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消えてしまった子育てコミュニティー

これからの女子キャリと生き方(4)

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NIKKEI STYLE

こんにちは! manma代表の新居日南恵です。前回まではmanmaの成り立ちや家族留学についてお話してきました。今回はそんな活動を通じて見えてきた子育てを取り巻く社会課題と解決策について、私なりの見え方をお話できればと思います。

地域での「子育て」ができなくなってしまった

大学1年生のときにmanmaをはじめてから、2年以上が経ちました。たくさんの子育てをしている女性の先輩方にお会いする中で、女性のキャリア形成、そして子育てを取り巻く様々な課題を強く感じるようになりました。そのなかでも特に、私が課題意識を感じたのは"子育てが社会から分断されてしまっている"ということです。

例えばかつては三世代同居のもとおじいちゃんやおばあちゃんが子供の面倒を見たり、地域の大人が近所の子供を見守ったりしながら子育てをしていました。しかし、核家族化が進み地域コミュニティーが喪失しつつある現代―特に東京では、このような「地域みんなで子育てをする」ことがなくなってしまいました。

その結果、子育てがだんだんと社会全体のものから個人的なものに変容。人々の意識も、変わっていきました。子供に対する社会の理解もなんとなしに下がってしまい、泣いている子供に向けられる視線もかつてよりも冷ややかなものが多くなっているのでないかと感じることも。

女性の社会進出が進み、男女共働きで家計を支えることが求められるこれからの社会では母となりうる女性たちも子育てと同時に、キャリアについても考えることが求められています。そんないまだからこそ地域コミュニティーなどをはじめとした「社会」が、子育ての役割の一部を担うことで、子育ての「役割」をシェアしていくことが必要なのではないでしょうか。

パパママ世代のナレッジを共有できない

子育てが社会から分断されていることは、もう一つ大きな課題を生み出しています。それは子育てやキャリアを含めた「生きていく環境」が自分たちの親が子育てしていた時代と大きく変わってしまっているにもかかわらず、そのモデルやナレッジが共有されることないまま私たちはパパママになっていかなければならないということです。

例えば、少し前に話題になった待機児童(保育園に入れたいと思っても、定員の問題で入れない子どもが存在している)問題の現状は非常に厳しい状況です。私も、家族留学を通してこの問題に直面している方々にたくさん出会い、初めて当事者として強い課題意識を感じるようになりました。実は、保育園に入園できるかどうかは「保育園に子供を預けなければやっていけないといった深刻さをあらわしたポイント」で決まります。

このポイント、両親が近くに住んでいることやなど少しでもポイントを下げてしまう条件を満たすと、入園は厳しくなってしまいます。そこで母親はアクティビストとなり、子供を保育園に預けるためにはどうすれば有利になるかの情報を集めたり、預けたい保育園に何度も通ったり、はたまた子供を産む時期まで保育園の入園時期から逆算したり......と、本当に様々な活動を繰り広げているのです。そんな子育ての現状はもちろん、いろんなパパママの多様な生き方に触れる機会もいまの大学生は基本的に持ち合わせていません。

また、いまの大学生の母親世代は、専業主婦として子育てに専念する生き方を選ぶ方が多くいました。一方で、18歳までのお子さんのいる方の7割が働いていると言われるほど、仕事と子育ての両立が当たり前になっています。母親世代に聞いても、両立の葛藤や、両立をするためのヒントはなかなか出てこないのです。

だからこそ、コミュニティーを形成したい

だからこそ先ほど述べた地域コミュニティーに加え、これからはこれまで断絶されていた現役パパママ世代と大学生たちプレパパママ世代をまたぐ新しい子育てのコミュニティーが必要だと考えています。家族留学にご参加くださったパパママ同士を繋ぐことで、今まさに様々な課題に直面している当事者の方々の、子育てに関する悩みやナレッジを共有し、さらに次世代につなげることができます。

また、意欲のある学生が、継続的に様々なご家庭に家族留学をさせていただくことで、多様な生き方のモデルに触れ続けられるようになります。そんなコミュニティーをつくることで、子育てを取り巻く課題解決のヒントと取り組みをきちんと次世代につなげ、これまで分断されていた子育てに学生をはじめとするこれまで関係ないとされていた人が関わるのが当たり前になっていくのではないでしょうか。社会全体が子育てとのかかわりを深くした時、いまの女子大生が安心して母になれるよりよい社会ができるのではないかと、強く信じているのです。

ここまでは4回にわたりmanma設立のストーリーから事業内容である家族留学、そこで気づいたことまでをまとめてきました。すべてのひとにとっての広い意味での「キャリア」選択に少しでも役立っていればこれ以上嬉しいことはありません。次回は、家族留学で得たキャリア選択のナレッジについてお話したいと思います。たくさんのパパママから何度もお話いただいたことをまとめていくので楽しみにしていただけると幸いです。

新居日南恵(におり・ひなえ) 1994年生まれ。東京出身。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科在学。2014年に"いまの女子大生の手で安心して母になれる社会をつくる"をコンセプトに掲げ、任意団体「manma」を設立。2015年1月より学生が子育て家庭の日常生活に1日同行し、生き方のロールモデルに出会う体験プログラム「家族留学」を開始。

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