面接で「気になる社会問題は」と問われたら?
人事部長のひとりごと(4)
学生の皆さん、こんにちは。新日鉄住金ソリューションズ人事部専門部長、高知大学客員教授の中澤二朗です。今回は採用面接にも役立つテーマを用意しました。ずばり、「合宿のすすめ」です。
あなたの気になる社会問題は?
「あなたの気になる社会問題には、どんなものがありますか。そしてそれは何故ですか」。採用面接の定番です。私も折に触れ、この質問をします。だからか、学生さんからよくこう聞かれます。「そう質問されたら、何と答えればよいのでしょう......」
答えは人によってまちまちです。だから一概に言えるものではありません。価値観も、置かれた環境も違い、学んだ専門も、その受け止めも人によって異なれば百人百様。その答えが同じであるはずはありません。
そんな時、それでは素っ気ないので、こんな一言を付け加えることがあります。「であれば、その社会問題をテーマに、友達と合宿でもしてみたら」と。むろん社会問題以外であってもかまわないのですが、要は、一度はそうしたテーマを自分なりに真剣に考える時間をとることです。それが億劫(おっくう)ならば、せめて友達を誘ってワイガヤをする。
さあ合宿へ行こう
合宿ならば、こんなイメージでしょうか。
先ずは、メンバーを決める。できるだけ色々な人がいが方がよいでしょう。専門の違い、学校の違い、学年の違い、男女、留学生等。
人数はまあ5~7人が限界でしょうか。
あらかじめ全員が同じ雑誌を買い込む(例えば、幅広いテーマを特集した『週刊東洋経済』や『週刊ダイヤモンド』等の新年号あたりが最適)。ただし、あらかじめ読んでこない!
宿には、その雑誌とノートと筆記用具と若干のお菓子を持ち込む。
そして、宿に着いてからのスケジュールはこんなもんでしょうか。
15:00 集合(チェックイン)
15:15~15:30 簡単な自己紹介
15:30~18:00 「個人タイム」
買い込んだ雑誌を「一人」で目を通す。
場所は宿の好きなところで、時間はその制限内で、しかし必ず全体に目を通す。
特に「気になったテーマ」や「話せそうなテーマ」についてマーキングする。
それ以外についても、時間の許す限り読み込むように努める。
ただし、美味しいコーヒーを飲みながら。あるいは、綺麗な庭園を眺めながら......。
18:00~20:00 楽しい夕食と歓談
20:00~??? 「みんなでタイム」
さあ本番。印の個所を中心に大いに「あーでもない、こーでもない」と言い合いましょう。
それを続けるだけ続けて、あとはバタンキュー。
むろん居眠りOK。そこから甦って、再度の参戦も大歓迎。
こうして「この夜だけは本当に、真剣に、世の中のことを考えた」と後で言えるようになっていることが大事です。それが後々自信につながっていきます。
時には一人合宿という手も
ちなみに、私もときおり合宿をします。いや、人に言わせれば"合宿好き"だとまで言われています。好きなテニス仲間とのものや、客員教授をしている高知大がらみのものはさて置き、それ以外にも年に数回は、人事仲間との勉強会合宿、お城めぐり合宿、お絵描き合宿等なにかと理由を付けて泊りがけで、あっちこっちに顔を出しているからです(というか大概は幹事をしています)。
合宿にも色々あります。皆で行くのもいいですが、是非お勧めしたいのは「一人合宿」です。しかも、何も遠くばかりが能ではありません。近場の良さそうな安宿で十分です。都会の真ん中の上層階は打って付けかもしれません。美味しい食事。心地よい湯船。眼下に広がる街の夜景。そこで我が身の将来に思いを巡らす。この国や、この世界の明日を考える。
カネを稼ぐことも大事ですが、もっと大事なのはその使い方。稼いだアルバイト代を、時にはこんな風に使ってみるのも、あっていいと思いませんか。
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