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[ career-働き方 ]

歌う看護師(1)午前中は病院、午後はシンガーソングライターという生活

瀬川あやか authored by 瀬川あやか看護師、シンガーソングライター
歌う看護師(1) 午前中は病院、午後はシンガーソングライターという生活

 初めまして。現役看護師シンガーソングライターの瀬川あやかと申します。今回から「歌う看護師」と題して、本連載をスタートさせていただくこととなりました。記念すベき1回目の連載では、自己紹介もかねて「瀬川あやかは何者なのか」というところを詳しくお話できればいいなと思います。今後の連載の軸になっていくと思いますので、ボリューム的に1回分を頂戴します。拙い文章ではございますが、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

現役看護師シンガーソングライター

 まず最初に、「えっ! 現役看護師!?」、そう思った方が多くいらっしゃると思います。先に言っておきますが事実です(笑)。よく「本当に看護師やってるの?」と聞かれるので。

 私は今、内科の外来看護師として都内で働きながら年間約50本のライブ活動をしています。2016年冬現在、看護師は2年目、シンガーソングライターとしてはメジャーデビュー後約半年が経ちました。メディア等では「二足のわらじを履いた」と形容されることが多いです。「二足のわらじ」と言っても、どのように2つの仕事を両立させているのかがなかなか想像しづらいと思いますので、参考までにある日のスケジュールを紹介したいと思います。

朝~午後1時 「外来」 午後3時~5時 「リハーサル」 午後7時~10時「ライブ」

 これは病院もライブもあった日。動きは日によってイレギュラーですが、主に午前中が看護師、午後がシンガーソングライターといった具合にスケジュール調整をしています。

二足のわらじの起源

 私は北海道の富良野市出身で、5歳の頃すでに看護師と歌手(その頃はシンガーソングライターという単語は知りませんでした)2つの夢を持っていました。ピアノを習っていた祖母の影響で私もピアノを習い始めた頃です。音楽番組が大好きで毎週欠かさず録画をしては何度も何度も繰り返し見て、音楽の魅力にどんどんはまっていきました。

 しかし、ドがつくほどの田舎で「歌手になりたい」と言うには、あまりにも現実味のない話で(少なくとも私が一番現実的に考えることができなくて)それを家族以外に話す事はありませんでした。一方で、当時看護助手をしていた母の勤めている病院によくお邪魔していた私。患者さんに優しく接する母の姿はもちろんのこと、自分自身が看護師さんと接する機会がたくさんあったため、いつしか「こんなふうになりたい」と思うようになっていきました。

 みんなには「看護師になりたい」と言いながらも「歌手になりたい」という夢はこっそりと自分の中にしまいこみ、大学1年生の時に初めて表に出るまではずいぶんと時間がかかりました。念を押しておきますが、「歌手になりたい」という夢も決して嘘ではありません。私にとっては歌手も看護師も両方同じくらい魅力的でどうしても掴みたかった夢なのでした。

ポジティブスイッチ

 今後の連載では、この2つの夢と向き合う中で出会った挫折・葛藤・転機などもお話していければいいなと思っておりますが、そもそもなぜこのような連載をさせていただくこととなったのかについてまずはお話したいと思います。

 先述したように、私は自分がド田舎育ちであることにコンプレックスを持っていました。どうせ無理だとアクションを起こそうともせずに、「バカにされるから」「自信がないから」とすべてを田舎のせいにしてネガティブからスタートしてしました。しかし実は、これもあながち間違ってはいません。いや、間違っていなかったのだと今は思っています。

 ポジティブの秘訣はネガティブに向き合う事だという持論があります。きちんと自分のネガティブな部分ととことん向き合い、それに対してどうアプローチしていくのかを考えることがポジティブへの近道なのだと思うからです。正直なところ、自分も落ち込んだりすることが多くあり、気になりだしたらとことん気になってしまって無限ループすることが多々あります。しかし、だからと言ってそんな自分を否定し可能性を削るようなことはしたくありません。そんな自分だからこそ受け止めて「それじゃどうするか」を考えることが大切なのだと思うからです。

 そうは言っても、ひとりでこれをスイッチさせるのは時に難しいことだってあります。そんな時に手を差し伸べてくれるのが誰か、つまり「人」であると私は思っています。挫折しそうになった時、葛藤していた時、転機があった時、私もいろいろな場面で誰かに支えてもらってきました。人生は出会いがすべて。この連載を通して、私が読者の方々の何かスイッチになれたならと思いながら、次回からは、私が実際に人と関わる中で感じたことや経験をより具体的にお話させていただきたいなと思います。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。偉そう風な文章になっていないかだけが心配ですが、ぜひ次回も楽しみにしていてください。