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会社見学へ行こう(12)オリエンタルランド
「”夢の国”を支える仕事って?」

authored by 日経カレッジカフェ 
会社見学へ行こう(12) オリエンタルランド 「”夢の国”を支える仕事って?」

 東京ディズニーリゾート(TDR)といえば「夢の国」。誰もが思い描くキラキラの世界観はTDRを運営するオリエンタルランド(OLC)の企業イメージに付いて回りがちですが、「実際のところは、どんな企業なの?」。日経カレッジカフェがOLCの協力を得て実施した本社見学会の様子をお伝えします。

 千葉県浦安市舞浜の本社見学会は11月22日に開かれ、41人の学生が参加しました。まずはOLCの横顔紹介。説明役は人事部の原真奈未さんで、日本のテーマパーク業界の歴史をひもときながら、1960年の会社設立に始まり、79年のウォルト・ディズニー社との基本調印、83年の東京ディズニーランド(TDL)開業、2001年の東京ディズニーシー(TDS)開園へと続く成長の軌跡を振り返りました。

学生の鋭い質問が続出

オリエンタルランドは30年以上にわたりテーマパーク業界をけん引する

 ちなみに、TDLとTDSの2つのパークの投資額の累計は約5180億円。東京スカイツリーの事業費(約500億円)の10倍を軽く超えます。「お金と時間をかけ、丁寧にテーマパークを創っています」。原さんの言葉を聞き漏らすまいと、多くの学生が手元のメモ帳にペンを走らせました。

 質疑応答は活発でした。「チケット代の値上げには、TDRの入場者を抑えて混雑の解消につなげようとの狙いもあるのですか?」「舞浜に一極集中している現在の事業戦略を見直す考えは?」――。原さんは相手の質問を複唱して内容を整理し、丁寧に回答します。「新しいアトラクションの導入でテーマパークの価値を高め、それに見合う価格を決めています」「リスクを計算し、今後の事業展開を検討しています」。

 米国のウォルト・ディズニー社との関係で何かと大変なのでは? という趣旨の質問では、「打倒ディズニーではなく、良きパートナーです」と苦笑交じりで答える一幕も。やり取りを会場の後方から見ていた幹部社員は、こんな感想を漏らします。「今日の学生はみんな鋭いですね」。

 この後、学生たちは5つのグループに分かれて屋外に出ます。「バックステージ」と呼ぶ本社エリアのツアーでした。人事部の原さんの同僚5人が1つずつグループを受け持ち、ツアーガイドを務めました。本社エリアはTDLとTDSの間にあり、セキュリティ部門が自前で持つ消防車や不測の事態に備えた自家発電装置が配備されています。

 TDRの入場者数は年間3000万人以上。「ゲスト」と呼ぶ入場者の安全・安心を紡ぐ舞台裏を覗ける機会はそうそうありません。学生たちの興味は尽きないようで、メモ帳の手書きの文字はどんどん増えていきました。約45分のツアーでしたが、案内先はエリアのごく一部だったとか。どれだけ広いのでしょうか。

 本社見学会の締めくくりは、社員との座談会でした。会議室に戻った学生たちとガイド役の社員はグループごとに車座になって思い思いのフリートークを展開します。すっかり緊張のほぐれた学生たちの質問は熱を帯び、こっちのグループで「どんな新入社員を採用したいと考えていますか?」との声が聞かれたかと思えば、あっちのグループでは「会社で活躍できる人材とは?」「会社が今後成長するために、どのような取り組みをしていくのですか?」といった調子。

東京ディズニーランドのシンボル、シンデレラ城

 学生に負けじと、5人の社員の口も滑らかで、「エンタテイメント系の社員が多い。職場で誕生日を祝う会は、そこまでやるか!!の企画だらけ」「若手にも大きな仕事のチャンスが与えられます。責任感と根性が身につきますね」などと、会話が膨らみました。

「この仕事に就いて良かった」と思うとき

 2時間半の見学会を終えた学生たちの感想は、こんな声に集約されます。「企業使命をとても大切にしている」「取り組みの1つ1つに社員が誇りを持ち、生き生きと働いている」「新しいことにチャレンジする姿勢が素晴らしい」。キャスト教育の充実ぶりに驚きの声も上がりました。「キャスト」とはTDRで働く約1万8000人のアルバイトの呼び名で、約3200人の社員と一緒に「夢の国」を支えています。

 青山学院大学3年の山崎達也さんは本社見学会に参加してイメージとのギャップを知りました。希望の職種は企画かマーケティングの仕事で、「洗練されたホスピタリティーに溢れるオリエンタルランドで働いてみたい」と思ったそうです。理由の1つに、冒頭の質疑応答の中で原さんから聞かされた話を挙げました。

 入社9年目の原さんは1年前に育休を終え、人事部に原職復帰しました。毎朝、TDRに向かう大勢の人たちと同じ電車に乗り合わせます。「車窓の向こうから近づくシンデレラ城にワクワクする若いカップルやファミリーの姿を見るたびに、この仕事に就いて良かったと実感します」とのくだりは、OLCの社員ならではのエピソードかもしれません。

 OLCは来年2月、初めてのインターンシップを実施します。募集は100名で、12月12日まで応募を受け付けています。「もっとオリエンタルランドを知りたい人はぜひ、参加してください」。原さんの結びの言葉です。