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「コミュ力」に悩む学生へ贈る言葉(11)「人見知り」を直したい!
おすすめの話題とNGワード

authored by 上田晶美
「コミュ力」に悩む学生へ贈る言葉(11) 「人見知り」を直したい! おすすめの話題とNGワード

 私が短期大学で受け持っている「コミュニケーション論」の講義の初回に、学生に「コミュニケーションのどんなところを克服して上達したいか?」というアンケートをとりました。一番多かった答えは「人見知りを直して、初対面の人と会話できるようになりたい」というもの。第2位は「敬語」、第3位は「人前で話す」、第4位は「グループで話す」と続きました。

 今回はこの「人見知り」と「初対面の人との会話」について、解説していきたいと思います。

「私人見知りです♪」ってホント?

 この言葉を最近の学生はよく使います。とても人見知りには見えない、積極的な明るいタイプの人でさえ、そう答える人がいます。単に自分のコミュ力について、ハードルを下げておこうという気持ちかもしれません。

「初対面の人との会話がうまくいかないのは、人見知りだからなの、よろしくね」ということでしょうか。

「私って人見知りだから、初対面はこんなだけど、仲良くなればしゃべれるから!」という感じでしょうか? まあ、問題なさそうですね。

 人見知りなのは程度の差こそあれあたりまえです。誰だって、知らない人と話をするのは勇気がいります。どんな人かわからなければ、警戒心があって当然でしょう。世の中には人見知りでない人の方が少ないと思います。それを社会人になったら、仕事上、営業マニュアルに沿ってトレーニングをするという努力を重ねて、克服していくのだと思います。営業では自社の商品について話せばいいので、まだ世間話よりも入りやすいといえます。

初対面の人との会話

 それでも、本当に苦手な人は少し工夫してみましょう。

プラスのストローク

 二度と会わない人なら、無理に興味を持たなくてもよいかもしれません。ですが大学内のクラスメートなど、これから関係を構築していかなくてはならない相手だったら、「プラスのストローク」を示しておくほうがよいでしょう。ストロークとは「相手に対する働きかけ」というような意味です。親友になるかどうかは別にして、いい感じでお互いに不快に感じない存在になっておく必要はあります。あいさつくらいは交わす相手になっておくのです。少なくとも悪口を言われない程度にはしておきたいものです。

そのためには、笑顔であいさつすること。笑顔になっていますか? 目を合わせていますか? プラスのストロークには、言葉がけだけでなく、表情も大切です。

聞き上手になる

そんなに自分から話す必要はありません。聞き上手になろうと思えばいいのです。うなずきながらあいづちをうって話を聞きます。時々、相手の話を繰り返してみましょう。これが聞き上手のコツです。聞き上手は好かれます。とてもいいポジショニングです。聞く姿でも、プラスのストロークが伝わります。

会話に乗っかっていく

 話のコシを折らないように、常に相手の話に乗っかっていくようにします。「それで?」と話が続くようにします。

 例えば、
「出身は名古屋なんだ」
「そうなんだ! 名古屋ってどんなものがおいしいの?」と、名古屋という相手の出したキーワードについて質問をしていきます。

「出身は名古屋なんだ」
「そうなんだ。それで趣味は?」と別の質問に移らず、ポキポキと話が折れていくのは、気ぜわしい感じになり、質問攻めにされているような印象になってしまいます。もちろんある程度話が終わったら、話を変えて他の質問をしてもいいでしょう。

「名古屋は鶏肉と味噌カツと味噌煮込みうどんが名物よ」
「へー。味噌が独特なんだね。一度食べてみたいな」
「東京にも名古屋めしの店があるから、今度一緒に行かない?」
「嬉しい!  ぜひぜひ!」

 ここまで盛り上がればバッチリですね。

 逆に相手から質問されれば、自分の出身なども話していけばよいでしょう。自分だけしゃべって完結する人もいれば、相手(あなた)にも質問を投げかけてくれる人もいます。初対面の時はまずは相手に合わせましょう。

 こうして、相手がどんな人か、観察し、分析し、第一関門を突破しておきます。次に会ったときからは、もう少し気軽に話せるようになると思います。

質問してはいけないNGワード

 相手が嫌悪感を持つような失礼な質問はしないようにしましょう。NGワードを挙げてみます。

「高そうな時計ー。誰に買ってもらったの?」「格好良いバッグね。いくらしたの?」「バイトはなにをしているの? 時給いくら?」などです。親しくなればかまいませんが、初めから聞くことではありませんね。あまり踏みこんだ質問はしないように気を付けましょう。

 私生活に及ぶことも親しくなってからです。

「お父さんはどんな仕事をしているの?」「お母さんは専業主婦?」「お兄さんはどこの大学?」

 人によっては答えづらい質問ですね。聞いてほしい人は自分から言います。

「昨日お兄ちゃんの大学の学園祭に行ってね。すごい大規模なんだよね。うちの大学とは全然違うよ」とくると、あ、この人は明らかにお兄さんの大学の自慢がしたいんだな、とわかりますね。

 それならば、「どこの大学?」と聞いてあげればいいのです。そうすると、相手は得々と自慢話ができて気分がよくなるでしょう。それであなたの第一印象は100点です。

天気の話は無難だけど...

 一番あたりさわりがないのが天気の話題です。「秋なのに暑いねー」とか「昨日の台風、すごかったね」などです。相手によっては「そうね」で終わることもありますが。

 ふつうは「秋なのに暑いねー」「ほんと暑いよね。何を着ていいかわからなくなっちゃうね」「そうだよね」「私なんかまたTシャツ出してきた」「私も」 とつながっていきます。

 天気の話は無難すぎてつまらないという人でも、共通の話題はいくらでもあります。ゲーム、スマホ、音楽、などなど。ある学生は「今日はみんなと何の話をしようか」と朝の電車で考えてから登校するそうです。準備万端ですね。

 実は私もそうなんですよ。仕事ではなく、飲み会の時ですが。「今日は応援しているカープが優勝したから、その話題でいこう」とか。何年ぶりの優勝で、そのときの監督はだれだったかな、と調べたりもします。今は何でもスマホで簡単に調べられますから、そうやって準備しておけば、会話がとぎれた時にも、うまく話題を提供でき、楽しいひとときを過ごせるでしょう。

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