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大学生にも考えてほしい「防災とコミュニティ」

僕ら流・社会の変え方(20)

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NIKKEI STYLE

暑さも和らぎ、季節の変わり目を感じる時期になりました。大学生の皆さんも夏休みが終わり、新学期がスタートしている頃ではないでしょうか。

今月で、熊本地震の発生から半年が経ちます。復興の兆しは見えてきてはいるものの、まだまだ現地には人も物も必要な状況がこの地震の被害の大きさを示しています。東京では首都直下地震が30年以内に70%以上の確率で起こると言われています。

また、最近は記録的な台風が何度も日本列島を襲う事態が生じるなど、僕たちには今後より一層、自然災害と向き合う必要性が出てきています。そこで今回は、大学生の皆さんにも考えていただきたい「防災とコミュニティ」の話をしたいと思います。

防災に欠かせない「顔の見える関係」

東日本大震災から学んだのは、自分の身を守る「自助」、家族や地域で支え合う「共助」と国や自治体による「公助」が合わさって初めて対策がうまく作用すること。また、阪神淡路大震災では倒壊した建物から救出された人の8割が近隣住民等から助け出されているというデータがあります(2割は消防隊や自衛隊の方々等から救出されました)。

これらのことを踏まえ、国では「共助」による防災活動を推進するための法律の整備や、まちの住民や企業などが行う防災活動を推進する制度を整えています。「共助」とは、「顔の見える関係を築き、助け合う」ということです。これを読んでいる皆さんには、「顔の見える関係」と言われて思い浮かぶ人は何人いますか?

コミュニティは縮小している

ところが、防災に必要な「顔の見える関係」やコミュニティは、実際には縮小傾向にあるという事実があります。例えば、全国的な町内会の加入率低下。20年前に7割近くあった町内会の加入率は2割まで減少しており、その数は20年間で30万以上も減少しています。

町会で行われる防災訓練や消防団の訓練などには新住民や若者がなかなか参加せず、同じ人が何度も来ているという状況が続いています。渋谷区が先月、「防災フェス」を開催し、地域の若者や子育て世代の参加を促すなど、各自治体は様々な取り組みを行っていますが、これといった特効薬はなかなか見つかっていない状況です。そんな中、最近コミュニティを育むのに見直されつつあるツールがあります。「コミュニティラジオ」です。

ポテンシャルを秘めた、「コミュニティラジオ」

コミュニティラジオとは、地域に密着した情報を提供する放送局です。皆さんは、自分の住んでいるまちの情報をどこから得ていますか?また、情報を得ようと思った時の手段はありますか? コミュニティラジオは、まちで起きている様々なことを知ろうと思った際に、自分から能動的に情報を取りにいかなくても、受動的に地域密着型の情報を得ることができるすぐれたツールです。

渋谷区で今年4月から開局したコミュニティラジオ「渋谷のラジオ」では、渋谷区における地域密着型の情報や防災情報を、渋谷にゆかりのある人が担い手となって発信しています。その出演者は幅広く、福山雅治さんといったビッグネームから、商店街のおっちゃんまでが担い手となっています。

実は私もレギュラー番組をもたせていただいています。毎週火曜日の15:00~16:00に放送されている「渋谷のおそうじから。」という番組です。ここでは、ラジオ放送といった枠だけで止まらず、番組から派生させた夏の祭りやイベントなども開催しています。地域密着型ラジオのリスナー同士とDJが実際につながる場所があることで、地域のつながりも自ずと育まれていきます。

震災時の「コミュニティラジオ」の役割

「コミュニティラジオ」から日常的に、受動的に地域の情報を得ることができていれば、震災時には得たい情報をすぐに手に入れることができます。今年4月に発生した熊本地震の際にも、コミュニティラジオが活躍しました。熊本市内にある「熊本シティーエフエム」は地震発生時、24時間体制で「現時点で開店しているコンビニ」や「近隣のガソリンスタンドの営業状況」など、テレビやインターネットでは得ることが難しいが、現地の方々にとって本当に必要な地域情報を発信し続けました。

現地の方からは、「紙で掲示されるものとは違い、人の声で伝えられる情報に触れると何となく安心する。」「車中泊で身動きがとれなくても情報を受け取ることができて非常に助かった。」という声があり、多くの人を救う形になりました。

「顔の見える関係」を作る方法はたくさんある!

「防災のために、顔の見える関係をつくれ!」といきなり言われたら、ちょっと気が引けてしまうかもしれません。町内会や自治会に入ったり、積極的に防災訓練に参加したりするというのは、少しハードルが高いかもしれません。でも、いつもならコンビニで買うお菓子をまちの商店街で買ってみたり、すれ違う人に挨拶してみたり、はたまたコミュニティラジオを聴いてみたり。

小さな行動を変えるだけでも、周りの人とコミュニケーションが生まれます。もちろん、近くの多様で面白い「顔の見える関係」は、防災のためだけではなく、自分の生き方や将来を考える際にも役立ちます。まちで何かあった時に、自分のことを思い浮かべてくれる人が、また思い浮かべられる人が多くいることは、素敵なことだと思いませんか?ぜひ、小さく動いてみてください。

■震災については、僕の著書にも詳しく書いてあるので、ぜひ読んでください!
『18歳からの選択 社会出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)
横尾俊成(よこお・としなり)
 NPO法人グリーンバード代表/NPO法人マチノコト代表/港区議会議員(無所属)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。早稲田大学大学院修了、広告会社の博報堂を経て現職。まちの課題を若者や「社会のために役立ちたい」人の力で解消する仕組みづくりがテーマ。第6回、第10回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。著書に『「社会を変える」のはじめかた』(産学社)、『18歳からの選択 社会に出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)。
HP:http://www.ecotoshi.jp
Twitter: @ecotoshi

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