に伴う周遊型「観光まちづくりプラン」、②青森の冬を楽しむ「観光まちづくりプラン」、③青森の魅力を活かした滞在型「観光まちづくりプラン」、のいずれかを選ぶ形でした。

 午前11時、緊張した面持ちの各チームのリーダーが壇上に勢ぞろいし、チーム紹介の後、掛け声と共に一斉に右手を突き出して気合を入れました。いよいよ、成果発表です。トップバッターは地元、青森公立大学の「青函調査隊」チーム。青森県東部の八戸市を取り上げたのですが、ありがちな観光名所とグルメの組み合わせではなく、あえて同市の臨海工業地帯に目を付け、30~40代を中心とした「工場萌え」の人たちに工場の景観の美しさを訴え、新たな観光資源とするという意欲的なプランです。

観光資源を活かした体験型ツアーを売り込め

 ユニークなプレゼンも続きました。九州国際大学「タビセス」の2人組みは頭にVR(仮想現実)用のカメラとゴーグルを付けて登場。青森県までの新幹線での旅の途中にVRゴーグルで観光の事前体験をさせ、実際の観光では参加者のリアルの体験をカメラで撮影してもらいSNSに投稿してもらうという、若者などSNS利用者にターゲットを絞った企画でした。あでやかな浴衣姿で登場した青森大学「青大ナイン」チームは、台湾人女性を対象に日本の「美」をテーマとした滞在型プランを発表。温泉やタラソテラピーで外見を、博物館巡りや自然の鑑賞で内面をそれぞれ磨くという「青森で美を体験!」プランを提案しました。

青森大学の「青森ナイン」は浴衣姿で「青森の美」をアピール
緻密なまちづくりプランを発表した明治大学「歌代ゼミ青森支部」

 観光まちづくりコンテストの常連校も質の高いプレゼンを披露しました。明治大学「歌代ゼミ青森支部」は、魚介類や野菜など食材の宝庫といわれる県最西端の深浦町を取り上げ、料理学校や調理師専門学校と提携した食がテーマの研修旅行を提案。「実現性の高いプランだ」と審査員から評価されました。跡見学園女子大学の「村上ゼミ3年 teamゆきんこ」はチーム名のように「雪の青森」を体験するツアーを企画。雪を喜ぶ台湾からの観光客向けに農家に民泊してもらい、雪かき体験で地元住民と交流するプランなどをパフォーマンスも交えて元気よく発表していました。

最高賞は明治大学「市川ゼミ青森班」に

 各チームの熱演が終わり、審査に入ります。審査は東北運輸局や青森県の観光行政担当者、県観光連盟やJTBの観光関係者など計6人の審査員が新規性・創造性、効果、実現可能性、フィールドワークの4つの観点で評価しました。青森県知事賞、青森県観光連盟賞など各賞の発表の最後に、いよいよ最高賞である観光庁長官賞の発表。栄冠を勝ち得たのは、「三しょく兼備~津軽で楽食しへんが??~」を発表した明治大学「市川ゼミ青森班」でした。

跡見学園女子大学「teamゆきんこ」は参加者投票の「パフォーマンス賞」を受賞
よどみのないプレゼンを行った明治大学「市川ゼミ青森班」

 五所川原市で1日店員になるなどの職業体験、メバル料理で知られる中泊町での調理体験、津軽鉄道のカラフルなトレインマッピング列車体験を組み合わせた家族向けツアーがその内容です。「職」「食」「色」の3つの「しょく」を兼ね備えるというのがミソ。「現地での延べ滞在日数45日」(同チーム)という労作で、綿密な事業化プランやよどみのないプレゼンは審査員をうならせていました。

弘前大学のチームがポスターセッション優秀賞を受賞
「観光庁長官賞」を受賞した明治大学「市川ゼミ青森班」

 チームリーダーの青野悠里子さん(政治経済学部3年)は「ゼミの先輩たちが何度も観光庁長官賞を取ったのでプレッシャーもありましたが、チーム6人全員の力を合わせてがんばりました。この体験はこれからの人生に絶対役立つと思います」と興奮気味に話してくれました。

 他の地域のコンテスト本選の様子は「日経カレッジカフェ」で順次、紹介します。

青森ステージ 本選出場チームとタイトル(発表順)
・青森公立大学/青函調査隊 「この愛を鋼のロマンに捧げる~八戸の文化と歴史を添えて」
・明治大学/市川ゼミ青森班 「三しょく兼備~津軽で楽習しへんが??~」 「観光庁長官賞」「クリエイティブ賞」
・帝塚山大学/寺地ゼミ 「下北半島・湯治の旅」
・九州国際大学/タビセス 「地域応援型VR動画投稿サイト TABI-CESS」
・青森大学/青大ナイン 「Aomori 美inbound Plan~日本の美を知る四季の旅~」 「青森県観光連盟賞」
・弘前大学/嶽のまち育てプロジェクト 「シェアから始まる物語」
・明治大学/歌代ゼミ青森支部 「『食』を活かした深浦まちづくり構想~深浦の食を日本へ、世界へ、そしてミライへ~」 「JTB賞」
・青森中央学院大学/けんちゃんち 「ドキッ!浅虫温泉で自然とドッキング。」
・跡見学園女子大学/村上ゼミ3年 teamゆきんこ 「今、ここ、青森でなにができますか。」 「パフォーマンス賞」
・北海学園大学/Hokkaido Geographical Unit 「しゃんしゃん3大〇〇プラン」 「青森県知事賞」

(取材は若林宏)
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