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「変なホテル」ギネス認定
ロボットがおもてなし

「変なホテル」ギネス認定ロボットがおもてなし

 長崎県佐世保市のテーマパーク、ハウステンボスが運営する「変なホテル」が11月17日、「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録として認定された。3~5年内に国内外で100店舗の展開を目指す「変なホテル」。「世界一」の称号で商機を呼び込むことはできるか。

これまでも記録に挑戦

 英ギネス・ワールド・レコーズが都内で開いた授与式でハウステンボスの沢田秀雄社長は「驚いているし、喜んでいる」とあいさつした。

 実はハウステンボスはこれまで何度かギネス世界記録に挑戦している。絵本「ウォーリーを探せ」のウォーリーに仮装して集まった人数で昨年から挑戦を続けるも失敗。「仮装も『このジーンズではダメ』など、チェックが厳しかった」(沢田社長)という。

フロントの受け付けをロボットが担う(長崎県佐世保市)

 「来年こそは認定を受けよう」と意気込むなか、今年の8月に思いがけずギネス・ワールド・レコーズ社から「『変なホテル』をギネス世界記録として認定したい」と連絡が入った。

 人間の代わりに16種類、186台のロボットがもてなしてくれる「変なホテル」。2015年7月の開業で、客室は全144室あるが、人間の従業員は現在はたったの9人。8月には単月で1億円の利益を達成した。沢田社長は「世界一生産性の高いホテル」と胸を張る。日本のロボット技術を使ったおもてなしは海外からの関心も高く、その「実績」にギネスは目を付けたようだ。

4万件の記録データと照合

 ギネス世界記録はギネスが1955年から認定を始めた。公式認定員が世界中を飛び回り、約4万件にのぼる記録データと照らし合わせながら世界記録を審査する。その記録は「ギネス世界記録」として20カ国語に翻訳され、100カ国以上で販売されており、海外での知名度向上にも直結する。

 10月にはシンガーソングライターのピコ太郎さんが歌う「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」が米ビルボードのランキング入りした中で最も短い曲としてギネス記録を更新したが、実は世界記録を目指して挑戦する国内企業は少なくない。

 NTTコミュニケーションズは今年7月に「1分間で行う最も多いハイタッチの数」で世界記録を更新。亀田製菓は世界最大の「柿の種」を製造し、認定を得た。

 ギネスが2011年に日本に拠点を設けたことも企業側が関心を高める背景だ。ギネスと提携し、企業や地方自治体の世界記録を後押しするブランド総合研究所(東京・港)によれば、世界記録を目指したい企業の依頼は増えているという。

5億8000万円の経済効果も

ギネス世界記録の公式認定証を受け取るハウステンボスの沢田秀雄社長(11月17日、東京・新宿で開いた授与式)

 挑戦する企業が期待するのは宣伝効果だ。実際、ブランド総合研究所が2012年に山梨県甲府市で企画された「侍の最大集合記録」を分析したところ、経済効果は5億8000万円に達したという。

 2011年から6年連続でクリスマスツリーの電飾数で世界記録を更新したテーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)の高橋丈太広報室長は「世界一になれば、それだけ注目度も上がり、集客にもつながる」と説明する。

 11月17日の「変なホテル」への授与式に出席したギネス公式認定員のジャスティン・パターソン氏はこう強調した。「我々は型にはまらない成功や偉業を認定する」。知名度向上で"商売繁盛"をもくろむ企業の挑戦が続きそうだ。
(岸本まりみ)[日経電子版2016年11月17日付]

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