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NPOの虎の穴(21)働くこと・仕事に何を求めるか~変化していく価値観

立花 貴 authored by 立花 貴公益社団法人MORIUMIUS 代表理事
NPOの虎の穴(21) 働くこと・仕事に何を求めるか~変化していく価値観

 (株)雄勝そだての住人のお歳暮の出荷も最盛期を迎えています。1年で1番浜が活気づく、冬の風物詩ともいえる帆立耳釣りも後半戦に入っています。早いもので、来春以降の企業研修やオフサイトミーティングの打ち合わせが始まっています。年々新入社員の価値観が変わってきているという話は人事の方からも聞かれています。全てではありませんが、全体感としては家族や身近な人との幸せを考え、生活面での安定という思考は強くなっている一方で、会社を通じて社会貢献や地域貢献を考える人や自分の成長の促せる職場環境やキャリアデザインを求める意識は強くなっているようです。

 二十数年、私が新入社員であったときは「昭和」の雰囲気が漂う時代でした。会社は利益を追求するもの、会社を通して何か貢献するという意識は総じて薄かったと思います。また、成長は嫌が応にも促される職場環境でした。月曜日出勤する際には、4日分のYシャツ下着など着替えを持参し、金曜日に社員寮に帰れれば良しとしよう、と平日は半ばあきらめていました。今にもこぼしてしまいそうな仕事量や案件を皿回しのように回し続ける、そんな日々でした。

作業をする筆者

 考えるというよりも、落としてはならないという恐怖感で、やるしかないという感じでした。ある意味、毎日毎日仕事の負荷をかけられ続け、やったことのないチャレンジをし続けた結果として、3つの力がついたと思います。ストレス耐性、業務処理力、数字を読み取る力(事業計画、PL・BS・C/F、試算表を一瞬で把握する力)。特に数字面では試算表や決算書をさっと見ただけで会社の状況を把握できるようになりました。自分自身でも確度の高い事業数値が立てられるようになりました。

 また3つ姿勢も身についたと思います。どうすればできるか考える、諦めない、行動し続ける。これらは自主的というよりも訓練でついた力、姿勢だと思っています。1~3年でジョブローテーションがあり、やったことのない仕事や国内外問わずなかば強制的に出されて武者修行を積む。いいか悪いかは別として、残業禁止、ワークライフバランスとは全く真逆の、ぼろ雑巾のように使われた時期、それでいて、逆に楽しいと感じられた時期がありました。

 私の時の価値観とはある意味真逆の価値観で入ってくる新入社員。経済的な満足感ももちろん重要ですがそれと同等にもしくは、それ以上に、自分の存在意義や社会貢献、地域貢献、周りの幸せや自分が成長できる環境を求める人は増えていくのでは、と感じています。

帆立耳釣り作業

"急激な人口減少に日本消滅、東京ブラックホール?!"

 先日Benesse主催の「オーバーミリオンチャレンジ」と題した大学生の視点で少子化対策にどのような施策が考えられえるかを競い合うイベントに参加してきました。イベント冒頭、ベネッセ教育総研の方から導入として、統計データから予測計算される「データで見る2030年の日本」という20分ほどの興味深い説明がありました。以下数字は勝手に私がかなり丸めて書いています(出所 ベネッセ教育総研 2016)。

人口トレンド

割と「日本消滅がリアル」
・2016年1億2千万人→2080年代6千万人(あと70数年後)。 計算上では3200年代に日本人口1,000人、消滅
・1世代ごとに同じ年生まれの人口4-5割減少している 例えば、自分と同じ生まれ年(1969年)は200万人いたが、今の20歳は100万人
・20代独身者の結婚願望はこの10年でさほど変化なく7-8割で、早く結婚して家庭を持ちたいという意識も欧米よりも高い
・20-45歳未婚者で交際している人がいない人の比率は7割

何が原因なのか
・結婚がしにくい 経済的理由・社会的理由、晩婚化晩産化。理想のこどもの数は70年代も今もあまり変わっていない 2.6人→4.4人
・子育てがしにくい 保育所不足、子育て世代の貧困化など
・東京「ブラックホール」論 出生率最低の東京に、地方出身の若年人口(出産適齢者)が吸収される構造

政府の対策
・2050年に人口1億人を維持
 待機児童対策、子育て支援制度
 こどもを産み育てやすい社会&女性が安心して働ける社会
 結婚やライフキャリア教育の委員会も発足、家庭の役割・教育の側面から議論開始

 上記のような興味深い説明を受けて、私の意見ですが、大企業や多くの民間企業が都市部だけで人材を吸収してしまっているところに大きなチャレンジが必要だと思います。本社を地方に移転したり、地域に人材を出向させたり、都市部と地方のデュアル生活を推進するような勤務体系、あるいは、ロート製薬のように兼業を推進し、地域の一次産業や企業を支援するような取り組みが日本中の企業に浸透してくれば、東京ブラックホールは薄れてくるのではないか、と考えます。

<お知らせ>
その1
『ひとりの力を信じよう』(2017年1月発売・英治出版)
 ひとりの人の熱量ですべてが動き始める。「今あるもの」で人と地域の未来をつくる。一人でも多くの人に仲間になって頂きたいという思いから、震災6年目を前に、5年ぶり2冊目の本を出すことになりました。

その2
今が旬の雄勝産 活帆立はこちらオンラインショッピングからどうぞ!
(株)雄勝そだての住人 

その3
農林漁業などの一次産業体験を人と地域から学び、田舎と都会、日本と海外の仲間との共同生活を通じて多様性を学び、持続可能な社会を創るこどもたちの学び場がモリウミアス・ルサイルです。7泊8日を基本プランとし、2泊3日のMEETモリウミアスという短期間の体験プランも実施、週末1泊2日でこどもと一緒で参加できる家族コースも用意しています。詳しくはHP、FBをご覧ください。
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