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今すぐ確認、
間違えると恥ずかしい敬語と日本語

今すぐ確認、間違えると恥ずかしい敬語と日本語

 敬語や日本語の使い方を間違えると恥ずかしいだけでなく、相手の気持ちを損ねたり、自分への評価が下がったりすることも。今のうちに、正しい使い方をしっかり押さえておきましょう。

「間違い敬語」をなくせば自分の言葉に自信が持てる!

 「『敬語を正しく使えない』『言葉の使い方が雑』というのは、仕事でもマイナスになることが多い」と話すのは、国語講師の吉田裕子さん。敬う気持ちを伝えられない「礼儀知らずの人」「勉強不足の人」と思われてしまうと、仕事上のチャンスを逃してしまう危険性があるという。自分の話す言葉に自信がないと、そのことが気になって、伝えるべき内容に集中できなくなる、というデメリットもある。

 吉田さんによれば、おとなの女性がしがちな、職場の「間違い敬語」は主に3パターンに分けられる。

 1つ目は、「いただいてください」「お伺いください」など、相手の動作に謙譲語を使うパターン。2つ目は、「うちの部長がおっしゃっていました」「弊社の山田部長が」など、社外の人より自社の人を高める敬語を使うパターン。そして、「おっしゃられる」「おビール」など、過剰に敬語を重ねるパターン。いずれも相手を不快にさせたり信頼を失ったりしかねないので、今すぐ正す必要がある。

 まずは以下の例を参考に、適切な言葉遣いを正しく理解することが大切。その後、声に出して読み、手紙やメールで書き言葉として使ってみよう。正しい言葉遣いを身に付ければ、堂々と振る舞える女性に近づける。

【あなたの「間違い敬語」はどのパターン?】

 正しい敬語を使っているつもりが間違っていることも。敬語のミスパターンと正しい使い方をチェックしよう。

Pattern1 悪気はないが基礎知識不足 「うっかり女子」

 敬語そのものを知ってはいるのに、使い方に無頓着なタイプ。相手を不愉快にさせることも少なくない。

自分がへりくだって言うときに使う謙譲語を、相手の動作に使わないように注意。

 「いただく」は謙譲語、「召し上がる」は尊敬語。「いただく」は、自分側が主語のときの動作に使う。

 「なさる」は尊敬語。「どちらをご用意いたしますか?」など、主語が自分側なら謙譲語の「いたす」でOK。

 「伺う」は自分側が質問したり、訪問したりする際に使う謙譲語。「お尋ね」の代わりに「ご質問」でも可。

 「いる」の尊敬語は「おる」ではなく「いらっしゃる」。自宅への電話には「ご在宅ですか?」も使える。

 「申す」は謙譲語。「言われました」も使用可能だが、「おっしゃった」のほうが、敬意を強く伝えられる。

Pattern2 相手より自分側を高める 「身内びいき女子」

 無意識のうちに、社内の人や家族など、自分側の人を高めてしまうタイプ。尊大な印象を与えることも。

社外の人に自社の人のことを言う場合、自分側を高めた表現をしないように注意。

 社外の相手にとって自社側の人は身内扱いになるので、たとえ上司であろうと、動作に尊敬語を使うのはNG。

 「慕う」の主語が自分たちなので謙譲語を用いたのだろうが、慕う相手が自社側の人間であるため不適切。

 「会う」の謙譲語が「お目にかかる」。相手の動作に謙譲語を使うと、相手を低める言い方になるので注意。

 対面と電話のどちらの場合も、社外の人に対しては、原則として自社側の人は呼び捨てにする。

 「○○部長」「○○社長」などと、役職を付けて呼ぶのは敬称に当たる。自社側の人は「肩書き+名前」で呼ぶ。

Pattern3 過剰な敬語に違和感 「丁寧過ぎ女子」

 丁寧に言おうとするあまり、敬語を過剰に使うタイプ。相手によっては、「かえって失礼」と感じることも。

まずは敬語の基礎知識を確認。「お」「ご」「させていただきます」の多用にも注意!

 「召し上がる」だけで十分、尊敬語。「おになる」を重ねるのはやり過ぎ。余計なものは付けずシンプルに。

 1つの単語に対する敬語表現は1回が原則。「おっしゃる」には、尊敬語の「れる」は不要。

 「お」「ご」には、上品さを表す美化語用法があるが、「お水」はOKでも「おビール」は下品になるので注意。

 「お休み」は、相手から「いただいて」いるものではないので、「不在にする」「お休みする」などの言い方で十分。

 報告相手に許可を得て入籍したわけではないため、「させていただく」は不自然。「入籍いたしました」は可。

誤った使い方、していない? 【こっそりおさらい 間違いやすい日本語】

 言い間違いや意味の誤用は意外とあるもの。恥をかかないためにも、しっかりおさらいしておこう。

 「みっともない」で1つの言葉であることに注意。一部だけ丁寧語にはしない。

 「耳ざわり」の漢字は「耳障り」。聞いていて心地よくない音のことを指す。

 「なおざり」はいい加減に「放置」し、「おざなり」はその場しのぎで「こなす」こと。

 「すべからく=すべて」ではない。「ぜひすべきだ」という"おすすめ"の意味。

 「手間を惜しむ」と混同されがち。手間と時間(ひま)の両方をかけるのが「手間ひま」。

この人に聞きました

国語講師
吉田裕子さん 東京大学教養学部を学科首席で卒業。大学受験塾やカルチャースクールで教壇に立つ。『品よく美しく伝わる「大和言葉」たしなみ帖』(永岡書店)、『美しい女性をつくる言葉のお作法』(かんき出版)など著書多数。

(ライター 山口佐知子)
[日経ウーマン 2016年8月号の記事を再構成、日経電子版2016年8月10日付]

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