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大学生観光まちづくりコンテスト2016北陸ステージ
~「風情のある場所」の魅力をSNSで拡散

大学生観光まちづくりコンテスト2016 北陸ステージ~「風情のある場所」の魅力をSNSで拡散

 「大学生観光まちづくりコンテスト」(観光庁、文部科学省など後援)の本選が、2016年9月上旬から各地で開催されました。今年で6回目となるこのコンテストは、大学生が自分たちで考えた各地の観光振興のアイデアを競うイベントです。「日経カレッジカフェ」も広報面で協力しています。今年は青森、金沢、甲府、大阪、大分の5会場で、95大学計216チームが参加しました。このうち今回が初の開催となる「北陸ステージ」のもようを紹介します。

18大学28チームが参加

 北陸ステージ本選は9月13日にJR金沢駅前の「金沢アートホール」で開かれました。参加総数は18大学28チーム。この中から書類審査による予選を通過した10大学12チームが本選で、プレゼンテーションに臨みました。本選出場を逃したチームにも、会場別室のポスターセッションで発表の機会が与えられ、11チームがポスターパネルを展示。うち6チームは会場での説明も実施しました。

群馬県立女子大学/社会デザイン論ゼミナール
中京大学/伊藤ゼミ第一営業部

 コンテストの対象地域は北陸三県(富山、石川、福井)で、二県以上の二市町村を対象とすることが求められました。テーマは対象地域の産業、観光資源の活性化に向けた「観光まちづくりプラン」です。

 午前10時45分に本選がスタート。各チームのリーダーを壇上で紹介した後、成果発表が始まりました。発表順は当日、事前にくじ引きで決定しました。

金沢大学/チーム3S1E
慶應義塾大学/北都六星

 トップバッターは群馬県立大「社会デザイン論ゼミナール」。未婚の20代女性をターゲットに、旅行中の写真を撮影し、SNSで拡散してもらい、代わりに地元の伝統工芸品をもらえるという仕組みを提案しました。揃いの半被に身を包み、寸劇も交えたパフォーマンスで会場を沸かせました。

専修大学/リーダーシッププログラム
首都大学東京/チームイタドリ

 2番手の中京大「伊藤ゼミ第一営業部」は古民家を活用した外国人観光客の誘致を提案しました。日本に来ている留学生への調査などから、北陸は外国人にとって魅力的な場所だが、金沢市以外のグローバル化は遅れていると位置づけました。古民家を宿泊施設として使うことで、旅行のコストを抑えるなどの施策で誘客を進めるというプランです。

慶應義塾大学/近森食堂

 次に登場した金沢大「チーム3S1E」は「平成家持」と称して、氷見と七尾を旅して数多くの歌を残した大伴家持にちなんだプランを提案しました。

 慶応義塾大「北都六星」は「図書館」に着目したプランを提案しました。金沢海みらい図書館と富山市立図書館という2つの「建物の造りがユニークで居心地のよい」施設を旅行の中継地として活用し、そこで地元の人との交流も進めようというアイデアです。

 続いては専修大「リーダーシッププログラム」。「のとやま計画」と題し、金沢ではなく、北陸新幹線新高岡駅を起点にし、富山県の高岡市、氷見市、石川県七尾市を1つの観光エリアとして扱うプランを発表しました。

 6番目は首都大学東京「チームイタドリ」です。北陸地方で伝統工芸として作られている「器」に着目。これと地元の食材を活用した料理を組み合わせることで、新たな魅力を生み出そうと訴えました。

跡見学園女子大学/村上ゼミ2年
富山高等専門学校/長谷川ゼミ

 慶応義塾大「近森食堂」は北陸の4都市を1つの大きな「FACTORY(工場)」だと定義。紙や漆器、メガネ、焼物などの産業観光を軸に北陸の魅力を発信していこうというプランを提案しました。

 8番目が跡見学園女子大「村上ゼミ2年 Hokuriku GO」です。跡見学園の学生に調査した結果、「女子大生が旅行したい場所は『風情のある場所』」だと位置づけ、その風情のある場所の代表例として、金沢市と福井県大野市を取り上げました。そして魅力をSNSで拡散する仕組みを提案しました。浴衣姿の学生たちがプラカードやスケッチブックなどを使ってプレゼンしました。

明治大学/歌代ゼミ team 北陸

明治大学/市川ゼミ北陸班

 次いで富山高等専門学校「長谷川ゼミ」。スマホのアプリを活用し、観光地のカフェやみやげ物店にスクリーンを設置し、そこに観光客が撮影した写真を映し出すというサービスを提案しました。

 10番目の明治大「歌代ゼミ team 北陸」は北陸の伝統工芸をより活用しようというプランを発表しました。伝統工芸に「触れ」、「職人」の元で体験し、伝統工芸を使って「食」そうという「3つの"SHOKU"」に注目しました。

富山大学/Rラボ

 明治大「市川ゼミ北陸版」は加賀温泉とあわら温泉を対象地域に選択。どちらの地域も観光客数の割には「宿泊施設としてしか使われていない」とし、地元の観光資源をもっと活用すべきだと訴えました。そのうえで、両市への訪問客数が多い台湾からの観光客をさらに誘致するためのプランを示しました。

 最後に登場した富山大「Rラボ」は万葉集ゆかりの地である高岡市と福井県越前市を取り上げ、両市の万葉集にちなんだ施設を中心に、連携して観光客を誘致するというプランを提案しました。

観光長官賞は跡見学園女子大「村上ゼミ2年 Hokuriku GO」

 北陸経済連合会や北陸イメージアップ推進会議などから出席した審査員たちの審査の件、最優秀賞にあたる「観光長官賞」には跡見学園女子大「村上ゼミ2年 Hokuriku GO」が選ばれました。

ポスターセッションで
観光長官賞を受賞

 観光庁長官賞に加え、パフォーマンス賞など複数の賞に選ばれたメンバーは「本当に夢にも思っていなかった」「恵まれた環境の中で観光を勉強しているのだと実感した」などと口々に喜びの言葉を述べていました。

 またポスターセッションは跡見学園女子大「村上ゼミ3年」が優秀賞となりました。北陸ステージの本選出場チームと審査結果は以下の通りです。

北陸ステージ 本選出場チームとタイトル(発表順)
(1)群馬県立女子大学/社会デザイン論ゼミナール 「7つの北陸物語~なんとかがやく私の人生~」 「とやま観光推進機構賞」
(2)中京大学/伊藤ゼミ第一営業部 「古民家へGO~留学生をきっかけに北陸の未来をGETだぜ! 後悔しない様にそろそろ、外国人吸引の取り組みを始めませんかプロジェクト~」
(3)金沢大学/チーム3S1E 「平成家持~現在から過去、過去から未来へ~」
(4)慶應義塾大学/北都六星 「図書館コミュニケーション」 「クリエイティブ賞」
(5)専修大学/リーダーシッププログラム 「のとやま計画」
(6)首都大学東京/チームイタドリ 「器は料理の着物である~器と食の新たな出会いをプロデュースする~」
(7)慶應義塾大学/近森食堂 「『おとなFACTORY』 想いの生まれるものづくりを。北陸で。」 「北陸広域観光推進協議会賞」
(8)跡見学園女子大学/村上ゼミ2年 Hokuriku GO 「いいね!~ポチっとつながろう、北陸~」 「観光庁長官賞」「北陸経済連合会賞」「福井県観光連盟賞」「パフォーマンス賞」
(9)富山高等専門学校/長谷川ゼミ 「Photo Shower~写真を最大限に活かしたまちづくり~」
(10)明治大学/歌代ゼミ team 北陸 「~美~3つの『SHOKU』で繋ぐ北陸」 「北陸イメージアップ推進会議賞」
(11)明治大学/市川ゼミ北陸班 「湯遊感泳━Healing Japanese Culture for Active Learning━」 「石川県観光連盟賞」「JTB賞」
(12)富山大学/Rラボ 「先人の想いを繋ぐ万葉物語」

(取材は小口道徳)

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