SNSでの発言はプリントして全身に貼るつもりで
女子大生経営者として学んだこと(3)
みなさんはSNSをどうやって使っていますか? 大学生や高校生の人だと、裏アカウントがある人とかが大半なんじゃないかなあと思います。2、3個は当たり前、特に女子だと、悪口だけを書くアカウントがある人もいますよね......。
私自身、SNS始めたての中学生、高校生の頃はずっと愚痴ばかり書いていて、日々「死にたい......」とか言っていました。典型的な病み女子ですね笑。実際、私はSNSで失敗したことも多いSNS生まれのSNS女子なので、今回はそのあたりの話ができたらな、と思います。
新人教育で力を入れる「SNSでの発言」
今、私が会社の新人教育の部分で一番気にしているのは「SNSでの発言」です。うちの23歳のデザイナーにも最近、「毎日寝れないし、私ばかりに仕事がくる」という愚痴みたいなことは、「せめてお客様が見てる表でつぶやくのをやめなさい」と指摘したばかりです。私は社員やスタッフの教育にはユルユルで、いいところがあったら、褒めてうまくチームを組んでいくということを気にしていますが、SNSだけは譲れません。すぐ指摘します。というのも、私自身、以前大失敗をしたことがあるからなのです。
実は大学に入ってすぐの頃、大学と仕事の両立で結構かつかつになっていて「もうこんな辛い仕事やめたい」とか「全然思うように物ができない」など、仕事の愚痴を延々とtwitterで垂れ流していました。それは、中学生の頃からSNSを使っている自分からしたら当たり前の使い方で、特に悪気もなく、息をするように愚痴を書いていました。
そんなある日のことです。私は自分のブランドと自分の名前でサーチ(主にtwitter内検索)をかけることが日課なのですが、「こんな愚痴ばっかり言ってるデザイナーがやっているブランドとか、不安すぎる...」というような内容のツイートを見かけたのです。
ツイッターでつぶやくことの意味
それを見つけたときにハッとしました。フォロワーの人たちは、ハヤカワ五味の中の人「稲勝栞」が見たいわけじゃないんだ、feastというブランドのデザイナーのかっこいい「ハヤカワ五味」というアイコン(象徴)を見たいんだ、ということにそのとき初めて気づいたのです。確かに、自分の好きなブランドがマイナスな発言や会社の愚痴を言っていたら、信用ならないし買わないな、と思います。
例えば自分が好きな化粧品ブランドの公式ツイッターが、何度も「いいものができない......」とか言っていたら、絶対買いたいとは思いません。SNSでは、「発言している」「目の前に人がいない」感じが強く、マイナスの発信はしやすく、気にしないという人も多いと思います。でも、落ち着いて考えてほしいのですが、フォロワーが100人いる状況でつぶやくということは、「100人の前でみんなに聞こえるように何かをいうこと」と同じです。
さらに、街中のようにたまたま通りすがる人もいるわけですから、ただ100人の前で、と言っても路上で100人の前で話すのと同じですよね。全員が全員知り合いというわけにもいきません。もっとフォロワーが多い人になると、ライブハウスや大きなホールで、大声で叫んでいるのと同じ状態になってきます。さらに、街中で叫ぶのと違ってtwitterなどのSNSは、そのログが永遠に残りますし、調べれば昔のものでも出てきてしまいます。ということはむしろ、「100人の前で叫ぶ」というより、その内容を文字にしてプリントアウトし、体中に貼ることに近くなっていくと思います。
いくらネット上での発言だとしても、その発言は対面で会った際になかったことにされません。みんな、スクリーン越しの貴方を良くも悪くも重ねて見るでしょう。そのことを自覚して、SNSでの発言は自分の体に貼って外を歩ける内容だけにするべきだな、と思っています。
さらに、これは完全に持論になってしまいますが、悪口や愚痴を言う人で、見た目が綺麗な人や社会的に成功している人はほとんどいないように思います。社会に出て、色々な人と接する中で思いますが、顔や指先などの見える部分って、本当にその人自身を表しているな、と思います。
「今後、顔が無理な人は採用しないぞ!」
これは単純に造形の良し悪しというより、なんとなく嫌な感じがするか、いい感じかという好感度的な部分ですね。顔を見て直感で「ヤバそう......」「ブスだ......(世間的な評価というより個人的に見た目が受け付けない)」という場合には、そのまま関わっているとどこかしらで事故や事件を起こしてくれます。「なんとなく嫌な予感がした」というのは、後から思い返すと「顔がなんとなくヤバそうだった、無理だった」というところに落ち着くくらい、人格は顔ににじみ出ている気がします。実際、私も顔が無理な人を当人達に「大人のスタッフも必要」という理由で言いくるめられ、2人採用したら2人とも仕事を放棄して蒸発してくれました。
結果として、数百万円レベルの損害が出たので、「今後、顔が無理な人は採用しないぞ!」と堅く誓いました。アニメの悪役の顔がどれも同じ系統なのも、性格や発言が見た目に滲み出るということを示してくれてるな、と思います。そのように、考えや発言は体に染み付いて段々と見えてくるものだということを自覚して、綺麗な言葉を気持ち良く発言していきたいですね。
次回は「そもそも絶対的不幸は存在しない」という話です。辛い時やしんどい時がありますが、それは不幸なのか、不幸とはなんなのだろうかという、自分の幸せとの付き合い方を自分なりに書いてみます。お楽しみに。
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