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今の自分があるのは中学校の恩師と祖父のおかげ

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今の私はいくつも選択肢があるなら、どんなに大変でも一番いい結果が出そうな道を選んで突き進むと思います。しかしながら、自分は最初からそういう人間だったわけではありませんでした。それなりの努力でそれなりの位置にいられればいい。特に中学生のころはそう思っていました。今の自分になれたのは、「ある先生の言葉」と「おじいちゃんの死」がきっかけでした。

前回は「ドラえもんを作りたい!」という夢を追いかけて工業高校に進むという選択をするところまでお話ししましたが、少しだけさかのぼってからお話ししようかなと思います。

名門柔道部での挫折

地元の小学校に通っていたぼくは、仲のいい友達と一緒に地元の中学校に上がることを決めていました。頑張って勉強して私立の中学に行くなんてめんどうだし、塾に行くなんて絶対にいや。自分のキャラじゃないし。そんなふうに考えていました。

「中学生になったら何部に入る?」そんな話題が小学校で出ていた時、お調子者だったぼくは「柔道部!」と言ってみんなを驚かせて、喜んでいました。みんなが驚くのには2つ理由がありました。1つは、ぼくが通った中学校が全国大会にも頻繁に出場する柔道の名門校だったこと。公立ながら、柔道を本気でやりたいと考えている小学生は家が遠くても入学を希望するほどでした。

そしてもう1つは、当時のぼくがあまりに柔道に向かない体格をしていたことです。身長139cm、体重28kg。そもそも中学校の柔道大会は一番軽くて55kg級でしたから、いかにぼくが規格外の小柄さだったかがわかります。実際に入ってみれば、十数名いる同期は男女共に自分以外は柔道経験者。朝も晩も休日も練習に取り組み、ひたすら投げ飛ばされる。そんな生活を4カ月ほど続けていたある日、ついに体調を崩して柔道部を退部することにしました。

誰よりもぼくに厳しかった先生

帰宅部は自分のキャラじゃないから。それくらいの気持ちで次に始めたのはバレーボール部でした。同期は自分を含めて6人で、練習は週に2、3回だし、顧問の先生は練習に来なかったので自由に練習していました。

ところが中学3年生になった時、新たな先生がバレー部の顧問になりました。バレーボールの専門家で、びっくりするほど上手でした。そしてびっくりするほど乱暴で、びっくりするほど厳しかったのです。その厳しさに、ぼくの同期はみんな辞めてしまい、自分だけになってしまいました。そして、ぼくはバレー部のキャプテンになったのでした。

ぼくはキャプテンであり、唯一の3年生でした。だからこそ、先生のぼくに対する厳しさは想像を絶していました。叩かれたり、けられたりは当たり前でしたし、試合中に家に帰らされたこともありました。試合の応援に来てくれた後輩のお母さんには「うちの子にあの厳しさで当たられたら絶対にくじける」と、涙目で言われるほどでした。

ただ、どんなに厳しくされていても、先生が嫌になることもなければ、辞めたいと思うことは1度もありませんでした。それは間違いなく、中学生なりにその先生の厳しさから愛を感じていたからです。3年生は夏に引退するので、先生から指導を受けたのはたった4カ月程度でした。それでも間違いなくその先生はぼくにとっての恩師です。

そんな先生に言われて一番印象に残っている言葉があります。「8割の力で流すのが、お前の生き方なんだろ? それでいいと思っている間は、別にそれで構わない」。当時のぼくにはよくわからなかったのですが、なんとなく心に引っかかっていた言葉でした。

誰よりもぼくに優しかったおじいちゃんとおばあちゃん

誰よりもぼくに厳しかったバレー部の先生とは逆に、誰よりもぼくに優しくしてくれたのが、おじいちゃんとおばあちゃんでした。ぼくは小さい頃からおじいちゃんとおばあちゃんが大好きでした。おじいちゃんはいつも将棋を教えてくれていました。将棋をするのはいつも、おじいちゃんの家の一番明るい窓の横。おじいちゃんが奥で、ぼくが手前。それがいつもの場所でした。おばあちゃんがいつもそれを嬉しそうに見ていたのをよく覚えています。

おじいちゃんの家はぼくの家から電車で1時間半くらいだったので、中学生のころまでは頻繁に一人で遊びに行っていました。

高校での挫折

ぼくは東京工業大学の附属高校に進学しました。ぼくは主に面接で合否が決まる推薦入試で、運良く合格していました。正直にいえば、ぼくの学力では一般入試での合格は難しかったと思います。

しかし、運でやり過ごせたのは入試だけでした。ぼくの学力は学内でも底辺に近かったのです。一緒に悪ふざけしていた友達は、みんなぼくよりも成績が良くて、いつも不安な気持ちでした。それでも今振り返ると、本気で頑張ろうとはしていなかったと感じます。なんとなく周りにいた友達を集めて、みんなで試験勉強して、楽をしてそれなりの成績を取れるように努めていました。

忙しいから。そう言って、高校に入学してからは大好きだったおじいちゃんの家には一度もいきませんでした。でも本当は、高校であまり勉強がうまくいっていない自分の姿をおじいちゃんやおばあちゃんに見せたくなかったからでした。おじいちゃんが入院しても、ぼくが訪ねることはありませんでした。

おじいちゃんが突然死んだのは、その直後のことでした。

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