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機械メーカー  海外と激しい競争、 社会のインフラ支える

学生のための業界ガイド2017(5)

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日経カレッジカフェでは就職活動の参考になるように、業界研究を連載しています。今回取り上げるのは「大手機械メーカー」。皆さんにはあまりなじみがないかもしれませんが、社会のインフラを支える超大型機械を手がける業界です。新興国市場の拡大とともに、海外勢との競争が激しさを増していますが、世界を舞台に、製品を通じて社会に貢献したいと考える方にとっては、実力を存分に発揮できる場があるはずです。

幅広い製品を手がける「機械のデパート」

「重工業」「重機械」とも呼ばれる大手機械メーカー各社が手がける製品は幅広く、航空機や宇宙ロケット、船舶、鉄道車両、発電所などのエネルギー関連施設、産業機械、橋梁、防衛装備品など多岐にわたり、「機械のデパート」と例えられるほどです。

主な企業としては、三菱重工業川崎重工業IHI、三井造船、住友重機械工業などがあります。

三菱重工~断トツの業界トップ

業界トップは三菱重工で、2016年3月期の連結売上高は約4兆500億円と2位以下を大きく引き離しています。

同社は三菱商事や三菱東京UFJ銀行など、かつての三菱財閥系の企業でつくる「三菱グループ」の中核企業でもあります。

創業は1884年(明治17年)。三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎が明治政府から長崎の造船所を借り受けたのが始まりです。その後、船舶から重機械、航空機、鉄道車両など、事業領域を広げていきました。現在の三菱電機三菱自動車も元をたどれば、三菱重工から独立したものです。

原子力を含む発電システムやプラントなどが主力ですが、将来の成長を見込んで民間航空機に力を入れており、2018年半ばの量産初号機納入をめざし、国産初のジェット旅客機「MRJ」の開発を進めています。国産主力ロケット「H2A」などの宇宙機器、戦闘機や戦車、護衛艦や潜水艦などの防衛装備品も手がけています。

祖業の造船については今年10月、大型客船2隻の建造の遅れで累計約2400億円の損失を出したことから、大型客船の受注を当面凍結することを決めたほか、液化天然ガス(LNG)運搬船などの設計や開発中心の体制に改める事業改革の方針を打ち出しました。

川崎重工~造船から二輪車も

業界2位は川崎重工で、2016年3月期の連結売上高は約1兆5400億円です。航空機やガスタービン、鉄道車両などを手がけていて、産業用ロボットでも大手です。大手機械メーカーではめずらしく、BtoC(消費者向けビジネス)も主力事業のひとつで、「カワサキ」は中大型二輪車の世界的なブランドです。

1878年(明治11年)に創業者の川崎正蔵が東京・築地に造船所を開設したのが始まりです。かつての川崎財閥(松方コンツェルン)の主要企業で、川崎製鉄(現JFEスチール)や川崎汽船も川崎重工の一部門が独立したものです。

防衛装備品では、海上自衛隊の国産対潜哨戒機「P1」に加えて、今年から量産機の納入がはじまった航空自衛隊の国産輸送機「C2」を手がけ、2015年度には防衛省の契約実績で三菱重工を抜いて1位となりました。

だた、やはり祖業の造船は厳しい状況にあります。このため、社長をトップとする「構造改革会議」を立ち上げて船舶海洋事業の抜本的な見直しを進めており、今年度末までに結論を出す方針です。

IHI~航空機エンジンで国内首位

業界3位のIHIの2016年3月期の連結売上高は約1兆5400億円。1853年(嘉永6年)に水戸藩が東京・石川島に開設した造船所が母体です。主力は航空宇宙分野で、航空機エンジンでは国内首位。国産小型ロケット「イプシロン」も手がけています。このほか、ガスタービンや産業機械、LNG貯蔵タンクなどを強みとしていています。

自動車エンジンの燃焼効率を高めるターボチャージャー(過給器)では、三菱重工とともに世界市場を寡占する大手4社のひとつです。

造船では上位2社に先駆けて事業再編を進めました。国内造船2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)は、2013年にIHIやJFEホールディングスの造船子会社を統合したもので、IHIはJFEホールディングスと共に筆頭株主です。

航空宇宙分野では、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と今年7月、米ボーイングの新型大型機「B777X」向け新型エンジン「GE9X」の開発参加について基本契約を締結しました。このほか、格安航空会社(LCC)の登場などで需要が広がるエンジン保守・点検向けに新工場の開設も検討しています。

三井造船~船舶・エンジンが主力

三井造船は、鉱物資源や穀物を運ぶ「ばら積み船」などの貨物船、船舶用の大型ディーゼルエンジンなどを主力としています。舶用大型ディーゼルエンジンの生産量では世界2位、港湾のコンテナクレーンでは国内シェア約9割を占めます。

2016年3月期の連結売上高は約8000億円。1917年(大正6年)に三井物産の造船部として創業した三井グループ系企業です。子会社に浮体式原油・ガス生産貯蔵積み出し設備(FPSO)で世界2位の三井海洋開発があります。

他社などとの連携による新事業の創出に積極的に取り組んでいます。得意としている、微細な穴を利用して水や二酸化炭素(CO2)とほかの成分をふるい分ける「ゼオライト膜」では今年7月、三菱化学と業務提携しました。地球温暖化対策などを背景に今後、需要拡大がみこまれるバイオエタノール精製向けの市場開拓を狙います。

住友重機~先端医療機器に注力

住友重機は住友グループの総合重機大手で、国内シェア首位の「変減速機」やプラスチックを成型加工する「射出成型機」をはじめ、建設機械や産業用クレーン、船舶などを手がけています。2016年3月期の連結売上高は約7000億円でした。1888年(明治21年)、住友グループの源流とされる別子銅山(愛媛県)で使う機械設備を製作する「工作方」として創業しました。

今後の成長分野として期待されるのが先端医療機器です。がんの診断に使われる陽電子放射断層撮影装置(PET)用の粒子加速器では国内トップシェア。さらに、中性子を利用してがん細胞だけを破壊する次世代の放射線治療装置「BNCT」ではすでに臨床試験(治験)を進めており、世界に先駆けて実用化をめざしています。

「インフラ輸出」に期待

公共投資の縮小などで厳しい環境が続いてきましたが、最近は成長が続く新興国のインフラ需要と、円安による競争力の回復で、各社は売上高を伸ばしてきました。

いま、業界が期待を寄せるのが、安倍晋三政権が成長戦略の柱と位置づけている「インフラ輸出」です。官民が一体となり、海外に原子力を含む発電施設や、新幹線をはじめとする鉄道などを売り込み、国内の成長に結びつけようとする政策です。すでに、インドが新幹線の採用を決めたほか、タイや米国も導入の方向にあるなど成果をあげています。ただ、インドネシアの高速鉄道整備で、中国が日本を逆転するなど、世界的な競争も激しくなっています。

このほか、航空機も有望分野と期待されています。三菱重工のジェット旅客機「MRJ」はすでに400機を超す受注を獲得しています。米ボーイングの最新鋭機「B787」では、三菱重工が複合材製の主翼を担当しているほか、川重、富士重工業などが機体の一部を、IHIなどがエンジン部品を手がけています。

一方、造船は厳しい状況が続いています。かつて日本は「造船王国」として世界トップの座にありましたが、韓国や中国に追い越されてしまいました。このため、各社は生き残りをかけて業界再編を進めてきた経緯があります。2013年には、川重と三井造船が経営統合を協議したものの、川重が内部対立から当時の社長を解任して、白紙撤回するという騒動もありました。世界的な造船不況を背景に、再編機運が高まるとの見方もあります。

理系・文系の働き方は?

各社とも「航空宇宙事業本部」「車両カンパニー」など、製品分野ごとの組織をもち、それぞれが製品の開発・生産・販売の責任を担っています。

理系であれば、それぞれの事業部門の開発・生産現場で製品と向き合うか、あるいは本社直属の研究所で基礎的な研究にあたることが多いでしょう。文系であれば事業部門の管理・営業、あるいは本社のマネジメント部門に配属になるかもしれません。

気になる給与水準はどうでしょう。各社の2016年3月期の有価証券報告書によると、三菱重工は、平均年齢は39歳、平均年間給与は827万円。川崎重工は38.3歳、743万円。IHIは40歳、749万円。三井造船は37.8歳、616万円。住友重機は43.3歳、787万円です。

いずれの会社も技術系が経営を担う例が多く、三菱重工では宮永俊一社長の就任時、同社で「約40年ぶり文系出身のトップ」と話題になったほどです。

(平片均也)

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