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カレッジカフェ協力
「日経業界地図2017」発売!
業界研究に最適

カレッジカフェ協力「日経業界地図2017」発売! 業界研究に最適

 学生の皆さん、こんにちは。どんな業界や会社に就職したらよいのか悩んでいる学生さんも多いことでしょう。日経カレッジカフェは、就活にも役立つ企業情報を多数提供しています。今回新たに「日経業界地図2017年版」(日本経済新聞社編、日本経済新聞出版社発行)の出版に協力。同書の巻頭特集として、皆さんの会社選びにも役立つ「『業界研究』のキホン」(12~15ページ)を執筆しました。

日本経済新聞社編 日本経済新聞出版社発行 1,188円(税込み)
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日本に会社は382万社も

 日本に企業はどのくらいあるかご存知ですか? 数千社? それとも数万社? 実は軽く100万社を上回っているのです。中小企業庁の集計では、2014年7月時点で382万社が存在することになっています。

 一方で上場企業は3600社に過ぎません。世の中の99%以上が中小企業・事業者ということになります。7割の人が中小企業で働いているというデータもあります。就職先として考える際に、これだけたくさんのなかからどうやって選び出せばよいのでしょうか。その企業研究の仕方を、今回出版した「日経業界地図2017」で紹介しました。

決算短信や日経会社情報を参考に

 そのエッセンスをここで紹介しましょう。まず、企業の業績を知ることが大切です。大手企業の場合、日経業界地図に掲載されています。さらに細かく知るには年に4回発行される「日経会社情報」や、各社の決算短信が分かりやすいでしょう。上場企業であれば、決算短信は各社のホームページのIR情報のコーナーにアップされています。四半期決算といって3カ月ごとに業績が発表されます。日本では3月末に1年分の決算をしめる例が多いのです。2017年3月期の場合だと、第1四半期は2016年4~6月の3カ月。その後も3カ月ごとに四半期の業績がまとめられ、最後に12カ月分がそろった2017年3月期決算となるわけです。

 決算短信を見慣れるまでは、少し大変かもしれません。まずは決算短信の1枚目をみればよいでしょう。売上高と各種の利益が記載されています。利益というのは段階によって、営業利益、経常利益(決算基準によっては税引き前利益)、純利益があります。このうち売上高はまさに製品やサービスを売ることで得られる収入です。この数値をみることで企業規模の大小が分かります。製造業と比べて、卸などは売上高の規模が大きく表示される傾向があることも知っておいて損はないでしょう。

営業利益から「本業でもうける力」が分かる

 利益水準にも目をやりましょう。利益にはさまざまな種類があって、最初は面食らうかもしれません。企業間の比較をする場合、本業のもうけを示す営業利益の大小をみましょう。これは売上高から、仕入れにかかった費用や従業員の人件費などを引いた後のもうけです。この数値をみれば、その企業が本業でどれだけ稼ぐ力を持っているかが分かります。

 もうひとつ気にしたいのが、純利益。本業のもうけである営業利益から、金利や税金などを払った後の最終的な利益を示します。例えば、店舗や工場の閉鎖、従業員の希望退職などのリストラで、まとまった損失を出す場合、この純利益(最終損益)が赤字になることがあります。多くは一過性の損失で、次の年の決算では純利益が回復します。一方で営業利益(営業損益)段階から赤字であれば、本業の稼ぐ力が劣っている可能性があります。次の期から業績が回復するのか、よく目を凝らす必要があるでしょう。

人気ランキングにこだわらないで!

 業績の見方が少し分かったところで、どんな業種や企業をのぞいたらよいのでしょうか。世間で流布する就職人気ランキングを参考にするひとがいるかもしれませんね。そうしたランキングの上位企業が未来もピカピカであり続けるでしょうか。日経ビジネスオンラインの2013年11月7日の「徹底検証、会社の寿命」という記事が興味深い事実を突きつけています。

 帝国データバンクは全国の企業を評価し、点数をつけています。この記事によると、1983年に帝国データの点数が80点以上だった優良企業がその後、どうなったかを分析。10年後の1993年も80点以上を維持した企業は50.5%。10年で半分が脱落したわけです。さらに20年後の2003年も80点以上なのは13.1%。30年後の2013年に80点以上だったのは、わずか6.4%に過ぎなかったのです。ゴーイングコンサーン(継続可能性)を前提にした優良企業といえども、長期間にわたって輝き続けることは難しいことが分かるでしょう。

どんな事業が伸びるのか?

 日本国内では人口減少に見舞われ、大幅な市場拡大が見込みにくくなっています。本業の周辺事業を伸ばしたり、海外展開を進めたりできる企業が有望といえるでしょう。古い殻にとらわれずに、事業展開している企業は存在します。富士フイルムホールディングスは、かつて富士写真フイルムという社名でした。写真フィルムで世界的に高いシェアを握っていた企業。でもデジタルカメラが普及すると、写真フィルムは売れなくなります。そこで自社の技術を生かせる他の領域への進出を決断。いまでは医療などのライフサイエンス、子会社の富士ゼロックス、高機能材料、印刷、デジカメなどのイメージングといった各領域を育成しています。見事に事業転換をはかったケースでしょう。

 東レもかつての繊維不況を切り抜け、いまでは炭素繊維で世界トップ企業です。炭素繊維はスポーツ用品から、航空機、自動車などさまざまなものに採用されています。

 社名だけで判断すると実態を把握しそこねることもあるでしょう。例えば、大和ハウス工業は、社名に「ハウス」という言葉がつきます。確かに、かつて工業化住宅の原点といわれる「ミゼットハウス」を開発したのは同社でした。でも、住宅事業の売上高はいまでは全体の半分程度。残りは商業施設、事業施設など住宅以外の事業が占めています。利益でみても、非住宅事業のかせぐ力は高まっています。ユニクロなど大手チェーンの店舗開発に力を入れてきましたが、ファーストリテイリングと組んで物流改革に挑もうとしています。海外でも工業団地や商業施設の開発に力を注いでいます。

ダイバーシティー、M&Aにも注目

 企業をみる場合、このほかにも大きなテーマがいくつか挙げられるでしょう。インバウンド、ダイバーシティー、M&A(合併・買収)といった切り口だ。こうしたキーワードを念頭に、業界地図を眺めると理解が進みそうです。詳しくは「日経業界地図」をご覧くださいね。

 また、日経カレッジカフェで連載している「卒業までにやっていくこと2017」「学生のための業界ガイド」「会社見学へ行こう!」などと併読していただくと、企業への理解が増すと思います。これからも日経カレッジカフェは皆さんの役に立つ情報を提供していきたいと考えています。

日経業界地図 2017年版

著者:日本経済新聞社 編
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,188円(税込み)

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